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「鶏中華そば ¥780+味玉 ¥100」@RAMEN TORICOの写真平日 曇天 11:32 先客1名 後客8名

〝ニューオープン パトロール〟

本日もRDBの新店情報をもとに巡回警らを行う。昨晩から調べていたお店情報によれば、昨日オープンしたばかりのようでオープン直後のオペレーション不足に心配はあるが、屋号のネーミングセンスにも興味が湧いて初訪問を決めた。

所在地の下井草駅のある西武新宿線は自宅からでは乗り換えが多く、私にとっては最も不便な路線の一つなのだ。そこで昨晩は中央線遠征の拠点として常宿にしている荻窪駅近くのカプセルホテルに泊まった。なぜなら路線バスも豊富な荻窪駅から、こちらまではバスで15分というルートを見つけたからだ。(本当の理由は、前回の荻窪泊の際に立ち寄ったCAの格好をした女の子が接客をしてくれるBARへの再訪目的である)

そこで昨晩は大浴場で汗を流すと、小さな荷物と大きな羞恥心をホテルに置いて荻窪ナイトへと出向いた。大雨情報が報道されていたせいか、ネオン街を歩く人影も少なく訪れたBARも「閑古鳥が鳴いていた」このフレーズも令和となった今では死語のようで、女の子たちに聞いても誰も知らないフレーズだった。そんな歳の差を高級シャンパンで無理やり埋めて二時間ほど楽しむと、前回は大寝坊してしまった経験を踏まえて大人しくホテルへと戻った。今回は〝大欲情〟にも負けずに〝大浴場〟で汗を流した。

おかげで早朝から快適に目覚ると朝風呂を浴び直して、新たなラーメンとの出会いを求めてホテルをチェックアウトした。11時半開店ちょうどを狙って、下調べしておいたルート通りに荻窪駅北口から関東バス 荻10 下井草駅行きに乗車した。予定よりも少し時間がかかったが、20分ほど揺られると最寄りの下井草駅に着いた。そこからは歩いても3分くらいで多くの開店祝いの花が並んだ店先が見えてきた。

オープン時間を少し過ぎてしまったが開店特需の行列もなく、すんなりと二番手での入店となった。店内に入ると入口右手の券売機にて品定めをするが、屋号の「TORICO」から想像していたように鶏ベースが主体のラーメン店のようだ。鶏スープの中でも〝味噌〟〝塩〟〝醤油〟と三種類も用意されているので、トリコロールもダブルミーニングされた屋号なのだろうか。そんな豊富なメニューの中からマイスタンダードの醤油系に味玉を追加発券して順不同でカウンターに腰を下ろしたのだが、この順不同が後に悲劇を生む原因となる。

L字カウンター越しに店内を見渡すと、もはやラーメン店の主流となりつつあるオシャレカフェ風の内装がトレンドの傾向を映し出している。清潔感のある白い壁と温もりのある木目調のカウンター材の有機質、そこにメタリックな厨房機器の無機質がコントラストを生み出す空間だ。そんな今っぽい店内を本日はお揃いのTシャツ姿の三人体制で回している。このオシャレな内装も30年後には、昔ながらと言われる事になるのだろうかと余計な心配をしながら調理風景を眺めてみる。

開店直後の第1ロットの調理が始まると、いきなり4杯の器が並べられた。器を温めるために熱湯が張られ着々と準備が進んでいくが、多種類のスープがある中でのワンロット4杯は無理があるのではとオペレーションへの心配が先に立った。

香味油やカエシを入れて小鍋でスープを沸かし直すと、4玉分の麺を茹で麺機のテボの中へと投入した。ジャスト2分に設定されたタイマーを押すのだが、小鍋の火加減を調整したりするので10秒近くもタイムラグがあってからタイマーのスタートボタンが押された。麺上げまでの2分の間に助手のスタッフが切り分けしたチャーシューなどの具材を準備して器にスープを注いでいくのだが、スープを注ぎ終わる前にタイマーが鳴り2分を超えた。そこからもテボは引き上げられずにスープ張りの作業が続き、タイマーは補助役のスタッフが止めるまで20秒以上も鳴り響いていた。そこからようやく麺上げされるまで30秒近くも長く麺が茹でられていた。タイマーの120秒の設定に対して、実質は160秒近くもかかっていたのだ。このタイムラグも計算の上での調理ならば問題ないと思っていると、二番手で入店した私のラーメンが四番目で配膳された。スープや麺の茹で加減で順番が前後するのは仕方ないが、私のラーメンは一度間違って別の客に提供されていたのでオペレーションのミスは明らかであった。これならば自由に着席させずに席番順に奥から詰めて座らせた方がミスも減らせるのではと思ってしまった。そんなこんなでかなりのタイムロスを経て、ようやく我が杯が到着した。しかしオペレーション不足などの面は評価に加えない方針なので、目の前に現れたラーメンだけに集中した。

