なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 

のらのら

男性 - 東京都

はじめまして。レビュー開始から一年が経ち、二年目の目標を全国制覇にしました。一杯のラーメンに出会うまでの経緯も書き記しているので、前置き等が長くなりがちですがお許しください。しかし採点に関しては立地 接客 衛生面 価格設定などは考慮せずに、ラーメン一杯に対しての評価にしています。自分の好みだけで評価しているので不快な文面もあると思いますが、何卒宜しくお願いします。

平均点 73.103点
最終レビュー日 2019年10月23日
667 558 14 2,134
レビュー 店舗 スキ いいね

「味玉中華そば ¥950」@麺 かつら木の写真祝日 雨天 10:45 先待ちなし 後客2名

〝ニューオープン 探検記〟

本日は、そぼ降る雨の中で新店めぐりを計画した。少し前にRDBの新店情報で見つけていたのだが、オープン記念のワンコインセールの告知を見て初訪問を先送りにしていたのだ。この時点で 50%くらいは、都内で新店ラッシュの快進撃が続くグループ店の系列だろうと思っていた。そこには〝またおま系〟が脳裏を過ぎるが、微かに新たな出会いを信じて初訪問を決めた。

お店情報では11時開店となっているので、オープン前の現着を目指して自宅を出た。山手線で20分もせずに最寄りの池袋駅に着くと、西口方面へと出て歩いて店へと向かった。地上階へ上がると数分で繁華街のど真ん中に、雨に打たれる開店祝いの花が並んだ店先が見えてきた。再開発の続くウエストゲート界隈だが、この辺りは以前と変わらぬ昔ながらの空気が流れている。定刻よりも15分も早く着いてしまったが店頭に並びもないので、少し離れた場所で雨を避けて店先の張り込みを開始する。

お馴染みの製麺所から送られた開店祝いの花があったり、圧倒的な看板や外観の設えを見た時に、グループ店との関係性は間違いないだろうと思った。定刻5分前になっても、行列は出来ないままに時間が過ぎていく。私も離れて待機をしているうちに定刻になり、店内からスタッフさんが大きな真っ白い暖簾を持って出てきた。その大きな暖簾が掛けられると、本日も無事にオープンを迎えられた。

一番手で店内に入ると、入口右手に設置された券売機の中から本日のお題を品定めする。メニュー構成がシンプルなので迷う事なく、マイスタンダードのラーメンのボタンを押して味玉入りを発券した。座席の指定がなかったので、調理作業の見やすいカウンターに腰を下ろして店内を見渡してみる。白木調の色合いを意識した和装の店内を、本日は四人体制で回している。大箱ではないカウンターだけの客席だが、オープン直後の特需を予測して万全の布陣を敷いている。ホール担当はアルバイトと思われる女性スタッフだが、調理場内には系列店で実践を積んできたと思われるスタッフ陣で新店舗ならぬ落ち着きがある。ふと卓上に目をやると、系列店と同様に調味料類は一切置かれずウンチクだけが貼られている。その内容を見ても系列店と同じように各々のウンチクが書かれてあったが、少しだけ違う要素が見られた。

今までは有名ブランド銘柄鶏を全面に押し出したウンチクだったが、こちらは国産鶏ガラを使用と正直な書き方となっている。かつてはスープ全量に有名地鶏を使用したような書き方をしていたが、実際に使われているノーブランドの鶏ガラを明記していた。この方がインパクトはないが嘘偽りがなくて安心できる書き方だ。

そんなウンチクや手慣れたオペレーションを見ているだけで、グループ店である予想は確信に変わった。これで〝またおま系〟のラーメンを想像して待っていると、着席して3分の早さで我が杯が到着した。

