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「味玉そば ¥750」@中華そば・つけめん 甲斐の写真平日 22:35 待ちなし 先客3名 後客3名

今夜の目標は京王井の頭線 久我山駅だ。現在渋谷にて22時ちょうど。夜も遅いのでガッツリ系だけは避けたく以前から注目してしていたこちらを目指す。平日は深夜まで営業しているようで後回しになっていた店だ。

ただひとつ心配なのは店主の修行先と言われてる荻窪の名店に10年ぶりに訪れた時に美味しかったと思っていたラーメンが自身の味覚の変化により口に合わず食べられなかった点だ。麺のかんすい臭がひどすぎた。

もともと東京ラーメンが好きで興味を持ったのであの事件は衝撃的だった。あれ以来となる東京ラーメンなのであの時の思いを払拭したくこちらへ願いを託す。

渋谷から急行に乗れば20分弱で着くはずだ。乗換もなく人混みさえ我慢すればたどり着けると自分に言い聞かせて帰宅ラッシュの車内になだれ込む。スマホで店の予習も出来ないほどの混雑さでただひたすら時が過ぎるのを待つ。

四駅で着いた。各駅停車じゃなくて良かったと胸をなでおろす。久我山初上陸だが駅からは近いようなので方向音痴の私でも迷う心配はなさそうだ。駅を出るとスープの香りがする気がした。それほどに目の前にあった。

外観は映画にでも出てきそうな風情のある趣きで郷愁を誘う。朽ちたのれんをくぐると外観にぴったりの店内とご主人が出迎えてくれる。タイムスリップしてきたようだ。なぜだかワクワクしてきた。年季の入った券売機もまた泣かせてくれる。古びてはいるが店内のステンレスの壁や換気フードはピカピカでご主人のお人柄だろうか。

食券を手渡しカウンターに座りお冷やを注ぐ。のどの渇きを癒し味覚をリセットするために口に水を含んだ。ワンオペなので席数も少なく満席ではないので着席後4分で我が杯が到着。

白磁に紺色の雷紋柄の小ぶりな丼にて現れた姿はこれぞ東京ラーメンといった顔立ち。この店の雰囲気にもピッタリだ。派手さのない素朴な姿に癒される。

ダイナミックな向きに置かれたレンゲを手に取り半濁の焦香色のスープをひとくち。先頭バッターは豚げんこつと鶏ガラの動物系のどっしりとした旨み。二番バッターは煮干しの和風だしの香りと軽やかな苦味。その後ろで見え隠れするのが東京ラーメンに良くあるコショウのピリッとした刺激と非天然由来の舌を刺す刺激だった。カエシの塩梅は程良かったがあまりの刺激にスープは断念する。

これで麺がかんすい臭かったら荻窪の再来だ。わざわざ満員電車に揺られてまで来たのにそれだけは避けたい。最近は見かけなくなった懐かしい中太ちぢれ中華麺は見た目は修行先の麺ほど黄色みはなく太さもやや細めだ。覚悟を決めて箸を伸ばす。食べるより先に匂いを嗅いでしまった。不必要なかんすい臭はせずまずはひと安心。思い切って束で頬張ってみたがツルッとした口当たりで噛むと小麦の香りがしてくる麺に拍子抜けしてしまった。ただ加水が少ないのか刺激的なスープをふんだんに吸い上げ舌の痺れと格闘することになる。

具材はシンプルで王道な四種でまずは焼豚からいただく。豚バラの煮豚型焼豚は箸で持ち上げられないほど柔らかいが旨みも抜けてしまっていた。

味玉は固茹でで白身も漬けだれの塩分で固く締まっており黄身にもしっかり火が入っていた。漬けだれの色素は移っていたので味玉というよりは色玉の表現が的確。

一般的な太さのメンマは味も一般的だった。おひとりで営業時間も長く切り盛りされているので細かなとこまで手仕事が行き届かないのは仕方ない事かも。

刻んだ白ねぎも海苔も特筆するほどではなくこのラーメンを象徴していた。

攻撃的なスープに敗れ随分と残してしまったが昔ながらの中華そばで満足できる身体ではなくなってしまったのだろうか。確かに平成以前のラーメンにはMSGは不可欠だったので昔ながらイコールそれの構図は今も変わりなく続いているのかも。

しかし天然由来の昔ながらの中華そばもあることを知っているので後世に残さないといけないと思い帰路についた。久我山駅の滞在時間はなんと10分だった。帰りの井の頭線のガラガラの車内で舌の痺れと戦い敗北感に包まれる一杯でした。

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