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「特製醤油そば (全部のせ) 手揉み麺 ¥1000」@麺処 いち林の写真平日 晴天 10:25 待ちなし 後待ち4名 後客10名以上

〝上州高崎 二泊三日ラーメンめぐり〟番外編

当初は一泊二日の高崎めぐりの予定だったが、突然の同伴出勤のお誘いを受けて延泊する事になった。予定では昨日の夜に三食目(二日間で六食目)を食べてから帰京しようと考えていたのだが、二食目を食べ終えたあとに前夜の高崎ナイトで知り合って連絡先を交換した女の子からの食事同伴を受けて考えていた三食目を断念していたのだ。

もともと連泊予定ではなかったので慌てて駅前のホテルをとって同伴のための食事先を検索すると、駅の近くに和食料理店を見つけ予約を済ませた。その先は大人の諸事情で割愛させていただくが、ご機嫌な高崎はナイト2を楽しんだ。

何時にホテルに戻ったか記憶は定かではないが、今朝の目覚めの良さからはそれほど遅くまでは呑んでいなかったと思われる。早朝8時にベッドから抜け出すと濃いめのコーヒーを飲みながら本日の店探しを始めた。

高崎市内にも行ってみたい未訪問店はあるのだが、少し足を伸ばした先にいずれは行かねばならぬ人気店がある事に気付いた。それはRDBのスパコンがオススメに挙げているコチラなのだ。

そこで本日は高崎めぐり番外編のスピンオフ企画として恒例の対決をすると決めた。

〝第33回 RDBの超高性能スーパーコンピューターが算出したオススメ店は本当に私に合うのか!〟を連日開催する。

このイベントは、RDB PC版のオススメに挙がる六店舗から、その店のイチオシではなく、自分の好きそうなメニューを食べて採点し超高性能スパコンとの勝敗を決めるものである。決してお店との勝負ではないのは理解していただきたい。

採点基準は90点以上付いたなら私のKO負け、80点以上ならば判定負け、70点台なら引き分けとし60点台なら判定勝ち、59点以下の点数ならば私のKO勝ちとする。

過去32戦の対戦相手は「風雲児 」「麵屋一燈 」「煮干しつけ麺宮元 」「竹末東京プレミアム 」「さんじ 」「麺処 晴」「燦燦斗」「神田 勝本」「中華そば屋 伊藤」「麺処 ほん田」「煮干中華ソバ イチカワ」「麺屋 和利道 warito」「らーめん 芝浜」「らーめん かねかつ」「狼煙〜NOROSHI〜」「ラーメン大至」「中華ソバ 伊吹」「麺処 朧月」「Bonito Noodle RAIK」「中華蕎麦 とみ田」「陽はまたのぼる」「神田とりそば なな蓮」「ソバダイニング クアトロ」「旬麺しろ八」「MENSHO」「麺小屋 てち」「らーめん 鉢ノ葦葉本店」「らぁ麺 飛鶏」「中華そば 勝本」「◯心厨房」「家系総本山 吉村家」「自家製麺 くろ松」と名だたる有名店や人気店が並ぶが、通算対戦成績は32戦14勝9敗8分7KO勝ち1KO負け1没収試合と、先日の高崎での対決では初のKO負けを喫してしまったのだ。

それでもまだ私の勝ちがリードしているのは私の偏った偏屈な趣向とスパコンのオススメ店に大きくズレが生じているからだろう。現時点でもスパコンのオススメには一度もレビューアップした事のない、つけ麺専門店が半数以上を占めており対戦相手選びに難航していた最中なのだ。そんな状況下で挙がってきた店なので多少遠くあっても初訪問を決意したのだ。

こちらを目指すには高崎駅前から出ている関越バスに乗れば一本の乗り換えなしで向かうルートがあったが運行本数が少なく、11時開店前の現着を目指すには 9:25発 渋川駅行きに乗車するしか手段がなかった。そこでホテルを午前9時にチェックアウトすると西口バスターミナルに向かって定刻通りにバスに乗った。