その姿を見た時に〝またおま系〟ではなかった事に驚き、失礼な事を思ってしまった自分を戒めた。今までの系列店の〝水と鶏〟を謳ったラーメンとは全く異なる様子だった。それは白磁の鳴門丼の中で、逆に流行りの要素を排除したような表情を見せていた。昔ながらの具材を使いながらも古めかしくならないのは、器選びや丁寧な盛り付けが要因と思われる。そんな良い意味で裏切られた喜びを胸にレンゲを手にしてみた。

まずは海老茶色のスープをひとくち。何よりも予想外だったのが液面を覆う油膜の少なさで、光を跳ね返さない霞みがかった表層を見て油っぽくないスープだと分かった。今までは大量の鶏油でコクと甘みを利かせたタイプが多かっただけに、ひと目見ただけでキレの良さが伝わってきた。そんな期待を込めてスープにレンゲを沈めると、しっかりと熱い湯気の中は魚介の香りが満ちていた。そんなスープを湛えたレンゲを口元に近づけると、動物系の力強い香りが幅を利かせてきた。いざスープを口に含むと、鶏ガラや乾物のバランスが良いオーソドックスな味わいが広がった。流行りに迎合して多店舗展開を進めてきたと思っていたグループ店だけに、原点回帰のような懐かしさのあるスープには驚いてしまった。合わせるカエシこそ若者向けに強めにしてあるが、喉を灼くほどではなく助かった。これだけ多くの店舗を構えてきたので、セントラルキッチンでのスープ仕込みと思ったが、厨房内の大型寸胴鍋には大量のの鶏ガラが炊かれていた。それは各店舗ごとにスープを仕込んでいる証でもある。悪く言えば店舗の本気度によって味が変わってくるので、均一性はなくなってくる。その上、効率性も悪いが店仕込みのスープの方が私は好きである。かなりスープに意表を突かれたまま、レンゲを箸に持ち替えた。

麺上げまでジャスト70秒の中細ストレート麺を持ち上げると、透明感のある長めの麺が現れた。30センチ程度に切り出しされた麺を一気にすすり上げると、独特の口当たりで滑り込んできた。ナンセンスではあるが食べ物を食べ物で例えると、まさに韓国冷麺の細麺ような食感である。ザラつきとまでは言わまいまでも、凹凸を感じさせる麺肌が特徴的だ。その凹凸がスープを含んで滑り込んでくるので、すする度にスープの香りも伴ってくる。香味油が少ない分、この麺肌の方がスープとの絡みを良くしていると感じる。

具材のチャーシューにも違いが見られ、流行りのレアチャーシューではなく王道の煮豚で勝負してきた。薄切りではあるが大判にカットされたチャーシューは、ウンチクでは煮汁の調味料にこだわってあるようだ。しかし調味料の効果は伝わってこず、豚肉本来の旨みも抜け出してしまっている。よって味気のないパサついた肉を口にしている感覚だった。

メンマも穂先メンマでも極太メンマでもなく、最近見かける事なく少なくなってきた細メンマを採用されていた。入手困難は金絲メンマではないが、軽やかな歯応えと喉ごしは全体のバランスとしても好印象だ。味付けも出過ぎる事なく控えめながらも、メンマらしい味わいとなっている。

それに引き換え残念なのが追加した味玉で、普通の半熟ゆで卵と変わりない仕上がりだった。素材の卵はグループ店でも使われている〝マキシマムこいたまご〟なので卵本来の旨みを表現する味付けなのだろうが、味玉を名乗る以上は漬け込みの足りなさを感じる。白身の表面だけに醤油の色を付けただけの即席味玉ならば追加しなければ良かったとすら思ってしまった。

白ネギを細かく刻んだ薬味の存在感は乏しかったが、青みの小松菜は大きな存在意義を感じられた。見た目の良さもあるが茹でた青菜の香りと食感には、カイワレのような手抜き具材では味わえない手仕事感がある。ひと手間かかる茹で青菜を仕込んでいるあたりにも、店の本気度が伝わってくるようだ。

