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「会津山塩物語 (味玉付き) ¥900」@麺処若武者 ASAKUSA 〜FUKUSHIMA NOODLE STYLE〜の写真平日 晴天 10:45 待ちなし 後待ちなし 後客なし

〝ニューオープン パトロール〟

上野を起点とした二日間を股にかけた壮大な新店めぐりの計画だったが、初日から見事に頓挫してしまった。

昨日から上野駅前に宿をかまえて浅草での一食目を済ませて草加にまで出向いたのだが、まさかの設備工事による臨時休業に見舞われてしまったのだった。そこで本日も草加への再チャレンジしようかとも考えたが、臨時休業の店内では床をはつる様な大掛かりな工事だったので連日の休業があるかも知れず断念せざるを得なくなった。そこで本日は連泊した上野から違うルートの新店めぐりを計画し直したのだ。

昨夜も大人しく上野のネオン街には足を向けずに、老いが進んでいる身体をサウナで整えた。この上野駅前のサウナの特徴は高温サウナと低温水風呂の落差だけではなく、併設された外風呂に置かれたリクライニングチェアに横たわり自然の風で外気浴ができる事である。また夏場のサウナには欠かせない〝冷シャンプー〟と〝冷ボディシャンプー〟も用意されている点もありがたいアメニティのひとつだ。それだけでなく最大限の利点は、毎回チェックアウトの際にもらえるドリンク一杯無料券を使って楽しむ食事処で呑む冷えた生ビールである。昨夜も無料ビールを含めて中ジョッキで5杯ばかり喉を潤すと、時計の日付が変わるのを待たずにベッドに入った。

今朝もサウナとビールで心身ともに整った抜群の体調で目が覚めると10時のチェックアウトよりも少し早めに、本日は路線バスを利用して上野駅前から都バス 上46系統 南千住駅東口行きにて向かう事にした。乗車時間わずか10分程で最寄りの浅草六区バス停に着くと、すぐ目の前に目的の店を見つけた。ちなみに隣は一万円札で汗を拭うお笑い芸人さんの経営するもんじゃ焼き屋なので立地としては申し分ない場所だ。チェックアウトして15分で現着できた移動時間の短さは、前泊しなければあり得ない時短なので前乗りした恩恵を十分に感じた。

定刻50分も前の現着になったので、まだ並びもなく時間もあったので向かいのROXでコーヒーを飲みながら新店の予習を兼ねてRDBを開いてみる。お店情報によると福島二本松の人気店が埼玉川口にて関東進出を果たして一年余りで東京浅草に移転して来たという、何ともややこしくも目まぐるしい経緯をたどっての花のお江戸初出店となるようだ。当日はグランドオープンして四日目ではあるがレビュー数はうなぎのぼりに増えているので、場所柄の利便性と話題性が見事に一致したようだ。そんな話題店に大きな期待を寄せて再び店へと向かってみた。

定刻15分前に戻ってきたが行列はなく先頭にて待機開始となった。店頭にはすでに開店祝いの花はなく通常営業の雰囲気だ。観光地の浅草なので外国人観光客にも分かりやすいように写真付きのメニューがあるのは、系列店を含めて初訪問の私には非常にありがたい。豊富なメニューの字面だけでは分かりずらかったので、ようやくメニュー名と商品が一致して本日のお題を待ち時間に決められた。

定刻の10分前になっても並びは一向に増えないが、店内からスタッフさんが電子タバコをふかしに出て来たので開店準備は万端なのを確信しながら待っていると、定刻になっても店先の様子は変わらないままだ。仕込み中の看板のままなので何かのトラブルかと心配になっていると、3分過ぎて真白い暖簾が掛けられると無事にオープンとなった。

二段式のスライド扉を開けて店内に入ると、入口左手の券売機から決めておいたイチオシであろう塩系の味玉入りを発券してカウンターに腰を下ろした。「お好きな席にどうぞ」という事だったので中央に陣取り食券を手渡すと店内を物色し始める。客席はカウンターだけの造りとなっていて、木目の天板と墨色のタイルが貼られたカウンターがシックな印象を与えてくれる。落ち着いた雰囲気に見える店内だが、背後の壁には地元ふくしまの特産品をアピールするポスターや旧店舗から受け継がれたサイン色紙と並んで新店舗でのサインも一緒に飾られている。そんな落ち着きと賑やかさの両面がある店内を、本日は二人体制で回している。お揃いのユニホームには〝唯一無二の味 極みの一杯〟と刻まれているので、オリジナリティあふれるラーメンとの出会いを期待して待っていると着席して4分で我が杯が到着した。

その姿はプラスチック製の朱赤色の受け皿に乗せられた白磁の切立丼で現れた。切立丼の口縁には古染雲と雷紋が描かれておりシンプルな丼か懐かしさを感じさせる。そんな昔ながらの器の中には、それに見合った清々しいラーメンの景色が収まっている。初対麺なのに昔から知っていたような素朴な表情が、気持ちを自然と落ち着かせてくれてレンゲを手に取った。