やはり車社会の群馬県でバスを利用するのはお年寄りばかりで、私でも断トツの最年少である。そんな人生の大先輩方と一緒に揺られながら一時間ほど北上すると、最寄りの総合グランド前バス停に着いた。バス停の名前の通り、目の前には野球のグランドがあった。梅雨の合間の日差しに輝く鮮やかな緑色の芝生を眺めながらナビを片手に大きな交差点を曲がり店を目指すと、大型靴店と大型眼鏡店が乱立する〝靴天国 眼鏡銀座〟が印象的な通りを5分ほど進むと木目に筆文字の看板が見えてきた。

定刻の30分以上も前なので行列も出来てないので目の前にある大型電気量販店に、どこかのホテルかサウナに忘れてきたモバイルバッテリーを買いに行った。大型店と言えども午前中の電気店には私しか客がおらず貸し切り状態だったので、マイケルジャクソンのような買い物を楽しめた。購入したのはバッテリーだけだがリッチな気分になって店先へと戻った。

再び先頭をキープして暑い日差しの中でオープンを待つ事にした。定刻に近づくにつれて店先の駐車場には車が押し寄せてきて開店待ちの列も増えてきた。すると定刻通りに開店となり、上州の空っ風対策であろう二重扉の中の券売機にて豊富なメニューに迷いながらもマイスタンダードの醤油で勝負を挑んだ。減点法で採点しているので具材が増えると相手には不利にはなるが、せっかくここまで高崎駅から790円のバス代を払って来たので全部のせの特製のボタンを押した。

店内に入りカウンターへと案内されると店主さんの正面に座り、卓上の麦茶で喉を潤しながら店内観察をはじめる。テーブル席も設けてあるが決して広いとは言えないちょうど良い客席の店内を、本日は三人体制で回している。茶系で統一された客席と過度な設備の見られないシンプルな厨房内は、不思議と落ち着いた雰囲気が流れている。安定したオペレーションを眺めながら待っていると、ワンロット一杯の丁寧な調理にて着席後4分で我が杯が到着した。

その姿は白磁の高台丼の中で特製ならではの圧巻のボリュームを見せつけている。これで1000円とは驚きのビジュアルだが、コスパや価格設定は評価の対象にしないため心を落ち着かせてレンゲを手にした。

まずは赤みを帯びた弁柄色のスープをひとくち。たっぷりと液面を覆った鶏油の薄い部分にレンゲを射し込もうとするが、ふんだんな具材たちが邪魔をしてレンゲを沈める場所が見当たらないくらいだ。それでもレンゲの底を押し込んでスープをすくい上げると、分裂した粒子の鶏油が店内の照明をキラキラと乱反射している。その景色を見て美味しくないはずがないと確信して口に含むと、予想以上の香り高きスープが口の中はおろか身体中に鳴り響いた。その香味は上質な丸鶏由来と思われる鶏出汁の香りと、複雑でありながらも突き抜けた醤油の香りのカエシが織りなす素晴らしい香味だ。流行りのポルチーニやトリュフオイルに逃げないシンプルな構成だけに丁寧な仕込みが想像されて、何を足しても何を引いてもこの味わいに到達できないバランスの良いスープと出会ってしまった。少しばかり高めの塩気も麺や具材との相性を考えられての設定だと思い先へと進んだ。