その姿は私の心配とはよそに丁寧な盛り付けで白磁の切立丼の中に収まっているが、丁寧に盛り付けられている間にも麺の状態は変化していそうで心配が重なりながらレンゲを手にした。

まずは胡桃色のスープをひとくちと本来ならばいくところだが、今回は麺の状態が心配なので先に麺を食べる事にした。持ち上げた箸先の感覚からも茹で過ぎが伝わってくる程の柔らかさだ。中細ストレート麺を採用しているが、初見の段階ですでに麺肌には溶け出したグルテンが半透明となっている。ある程度の柔らかさは覚悟して一気にすすり上げると、予想以上に柔らかく麺肌には粘りすらも感じてしまった。これが店側のベストな状態の麺だとすれば、私にはとても残念な茹で加減だった。これ以上の時間経過は麺質を劣化させるばかりと思い、先に全ての麺を食べ切ろうと試みた。しかし舌触りも悪く、歯応えや歯切れもない麺を飲み込むのに苦戦した。

麺を半分くらい食べたところで、ようやくスープを味わう為に大小さまざまな鶏油のドットがきらめく液面にレンゲを落とし込んでみる。すでに麺に絡んだスープからも穏やかな鶏出汁なのは分かっていたが、スープ単体で口に含んでみると旨みの深さに気づいた。ウンチクでは廃鶏の丸鶏とモミジで炊かれたスープのようなので、奥深い鶏出汁の理由はやはり親鶏ならではの持ち味だろう。さらにはモミジでコクを加えてあるのも理由の一つだと思える。スープの炊き方を間違えればクセにもなりうる廃鶏やモミジだけに、よほど丁寧に炊かれた鶏清湯スープなのだろう。そんな清らかなスープに合わせるカエシの塩梅も見事で、スープに含まれる野菜出汁の甘みが相乗効果を生んで味わいをより深く演出している。

具材にも鶏を活かしてあり、部位も調理法も異なる二種類のチャーシューが添えられている。先に淡白そうな鶏ムネ肉の低温調理の方から食べてみると、小ぶりながらも厚みをもたせてスライスされているので歯応えも程よくある。また盛り付け直前に切られていたので、切り口の潤いが舌触りをよくしている。かなりの薄味仕立てだが、肉質の良さとソミュール液のスパイスの香りで生っぽさを押さえ込んでいる。一方の鶏モモ肉は巻き型で仕込まれていたが、下処理不足のせいで血液を含むタンパク質のドリップが肉の中に残ってしまい切り口に赤く浮かんでいた。

メンマはとても独創的な味付けで意表を突かれた。非常に薄味で醤油感よりもカツオ出汁を利かせてあり〝メンマ=中華風〟を大きく裏切る和風仕立てとなっていた。味付けには賛否があると思うが、業務用の味付けメンマを使っている店よりは志の高さを感じられる手作り感のあるメンマだった。

追加した好物の味玉は残念ながら、ゆで卵そのままだった。微かに浸けダレの色素を白身の表面だけは吸っていたが、味は全く浸み込んではいなかった。もしかしたら一時間も漬け込まれてないような仕上がりで、追加しなくてもよかったと思ってしまった。

薬味の青ネギは細身の博多万能ねぎを斜めに笹切りされていたが、特に個性のない万能ねぎだけに主張してくる香りもなく色どりだけの役目を果たしていた。

中盤から麺に戻ったが腰抜けとなってしまった麺には食べる楽しみが残っておらず箸を置いたて席を立った。その頃になると店内にはチラホラと空席があるものの外待ちの並びができていた。それはカップルと思われる二人組だったので一緒に隣の席が空くのを待っていたのだろう。もし最初から席を詰めて案内しておけば、こんな待ちにはならなかっただろうと再び余計な事を思いながら店を後にした。

今回は決してベストな状態ではないと信じたいくらいにスープは良かったので非常に残念な結果となった。オープン直後という事で大変だと思うが、これから色んな問題点を改善される事を願ってしまった一杯でした。

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