なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 

「かつお醤油ラーメン ゆず入り ¥770+味玉 ¥120」@麵屋 しるしの写真土曜日 晴天 11:00 待ちなし 後待ち4名

「ちゃるめ」「ちゅるり」「つるる」「ゆるり」「しるし」

謎の語呂合わせウィークも佳境を迎えた。それは正直言うと、もうネタが尽きてきたからだ。昨日の栃木県足利市「ゆるり」からの帰り道の電車内でRDBを漁ってみるも五段活用できそうな店が挙がってこない。

北海道の旭川には「くるる」石狩には「がるる」と名乗るラーメン店があるが、そこまで行ってしまうと道楽も度を超えてしまう。泣く泣く諦めて四段活用で終了かと思われたときに、コチラの店名がヒットしてしまった。

〝してしまった〟と言うのも、かなり遠方ではあるが行けない事はないと思ってしまったのだ。こうなると火がついた遊び心を抑えることが出来ず、早速お店情報を調べてみる。不運にも明日は営業日のようだ。アクセスが困難ならば諦めようと思ったが、新宿駅からハイウェイバスだと一本で最寄バス停に着くようだ。語呂合わせの為にハイウェイバスと言うのも如何なものかと考えもしたが、気が付けば乗車券の予約ボタンをクリックしていた。

早朝6時半に自宅を出て人生初の新宿バスタに着いた。7:25発 京王バス 上諏訪経由 岡谷行きに乗車すると、もう旅は始まっている。天気の良い休日なので、首都高に入った途端から渋滞気味の中央道を一時間ほど走ってもまだ八王子あたりだ。この流れだと定刻通りには着かないと思いながら先へ進む。しかし相模湖を越えると一気に渋滞は解消し流れに乗った。それと同時に、早起きだったせいかウトウトと眠ってしまった。

目が覚めると休憩の双葉SAで、ここまで35分遅れのアナウンスがあった。バスを降りると都心よりも随分と冷たい空気が張りつめているが、とても澄んでいて気持ちいい。一瞬でリフレッシュされるとバスに戻った。そこからは順調にバスが走り目的地の諏訪インター前バス停で下車した。

ここまで定刻を45分遅れだが、時間に余裕をもって出発していたので慌てることなく店へと向かった。高速道路を降りたところにあるバス停からは歩いて5分もかからないという奇跡の近さに驚いた。開店30分前の現着だったので行列もなく近隣を散策してみる。

コチラのラーメン店も大きいが、目の前の焼肉屋はさらに大きく7階建てのビルとなっている。先ほど立ち寄った双葉SAよりも体感温度が低く感じたので、斜向かいのコンビニで携帯カイロを購入し店に戻った。大きな駐車場完備の店先にて先頭にて待機する。

定刻より10分も早く早開けとなった。後列の家族づれにも優しい対応だ。中待ち部屋を抜けて店内に入ると券売機はなくカウンターに案内された。卓上メニューにはバラエティに富んだラインナップで悩んでしまうが、一番サッパリしてそうな魚介系にして味玉追加を口頭で伝えた。すると「ゆず入りがオススメですよ」と説明があったので、薦められたままにお願いした。

店内を見渡すと小上がりやテーブル席も多く設けられた広々とした空間が広がる。地方の郊外店感が満載の店内を六人体制で回している。本日の客層は休日なので家族づれや高校生くらいの子供たちが多い。調理場を見ると、各々の持ち場が確立してありオペレーションは安定している。中でも圧巻なのは麺上げを担当する店主さんであろう男性のテボさばきだ。12連のテボにはスープによって使い分けられる四種類の麺を同時にさばいている。細麺から極太麺まで茹で時間の異なる麺を茹でる姿に見とれてしまった。

すると一番早い麺上げのロットで我が杯が到着した。胴に朱色の刷毛目が入った反高台丼の中の姿は家系ラーメンのような表情をしていた。諏訪で横浜を感じられるとは不思議なものである。

