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「醤油らーめん ¥700」@咲正の写真平日 曇天 11:03 先客なし 後客なし

〝ニューオープン パトロール〟

本日は八王子方面での新店めぐりの連食作戦を立てた。そうなれは中央線遠征のアジトとなっている、荻窪駅近くの常宿に昨夜から前乗りしてきている。

この宿の利点は施設内のBARにて 1980円での飲み放題プランがある点なのだが、飲み過ぎてしまうという弊害も出てくる。昨夜は会食で飲んできた事もあり飲み放題プランではなく〝せんべろプラン〟という 1000円で生ビール三杯と 380円のおつまみが楽しめるプランに初挑戦してみた。単純計算でトータル 2000円を超える生ビールとつまみを半額以下で楽しめるといった三次会なら十分なプランを堪能してから眠りに就いた。

翌朝も朝湯を浴びてから八王子界隈での新店情報をRDBで予習してみる。まずは一軒目に選んだのがコチラの新店なのだが、お店情報によると六月の初旬にはオープンしていたようだが見過ごしてしまっていた。まだまだレビューが少ないのは、西八王子駅からも遠いようなので立地のせいもあるのだろうかと思いながらも初訪問を決め重い腰を上げた。

出発前にネットニュースでは、京王線の停電のせいで中央線にも大きな遅れが出ているとなっていた。そこで予定していた時間よりも早めにホテルをチェックアウトして荻窪駅に向かってみた。

するとホームには普段よりも人があふれて、案内板の全ての電車に15分以上の遅れが案内されていた。実際には20分遅れの高尾行きに乗車したが、平日の下り電車とは思えないくらいに混んでいて満員電車さながらの乗客数に驚いた。さらには先頭車両の冷房の故障があり、途中の豊田駅で車両の入れ替えをするという不運にも見舞われながら西八王子までは辿り着けた。

西八王子駅北口からは西東京バス うえ01系統が20分ごとに運行しており、乗り継ぎもうまくいき10分もバスで揺られると最寄りの叶谷バス停に着いた。目的地はバス停の目の前のはずだが見当たらず困っていると、少し離れた場所につけ麺と書かれた幟旗を見つけた。道路を渡って近づいてみると〝らーめん 咲正 この裏〟と駐車場のブロック塀に貼り紙がしてあった。回り込んでみると淡いえんじ色の暖簾が掛かった店先に着いた。

外観的には新店舗らしい要素はないが、店内に入ると真新しい内装が出迎えてくれた。券売機はないので店内の壁に書かれたメニューや、卓上に綴られた写真入りのメニューを参考にしながら本日のお題を検討する。勝手に八王子ラーメンかと思っていたが、それらしいメニューはなかったのでマイスタンダードの醤油系を選び口頭注文して店内を見渡してみる。

ホールに置かれたウォーターサーバーからセルフでお冷を入れながらカウンターの背後を見ると、テーブル席が二つ用意されていて複数人向けのレイアウトとなっている。コンクリートの打ちっぱなし風の壁紙と真っ黒なカウンターなどの内装から男っぽい印象が強い。実際にも本日は男性陣の二人体制で回している。ユニフォームの背中には本店の屋号が書かれてあるが、未訪店なのでそちらのスタッフなのかは定かではない。そんな男気が前面に出ている雰囲気だが、接客も穏やかで明るく好印象を受ける。そんな店内でラジオをBGMに聴きながら待っていると、着席して5分とかからずに我が杯が到着した。

その姿は厚手の高台丼に大柄の雷紋が描かれた珍しいタイプの器の中で、素朴な色調を浮かべて出迎えてくれた。最先端といった感じでも、昔ながらといった感じでもない不思議と安心感のある表情に見えるのは盛り付けの丁寧さが思わせるのだろうか。なぜかほっこりした気持ちになってレンゲを手にした。