まずは女郎花色のスープをひとくち。微かな陰りを持つ独特の透明感を放つスープの液面には、香味油の粒子は全く見られずに豚背脂の脂片がわずかに浮かんでいる。見るからに山あいの清流のようなスープにレンゲを沈めてみると、粘度をみじんも感じさせない軽やかな抵抗がレンゲから伝わってくる。レンゲに注がれたスープにも油膜は見られず香りもほとんど感じない。香りからは味の想像ができないままに口に含んでみると、まさに淡麗とはこの事と言わんばかりの穏やかな味わいだ。ウンチクにもあるように地鶏ベースに貝出汁を合わせて、会津特産の山塩で味を整えたスープである。やはり第一印象で幅を利かせているのは会津地鶏主体の動物系清湯の旨みだと分かるが、六種類もの貝を使った出汁感をそれほど感じられないのが正直な印象だった。貝出汁特有のコハク酸の鮮明に舌に残るような旨みを感じないのは、もしかしたらフレッシュな貝から取った出汁ではなくて干し貝柱のような乾物から取られた貝出汁なのかもしれないと思った。それならばインパクトは少ないにしろ、落ち着いた深みのある貝出汁に仕上がっていても不思議ではないと思った。そんな優しい鶏と貝のWスープに輪郭を与える塩ダレには、岩塩や海塩ではなく山塩をあわすことで唯一無二の個性を発揮させている。舌先や喉に対する刺激が少ないのが山塩の大きな特徴なのだろうか、スープ全体的に角がなく非常にまろやかな印象でスタートを切った。幸先の良いはじまりを迎えたと思ったが、このスープの穏やかさも長くは続かなかった。

調理場内に積まれた麺箱には都内ではあまり見かけない製麺所の名前が入っているが地元福島の製麺所なのだろうか。定かではないが同じ麺箱を中目黒の「中華そば むら田」でも見た記憶がある。本日も段ボールにて配送された麺を木製の麺箱に移し替える作業も見られたので直送麺で間違いはなさそうだ。そんな福島を感じられる麺を箸で持ち上げてみると、茹でる直前にまな板の上で手揉みを施されていたので麺のちぢれた形状は複雑に変化している。どれ一本として同じ姿をしていない中太平打ち麺は、スープの透明感にも負けない澄んだ麺肌が光り輝いている。箸先からは加水率の高さを感じる重みがある。さらには加水率の高さを示していたのは80秒という茹で時間で、中太平打ち麺としてはかなり短いのは高加水麺ゆえの早茹でと思われる。そんな麺を一気にすすり上げるが、スープの濃度が低いので飛び散りなど気にせずにすする事が出来るので非常に心地よい。ランダムに波打った麺肌が唇を無造作にくすぐりながら飛び込んでくると麺肌には溶け出したグルテンの柔らかさもあるが、芯にはしっかりとコシを残してあり食べ応えも強く楽しめる。また塩気の少ないスープの中で麺の小麦の香りが存分に発揮されている。自家製麺ではなくても十分に個性的な良麺を採用されている。

具材のチャーシューは豚バラ煮豚が三枚入っている。赤身がしっかりした部位が本日は切り当てられたのが赤身好きの私には幸いだった。最初の一枚はそのまま頬張ってみたが、脂身の甘みを引き出して柔らかく仕上げてあるが過剰にとろけるのではなく歯応えも残してある。味付けもちゃんと乗っているので噛んでいても獣臭さは出てこずに食べ進められる。二枚目は薬味のネギを巻き込む事でネギチャーシューとして楽しんだ。最後は麺を巻いて食べたが、どんな具材や麺でも巻きやすい厚みや形状がチャーシューの活躍の場を広げていた。

追加した味玉は賛否があるとは思うが、塩スープの中で味わえる醤油感のある漬けダレがうれしい味玉だった。塩ダレではこの黄身の熟成感は生まれないだろうと思うような、濃厚でネットリとした舌触りが味覚に変化を付けてくれた。欲を言えば、せめて提供温度が常温ならばゲル化した黄身の旨みがより感じられた気がして残念だった。

太メンマはもはや定番のどこでも味わえる既製品のような安定感のある味付けだったので、もう少し手仕事感のある自家製メンマを望んでしまった。

薬味は青ネギの小口切りだが、先程のチャーシューと共演で十分に存在感をアピールしてくれたので感謝すべき脇役だった。

中盤からと言わず、序盤早々に不自然な旨味を強く感じてしまっていたのだ。穏やかな塩気の陰に隠れた強い旨味は、塩分以上に喉の渇きを誘発してきたので麺と具材は食べられたがスープは飲めずにレンゲを置いた。

これほど第一印象と最後のイメージが違うラーメンは珍しく思うが、不要な旨味を足さなくても十分に味わい深いと思えるスープだけに残念に思える一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

どもです。上野界隈でフラフラしてましたか(笑)
読んでると拉麺の薀蓄半端なさそうですね!
貝出汁は乾物だと思いますが、6種とか多すぎかもですね。
岩塩ではなく山塩とは初めてしりましたよ。健康体はマグネシウム多くとったほうがいいのですよ。
自分は毎朝、スプーン一杯のマグネシウムを摂ってますよ。

昭和のBecky! | 2019年7月14日 23:39

ベキさんおはようございます。私も以前、足がつるので病院に行ったらマグネシウムを処方されました。お互い年齢の事もあるので健康には気をつけないといけませんね。

のらのら | 2019年7月15日 10:23