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2017年1月12日の大崎裕史の今日の一杯

私を含むラーメン評論家の欠点(弱点)。
開店して間もない店に行き、一杯食べただけでその店を知った気になる。
これは、「ある店の二杯目三杯目」よりも他の「新店の一杯目」を重視してしまう傾向があるから。

この店のようにしばらくしてから変化した店へはなかなか足を運ばない(気が付かない)ものなのだ。年末年始の休みにラーメンをキーワードとして自動録画されていた番組を眺めていたら、この店が紹介されていた。紹介メニューは基本メニューではなく限定から定番に昇格した「トリポターノ」。実にうまそうだったので「いづる」に振られ、その並びにあったのでちょうどよく寄ってみた。

この店のコンセプトは「鶏ポタ」。鶏と9種類の野菜をじっくり煮込んだ無化調ポタージュスープ。ラーメンとつけめんはもちろん開店当初からあったが、鶏ポタンタン麺はどうだろう?それと今回注文した「トリポターノ」820円。期間限定で「デミポタ」というのもある。「鶏ポタ」を基本としてそのアレンジ系が充実してきている。しかも、普通だと「あっさり・こってり」とメニューを分けそうだが、ここは鶏ポタから離れず、「ぽてり」素材感があるスープ、「とろり」とろみがあるスープ、「さらり」さらさらとしたスープから選択できる。

「トリポターナ」はその鶏ポタスープにパルミジャーノ・レッジャーノをたっぷり振りかけ、コンセプトは「スープまぜそば」。かなり矛盾したネーミングだが実にそんな感じの仕上がりになっている。まぜそばのようにスープが麵に絡みつくが、スープとしても飲める。とろっとろだがチーズ由来の粘度もあるのか、くどさはない。かなり洋風だが中華麺使用なので「ラーメン」という括りで間違いない。

具は炙り鶏肉、アスパラ、キャベツ、チーズ、そして卵黄とピンクペッパーがいい仕事をしている。別添でレモンが付き、後半使用でさっぱり味変。卓上のカレーパウダーや胡椒などでの味変も可能。カレーパウダーが相性いい。何回味を変えたんだろう?というくらいいろいろ変化させて楽しめた。

1月5日で5周年だそうだ。かなりいい感じに進化発展してきている。裏路地にあり、目立たないが14時半なのに8割くらいの入りで賑わっていた。素晴らしい。

お店データ

鶏ポタラーメン THANK 大門店

東京都港区芝大門2-1-13 芝大友ビル1F(大門)

目黒にあった時の「ラーメンゼロ」のにて店長を勤めていた方によるお店。鶏と野菜のポタージュスープに細麺の一杯を提供。スープ濃度は三段階(さらり・とろり・ぽてり)から選択可能。

大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンショー実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2019年4月末現在約12,500軒、約25,500杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。