まずは黄唐茶色のスープをひとくち。清湯系とも乳化系にも属さないような半濁したスープの液面には、均一したドットの香味油が薄っすらながらも全面を覆っている。そんなスープにレンゲを落とすと、鶏を主体とした動物系出汁の香りが先陣を切ってきた。香りにすら重厚さがあるので豚ゲンコツなどの四つ足系も基礎を支えていると思われる。すくい上げたレンゲの中のスープの濃度は重たくはないが中濃タイプといった所だろう。そんなスープを口に含んでみると、香りの動物系とは違う乾物由来の旨みも潜んでいる。印象としては動物系が強く感じるが、昆布や節の風味もサポートしているWスープだ。不要な旨味成分やカエシも強めに利かせてあるが、麺とのバランスを考慮しての策なのだろうと麺に取り掛かってみる。

厨房内には八王子界隈では良く見かける製麺所の麺箱が積まれてあるので、箸で持ち上げる前からも少しは麺のタイプを想像できる。実際に持ち上がった麺を見ると、透明感のある麺肌が特徴の中太ちぢれ麺が香味油をまとって光り輝いている。思っていた通りの麺が現れたので安心感がより強くなった。そんな思いで一気に麺をすすり込むと、さすがのちぢれ麺なのでスープを飛び散らせながら滑り込んできた。中太タイプながら麺上げまでジャスト60秒の短さが生み出す、ハリとコシを残した硬めの茹で加減が最大の特徴だと思う。好みで賛否はあると思われるが、咀嚼の回数が増える事で麺の甘みが次第に湧いてくる感じは嫌いではなく食べ進められた。その小麦の甘みが強気なスープの塩分を少し和らげてくれるのも私には幸いした。となればスープと麺の相性は素晴らしいと言っても良いと思われる。

具材のセンターを飾っているのは存在感抜群のチャーシューだ。トンカツにも良く使われる豚ロース肉でじっくりと仕込まれた煮豚型が大判なままで盛り付けられている。しかも惜しげもなく厚切りスライスされているので食べ応えとしては肉料理を頬張っているような感覚だ。長時間煮込まれた割には味付けも優しく、過度な煮汁の醤油感などみじんも感じさせない薄味仕立てとなっている。それでも豚肉特有の獣臭さがないのは、豚肉本来の質の良さに依るところが大きいのだろう。豚ロース最大の魅力である脂身も多く残してあるが、臭みはなく甘みをしっかりと引き出されていた。

メンマには流行りの穂先メンマが使われていたが、こちらも非常に良い繊細な味付けで発酵食品特有の香りが残ってアクセントになっていた。少し硬めに仕上げてあるが、それがキレのある歯応えとなってくれ食べ心地の良さを生んでいた。屋号の〝咲正〟を掲げたメニューがあったのだが、この贅沢なチャーシューと穂先メンマが増量されるとあったのだが利益を度外視したメニューに違いないと思った。

残念ながら好物の味玉はトッピングには無かったのだが、代わりにうずらの味玉が一つだけではあるが添えてあった。小さいながらも鰹出汁を存分に含んだ味玉なので熟成感などはないが、口内リセットの役目は果たしてくれた。

薬味は素朴な白ネギが小口切りで添えてあり、粗々しくはあるが香りと食感の両面でスープや麺に変化をつけていた。このラーメンには高級九条ねぎよりも、このタイプの田舎ネギの方が似合っていると思う。青み役も兼ねた三つ葉は葉先だけが控えめに乗っていた。そんな三つ葉を噛んだ瞬間だけ、軽やかな清涼感が押し寄せるピンポイントのアクセントが楽しめた。

小さめに添えてある海苔は口溶けは良かったのだが、磯の香りを感じられるほどの大きさはなかったので黒色を使って見た目を引き締める役目の方が大きかったようだ。

中盤からも私にとっては強い塩気と不要な旨味に押され気味に食べ進めたが、スープには手を付けられずに箸とレンゲを置いた。

メニューの中には魚介を中心とした中華そばもあったので、次回の訪問時にはチャレンジしてみたいと思った一杯でした。

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