まずはスープをひとくち。茶濁した液面からは苦手な魚粉が浮いているように見えるが、レンゲを差し込んでみると思いのほか抵抗が少なくサラリとしている。いざ口に含むと節粉の香りが先導するが、ザラつきはさほど感じない。豚骨ベースに魚介出汁を合わせたオーソドックスな豚骨魚介スープは、やはり家系をイメージさせる。まろやかに乳化したスープは舌触りも悪くはない。カエシの醤油ダレは長野地方ならではの少し強めの塩分が気になった。

四種類あるうちの麺から豚骨魚介スープに合わせられたのは中細ストレート麺だった。麺上げまでは120秒弱くらいで、箸先からは柔らかめな麺質を感じる。やや強気なスープを落とすように麺を揺すってから啜ってみる。一気に吸い込んだ空気に伴って魚介の香りも飛び込んでくる。グルテンが溶け出して甘みのある麺との相性が良い。本日初めて口にするのが豚骨魚介だったが、すんなりと受け入れられた。出来るだけスープを絡めないように食べれば塩分よりも麺の旨さが勝るので、食べ進められた。

具材は豚バラの煮豚型が一枚で厚切りとは言えないが中々の大判。片面にはバーナーで炙りが施されていて香ばしい香りが立っている。ホロホロと箸が触れただけでも崩れるような柔らかさなのでレンゲですくって食べてみる。豚バラ本来の旨みは抜けているが、煮汁の味で食すタイプのチャーシュー。薬味の白ネギとの共演で物足りなさは回避できた。

やや私には残念なチャーシューの後で食べた味玉は衝撃のうまさだった。グラデーションの浸み込みではなく、均一な浸透が黄身の中心部まで浸みている。ひと晩では成し得ない熟成感が生み出すネットリとした口当たりが口内を覆い尽くす。それでいて白身に塩気は感じず、黄身の甘みが引き出されている。過去の味玉ランキングトップ5には間違いなく入る代物だった。この味玉に出会えただけでも高速バスに乗ってまで来た甲斐があると思った。

この味玉の印象が強烈すぎて他の具材たちは霞んでしまった。メンマは細めの板メンマだったが、手仕事感はなくどこでも食べられそうな業務用品に思えた。青みのほうれん草も残念だが袋入りのカットほうれん草と変わりない。

薬味の白ネギは粗めに刻まれており、熱々のスープで甘みが増して麺やチャーシューとのマッチングは良かった。十字9切の正方形の海苔は口溶けは良いが香りは全くせず、保存状態の良し悪しが出てしまったのか。オススメの柚子は入れ忘れかと思うくらいに見た目、味覚ともに確認できなかった。

スープの塩気と戦いながらも麺と具材は平らげていた。スープにもチャレンジしたが丼の底に沈んでいるであろう節粉の舌触りが気になるので、ここでレンゲを置いた。

店を出る頃には店内は満席近く埋まっていて、地元人気の高さを知る事ができた。ここからの帰り道だが高速バスのバス停は近かったが、電車の最寄り駅は無い。ましてや路線バスすら走っておらず、流しのタクシーなどある訳もないので最寄りの上諏訪駅まで一時間近く歩いて向かった。その道すがらには、さすがに霧ヶ峰からの伏流水がきれいなので日本酒の有名酒蔵が軒を連ねている。全国広しといえども、ここほど酒蔵が集まっている場所はないのではなかろうか。上諏訪の酒で地元のツマミで一杯やって帰京しようかとも考えたが、良からぬ事を思いついてしまった。

せっかく都内を離れたのだから未訪問県を訪ねてみるのはどうだろうかと、上諏訪駅でRDBと向き合ってみる。すると三重県以西は未だ手付かずの未知なる領域がある事に気付いてしまった。

これが〝ラーメン紀行〟ならぬ〝ラーメン奇行〟の始まりを予感させる事となる一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

まだコメントがありません。