開店前に店頭で並んでいるときに店内から麺を切るような音が聞こえていたのと、営業時間の短さから勝手に自家製麺かと思い込んでいたが、そんな表記はどこにもないので外注麺なのだろうか。麺は細麺と手揉み麺から選べるシステムだったので、絶賛マイブーム再燃中の手揉み麺を迷わずチョイスした。カウンター越しに調理の手元が見えないので想像力を働かせてみると、麺上げまでは230秒程度と思われる手揉み麺を箸で持ち上げてみる。その箸先には手揉みながらも割と規則的な波状の平打ち麺が現れた。掌底で強く押し込んだような潰れた麺肌ではなく、切刃のエッジも残っている平打ち麺だ。一本一本の重みが箸先からも伝わってくるので加水率は高いと思われる麺を、スープの拡散に臆する事なく一気にすすり上げる。どっしりとした口当たりと滑らかな舌触りと歯応えの強さが一瞬で喉の奥へと消えて行った。もし篠原涼子さんに楽曲を提供するならば 「♫ 図太さと滑らかさと力強さ」 というタイトルで歌って欲しくなるような大ヒット間違いなしの素晴らしさを麺質だ。先程まで懸念していたスープの強気な塩気も小麦の甘みと相まって新たな味わいを生んでくれる。今回のスープと麺との相性が抜群だったので細麺も味わってみたいと、この時点で再訪の願いが湧いていた。

具材のラインナップも特製ならではの豪華布陣で出迎えてくれる。チャーシューだけでも部位や調理法、切り方の違いを含めれば三種類ものチャーシュー陣が待ち構えている。初見の段階で好物のタイプの焼豚を見つけていたので食べる前から興奮が抑えきれずにいた。豚肩ロースを使った広東式叉焼、通称 赤耳焼豚は大判であるはずの肩ロースを肉質の持ち味を際立たせる為に、赤身だけの部分と脂身の多い部分と両方のバランスが良い部分の三つに区別されて切り分けされて仕込まれている。味付けに関しては蜜ダレの軽やかな甘みが、吊るし焼きならではの個性を引き立てる。それぞれの部位によって火の入れ加減を微妙に変えているのも心憎く、赤身はしっかりとした肉質を楽しめるように完全に熱を通し、脂身の多い部分はしっとりとレア感を残してある。もしかしたら店主さんの狙いではなく偶然だったとしても、一期一麺の精神に則って高評価は揺るがない絶品焼豚だった。さらにはこの焼豚の切り落とし部分も角切りにて入っている。端切れと言えども引き締まった赤身に浸みた濃いめの浸けダレが食欲を掻き立てる。小ぶりではあるが抜群の存在感を発揮していた。

一方の豚バラの煮豚型は食べ応えを重視した作りの前者に対して、柔らかな食感でコントラストを表現している。もちろん赤身と脂身のバランスの良い肉質で味付けも丁度良い。

肉部門の具材としては券売機にオススメとあった〝つくね〟も入っていた。鶏ひき肉で仕込まれたつくねは、フワッとした柔らかさを持ちながら鶏軟骨の食感と大葉の香りを活かした仕上がりとなっている。よくありがちなパサつきなどは微塵も感じさせずにしっとりとしているのは、鶏ムネ肉ばかりではなく鶏モモ肉も含まれているのだろうか。もしかすると、セセリ肉を挽いたものではないかと思うくらいに心地良い食感であった。

大好物の味玉には大変うるさいのだが、非の打ち所のない完璧な仕込みを見せてくれた。まずは中心部までの浸透がより早い小ぶりな卵を採用されている選球眼が素晴らしく、小玉の特性を十分に活かしている。下茹での半熟具合に始まり、均一に黄身を熟成させた漬けダレの浸透圧加減もベストだ。その熟成に伴うはずの塩分過多も感じられずに卵本来の旨みも残してある。提供温度も常温以上に温められているのも一仕事を感じられて好印象だ。ただ一つ個人的な欲を言えば、半カットではなく全卵のままで添えてあれば難くせをつけずに済んだかもしれない。半カットされていたので口にする前から美味いと分かる熟成度も見えていてので、食べた時の驚きは少なかった。しかしそれくらいしか言う事のない味玉だったのは事実である。

メンマにも手作りの愛が溢れていて大満足な仕上がりだった。見た目の醤油色ほどは味も濃くなく乾燥メンマ特有の発酵臭も感じられた。歯応えも固すぎず柔らかすぎない絶妙な食感で楽しませてくれた。

薬味の布陣も卒なく脇を固めている。青ネギの小口切りは大胆に切られてはいるが、切り口の潤いからも鮮度の良さが伝わってくる。開店直後の一番客なのに、前日分の残ったアニキ薬味ではない事に驚いてしまうくらいにアニキネギが一般化していると感じる。こちらの薬味のように、そうでない事が当たり前になって欲しいと望んでしまう。