中盤以降も麺の食感はダレる事なく順調に食べ進められ、気が付けば器の中の麺を平らげていた。スープにはオイル感が少ないので飲み干せそうに思っていたが、カエシの塩気が重なってきて舌と喉が疲れてきたところでレンゲを置いてしまった。

今後はこのグループ系列の〝水と鶏〟と今回の〝王道醤油〟の二枚看板で店舗展開が進んでいくのだろうか。それならば若干飽きてきた〝水と鶏〟だっただけに、ありがたい朗報となる一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

「しょうゆラーメン ¥750+味付け玉子 ¥100」@ケンラボの写真土曜日 曇天 11:00 先客5名 後客2名

〝ニューオープン 探検記〟

昨晩は雨の中の銀座線で、ホームサウナのある上野で下車せずに田原町で降りて浅草のサウナにやって来た。それは、つくばエキスプレス沿線で見つけた新店舗のこちらへ初訪問を果たすためだ。

宿泊施設を利用した、サウナライフを満喫した今朝も快調に目が覚めた。しかしこの施設の難点は、朝の9時にはチェックアウトしなければならない事だ。しかも大浴場は午前8時までと、のんびりと朝の時間を過ごすのが難しいのだ。今朝も朝食を摂る時間よりも、朝風呂を選んで汗をかいた。つくばエキスプレスの浅草駅直結なので、出発までの時間を近くのカフェで過ごす事にした。土曜日の浅草界隈は、競馬新聞と赤ペンがよく似合う。このカフェにいる半数以上の客も、競馬の予想に余念がない。そんな独特な雰囲気の中で時間をつぶしてから、10時半前に浅草駅を出発した。

各停でも20分もすれば最寄りの南流山駅に着くと、そこからは歩いて5分で開店祝いの花が並んだオシャレな外観の店先を見つけた。11時オープンちょうどの現着となったので、先客陣が店内へと入っていくタイミングだった。それに続いて暖簾はないが、オリジナルのウェルカムマットの敷かれた入口を越えて店内へ入った。

入店すると入口左手に設置された券売機の中から、予習不足なので念入りに品定めをする。左上部の筆頭を魚介豚骨系が飾っており、二番手には味噌系が陣取っている。その二大看板メニューの下にマイスタンダードの醤油系のボタンを見つけ、味玉追加の100円トッピングのボタンも押した。二枚の食券を手に取り、カウンターに腰を下ろして店内観察を開始する。

店主さんのワンオペながらも、お冷はセルフではなく店主さん自らが差し出してくれる。それと引き換えに食券を手渡すと、いよいよ調理がスタートだ。新店らしくステンレス製の厨房機器は、ピカピカに輝いていて気持ちが良い。無機質な厨房に対して、客席にはオールビンテージ調の木材を使用して温かみのある有機質を醸し出している。小さなコの字カウンターの他にも壁に向かった補助的なテーブルも置かれてあるが、それでも7人も座れば満席となるので中待ちイスも準備されている。再び厨房内に目を向けると、新品の茹で麺機が中央に鎮座していた。その中には7個のテボが円を描くように並んでいたが、それが不運の始まりになるとは思いもよらなかった。

どうやら一番客は、かなり早い入店だったのか第1ロット目で直ぐに配膳されていた。その直後に第2ロットの調理が始まったのだが、6杯分の麺を次々に茹で釜に投入しはじめた。スープの違いで麺の種類も異なるようで、太さによって時間差では投入されていた。しかし麺上げのタイミングは同時なので、6杯分の盛り付けにはかなりの時間を要していた。嫌な予感がしながら待っていると、着席して10分程で我が杯も到着した。

その姿は白磁に雷紋柄のポッチャリとした高台丼の中で、丁寧な盛り付けが好印象を与えてくれる。流行りの要素を取り入れながらも安心感のある表情を見せる。第一印象は素晴らしく、スープを味わうためにレンゲを手にした。

