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「味玉入り中華そば ¥850」@中華そば 麦萬の写真土曜日 薄曇り 11:50 先待ち1名 後待ち2名

先日、近所のBARで飲んでいると私よりも先輩に見える方たちがラーメンの話をしていた。聞き耳を立てていると出張中の関西の方のようで東京のラーメンにハマっているとの話だった。その話は子供の頃に食べた東京の中華そばが忘れられないという内容から始まっていた。

その話題の中で出てきた店が荏原中延の老舗店や休業中の銀座のWINS横にあった名店などだった。あまりに興味深いが人見知りなので話題に入る事は出来ず、そっと耳を傾ける。その時に数々の老舗店の中に混じって出てきたのがこちらの店の名前だった。

店名も駅名すらも聞いたことがないので、その場でこっそり検索してみると確かにヒットした。情報によるとまだ新しい店のようだが写真からも昭和を代表する雰囲気が漂っている。これは絶対に訪問しなければと思ったのが昨日のことである。

人生の中で副都心線で最も遠い駅に向かうが乗車時間は30分程度と割と近くて驚いた。駅に降り立つと立派な駅と華やかな駅前にさらに驚く。しかしその光景は本当に駅の前だけで、そこから続く〝ふじみ銀座〟とある商店街は哀愁漂う街並みだった。

その商店街を進むと開店前だと通り過ぎてしまいそうな佇まいのこちらがある。開店前に着いたがすでに1名待ちでそれに続く。定刻より2分早く提灯と暖簾がかかり開店となった。

この提灯と暖簾が醸し出す雰囲気にノスタルジーを感じる。昭和にタイムスリップしたようでこの商店街にもマッチしている。

昭和時代にはなかった券売機でお目当てのラーメンと味玉を購入。たった6席のカウンターに腰を下ろして店内を見渡す。

ワンオペ営業で調理から接客までの全てをこなすが6席なのも納得できる。建物は古いが店内はキレイに掃除も行き届き清潔感がある。カウンターの奥には、うかい亭ばりのウェイティングシートまで設けてあり、お客様ファーストなのが伝わってくる。

着席後すぐに調理が始まる。カウンターの壁に阻まれて手元は見えないが麺を揉む動作が見てとれる。その麺の持ち上げて粉をはたく時に見えたのが平打ち麺だった。偶然にもマイブーム絶賛継続中の手もみの平打ち麺だった。これは期待が高まる。

その麺を麺茹で釜のテボの中へ投入する。施工のミスか吸気口のミスなのか湯気や熱気がダクトに吸い込まれず漏れていた。改善するために小型の扇風機で空気の流れを変えていたが真夏の調理場の暑さを心配してしまった。

余計なお世話を焼いていると我が杯が到着。青磁の小ぶりな切立丼の中には評判通りの懐かしい顔立ちだ。食べる前から一目惚れしてしまうくらい好みのラーメンで珍しく写真を撮る手が震えた。

はやる気持ちを抑えてスープをひとくち。透明感と深みを併せ持つ赤褐色のスープは白口煮干しならではのふんわりとした旨みと香りが口中に優しく広がる。魚介の旨みに特化した動物由来のスープを排除した穏やかな味わい。しかしコクが無いわけではなく幾重にも旨みの層が重なる清湯スープ。

その旨みの重なりをキレのあるカエシがひとつにまとめ上げる。柚子の姿は見えないが微かな柑橘系の香りを香味油から感じたが詳細は分からなかった。しかしこの香味が食欲を高める。

店内に製麺室は確認できなかったが自家製麺と思われる平打ち麺はツルッと飛び込んで来て個性豊かなそれぞれが口の中で暴れ出し噛むたびに小麦の旨みを感じる。そのあとの喉越しも素晴らしく平打ち麺界の最高峰。

具材もほぼ完璧だった。まずは大好物の昔ながらの赤耳焼豚。流行りの低温焼豚の機械任せの調理法とは異なり肉質の良さと調理技術が試される。こちらの焼豚が秀逸なのは豚ロースの質の高さと漬けダレのレベルの高さだ。しっかりと赤身の旨さを残しつつ五香粉で香りを付けて蜜だれの甘さを焼きつける手間のかかる工程を経ているのが分かる。焼豚を追加しなかったことを後悔するほどの仕上がり。

追加した味玉もたまごの質が良く、味もしっかり染み込んでいるが固くはならず黄身の熟成感を引き出している。

メンマは柔らかな細切りタイプだったが味加減と歯触りは良かったが、せっかくの発酵臭が残ってなく好みと違って残念だった。

再び麺に戻ったが多加水な麺はスープの影響を受けることなく力強さを感じた。全てを完食したがまだまだ食べられると思ったのはアニマルフリーの証しだろうか。丼を両手で傾けスープを飲み干す際に玉ねぎのアッシェが転がり込んで来るのが少し邪魔だったが必要な要素があるのだろう。次回の検証の楽しみにしよう。

偶然に聞いた店のラーメンだったが大満足で食べ終えた。やはりオジさんにはオジさんの意見が合うようで確かに本日のカウンターのオジさん占拠率は100%だった。社会に揉まれ流行りのラーメンに疲れたオジさん達にぜひ食べて欲しいと思う一杯でした。

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