また青みの小松菜にも愛を感じられる。手間を惜しんで切りっぱなしの水菜が青みとして台頭している現代で、ひと手間かけて店で茹でた青菜を使われている事もうれしい限りだ。その上に葉先と茎の部分をバランスよく巻いた仕事ぶりにも頭が下がる思いだ。丁寧に水気を切られて長さを揃えて切ってある姿には〝青み愛〟が溢れている。過去にはカイワレを添えてあった気もするが今回だけの幸運だったのかも。

もうこれ以上に褒める所がないと思われたが、丼の口縁にそそり立った海苔も品質の良さばかりでなく保存状態の良さが伝わってくる。そこには目利きの良さと食材へのこだわりを強く感じられる。パリッとした鮮度の良い黒々と密度の詰まった高級海苔を十字四切と大判なカットで三枚も添えてあり、そのまま食べると香り高く厚みのある歯応えを楽しめる。スープに浸して口にすれば消えて無くなるような口溶けの良さが楽しめる2WAYタイプの上質海苔だ。

無我夢中で勢いのままに完食すると少しだけ舌が疲れてきたのは、やはりスープの高めな塩分設定によるものだろう。飲み干せなくもなかったが、心地良いまで終わりを迎えたくてスープは残して箸とレンゲを置いた。

それでも高得点は間違いないラーメンとの出会いだった。これでスパコンのオススメに対する信頼も随分と大きくなった。結果として88点を付ける事になり、スパコンとの対決は私の完敗となった。通算対戦成績は33戦14勝10敗8分7KO勝ち1KO負け1没収試合となった。

今回の高崎めぐりの番外編を含めると、群馬県のラーメンのクオリティの高さを思い知ると共に、高崎ナイトのノリの良さを感じたので近々の再訪は免れないと思った一杯でした。

投稿 | コメント (6) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

ごほん!といえば龍角散! 「大人の諸事情」意味不明だし!
レビューにまでナイトツアーが表れましたね!
スパコンの戦いはもういいのですが、
高崎だけかと思ったら、渋川までそれもやはりこちらでしたか!
行って食べてみたいんですよね醤油の全部のせ!いいですね〜!羨ましい!

昭和のBecky! | 2019年7月8日 00:49

のらのら さん おはようございます、ども
はじめまして。
通算555レビューおめでとうございます。
達筆、長編素晴らしいですね。
最近、群馬方面もご無沙汰になってますので、こちらのお店はへ今度行きたいと思います。
草津、伊香保、ラーメン シリーズ! いいですねー。

村八分 | 2019年7月8日 03:55

すみません。◯◯ナイトを書く時に、ベキさんを意識しながら書いています。これも全ては川越ナイトから始まった事なので許してちょんまげ。車ユーザーのベキさんなら1時間くらいで行けるんじゃないんですかね。当日の海苔が基本ならばベキさんにもお薦めできる海苔のグレードでしたよ。

のらのら | 2019年7月8日 08:52

村さんおはようございます。私の中では未知の世界が本拠地のようで羨ましい限りです。まだまだ未訪の地が多いので、温泉地でのラーメンめぐりをしたみたいものです。ほとんどがラーメンとは関係ない文章にお付き合いいただき感謝しております。

のらのら | 2019年7月8日 09:00

こんにちは。
高崎遠征お疲れ様でした。
惜しい!あともう少しで2回目のKO負けだったのに〜笑
海なし県の宿命ではありますが、やはり塩分濃度の高さは気になりますよね。

近々の再訪レビュー楽しみにお待ちしてます。

不死身のてっちん♂ | 2019年7月8日 12:32

てっちんさんこんにちは。海はないけど小麦文化の独自の発展は素晴らしいと本当に感じました。またの再訪の時はご相談の上に伺いたいと思います。

のらのら | 2019年7月8日 15:22