まずは紅檜皮色のスープをひとくち。表層に浮かんだ香味油が液体ではなく油膜となって見えるスープにレンゲを沈めると、熱そうな湯気と共に上がってきたのは魚介出汁の香りだ。中でも清らかな鰹節が主体となった、日本人が慣れ親しんだ香りが気持ちを落ち着かせてくれる。そんなスープを口に含むと、土台には豚骨由来のどっしりとした旨みのある動物系出汁が支えとなっている。やや白濁したスープには微かな粘度も感じるので、動物性コラーゲンが豊富に含まれているのだろう。そこに合わせるカエシの塩気も、高めではあるが許容範囲内でありがたい。見た目とスープの表面上は何ら問題のない様子だが、水面下の麺の状態が心配でレンゲを箸に持ち替えた。

醤油系には中細タイプの麺が使われているが、麺上げまで 100秒のタイマーよりも 10秒以上は長く茹でられていた。しかも茹で釜から引き上げてもテボの中で更に10秒以上は放置されていた。それからワンロット6杯を盛り付け終わるまでは 90秒もかかり、麺の劣化が不安なままに麺を持ち上げてみた。箸先には少しばかりウェーブした透明感のある麺が現れ、麺幅と麺圧のバランスからは平打ち麺のようにも見える。32センチ程度に切り出しされた長めの麺を持ち上げた箸先からは、やはり強いハリは感じられない。すでに、麺がダレ始めているような気がして仕方ない。そんな麺を慌てて一気にすすり上げると、力強いハリはないが柔らかすぎるといった口当たりでもなかった。早めに食べ切ってしまえば麺がダレる前に完食できそうな気がして更に箸を進めてみた。

急いで箸を突っ込んでみると、丼の底の方に何かの具材のような硬い感触が箸から伝わってきた。まだチャーシューや味玉は液面に浮かんでいるので、不思議に思って拾い上げてみた。すると20本ほどの麺が結着してしまい、太い束となって入っていたのだ。この麺のかたまりを見た時に、やはりワンロット6杯には無理があると思ってしまった。テボの中で麺が対流してないのが原因だと思うが、盛り付けの際に気が付かないのも問題だと思う。箸先では、ほぐしきれないので指を使って麺をバラバラにしなければならなかった。黄色い麺箱が山積みにされていたので、あの製麺所の麺だと思うが、これでは麺職人が打った麺が台無しになっていた。とても残念な麺の仕上がりを挽回する為に、具材陣に気持ちを切り替えた。

具材のチャーシューは豚肩ロースが低温調理で仕込まれていて、鮮やかなロゼ色に発色した美しさが今っぽく映る。小ぶりながらも厚みを持たせてカットされているので食べ応えもあり、丁寧な下処理でスジも残っておらず食べやすい。かなり脂身の多い部位が当たったが豚肉本来の質が良いので、しつこさや臭みも全く感じない。薄味ながらも下味のソミュール液が利いており、盛り付け直前の切り立てに拘ったシットリ感も味わえた。

追加した味玉も常温よりも温かくなっていて、食べた時に旨みを感じやすく仕上げてある。きちんとした下茹での半熟具合も良く、黄身にまで浸透した漬けダレの味染みも素晴らしい。好みの熟成タイプではないが、即席味玉ではない事は間違いない。

板メンマは滑らかな舌触りで醤油感を利かせたタイプ。少々味付けは強めだがアクセントとしては、これくらいが程よいのかも。でも、ラーメンの中よりもビールのツマミとして本領を発揮しそうなメンマだった。

黒々とした海苔は、しっかりと目の詰まった良質の海苔を目利きされていて鮮度も抜群だった。

薬味には白ネギ、青ネギともに添えられていて、粗々しい切り口だが手仕込み感がある。どちらも歯触りや香りが良く、薬味としての持ち味を表現していた。

中盤からは心配した麺の劣化が始まってしまい、コシのない麺を食べなければならなかった。今回は私のラーメン史上最大の癒着事件となってしまったが、それがなければ軽く80点オーバーは確実な内容だっただけに悔いが残った。ちなみに私の後に入店した客にはワンロット1杯の調理工程だったので、うらやましく思ってしまった。そんな独占調理法違反を黙認せざるを得ない状況下で、次回は大量生産でないラーメンを食べてみたいと心から思った一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

「らーめん (醤油) ¥700 +あじ付き玉子 ¥100」@麺処 あさ川の写真平日 曇天 先客2名 後客1名

〝ニューオープン 探検記〟

新店めぐりをしていて思う事がある。なぜに誤情報があふれているのだろうかと。先日に訪れた二軒はどちらも内装工事の途中で、オープンしていなかった。

また本日もRDBで新たに見つけた新店に挑もうとしているが、現時点では定休日も営業時間すらも掲載されてない新店だ。本日もフラれる覚悟で、新橋のサウナを午前10時前に出発した。

京急線直通の浅草線快速特別に乗り込んで、最近ラーメンめぐりで頻繁に降りている上大岡駅に着いた。「煮干しらーめん 紫乱」「川の先の上」と立て続けの新店ラッシュに湧く上大岡駅からは神奈中バスに乗り、一路こちらを目指す。バスターミナルを出発すると15分ほどで最寄りの永作バス停に着いたが、ひとつ前のバス停の名前に驚いた。「下車ヶ谷」と書いて「かしゃけど」と読むらしい。小学二年生でも習う漢字の組み合わせなのに、全くもって読めなかった。

新橋のサウナを出発してからトータル1時間ほどでやって来たが、店の開店時間すらも分からずで不安が募る。ナビを片手にバス停から歩いて向かうが、環2沿いで大型店舗はチラホラあるだけでラーメン屋らしき店が見えない。それでも信じて大通りの急坂を下っていくと、突然にド派手な黄色い看板が目に入った。そこには大きく店名が書かれ、店先には開店祝いの花が届いている。ガラスの扉越しにはスタッフさんの影も見えるので、本日開店は間違いなさそうだ。

少しホッとして店先へと歩み寄ると、店頭には11時半オープンと書かれてあった。11時開店と予測して来たので30分以上も早かったようだ。それまでの時間を途中にあったコンビニで水分補給をしたり、何もない環2沿いを歩いてみたりと時間をつぶした。

定刻ちょうどに店先に戻ると店頭には営業中の幟旗が置かれ、店内には先客が入店していた。私も続いて深緑色の暖簾をくぐり店内に入ると、好きなカウンターへと案内された。券売機はなく卓上メニューを見て、初めてラインナップを確認する。苦手なガッツリ系への不安もあったがメニューを見る限りでは、そうではないようだ。メニューはシンプルに醤油ラーメンだけで、トッピングとサイドメニューが少しあるだけだ。この絞り込んだメニューに安心して味玉追加で注文した。お会計はデポジット方式なので、先に支払ってから店内観察を始める。

レゲエ風の黄色い壁が明るい印象を受ける店内にはL字カウンターと、奥には 100円で食べ放題のごはんコーナーが設けてある。店主さんのワンオペなので人手のかからないセルフスタイルをとっているが、お一人で仕切るには導線が大変そうである。年季の入った店構えは居抜き店舗に思えるが、右奥のカウンターを拭く為には大きく遠回りをしなければいけない造りとなっている。そんな余計な心配をしながら前の通りを走るトラックの音をBGMにして待っていると、着席して8分で我が杯が到着した。

その姿は黒釉薬の高台丼の中で、醤油系ながらもギラギラした色気を見せつける表情をしている。サッパリしてながらも野生味にあふれた魂を持っているように映るが、それはまるで福山雅治のようである。爽やかな笑顔の中にも男の本能を隠すことなく表現する様は、まさにそのものだ。液面を覆い隠した鶏油がそう思わせるのだろうが、かなりの油量に戸惑いながらレンゲを手にした。

まずは光沢の下の栗皮茶色のスープをひとくち。表層の油膜は避けられそうにないので迷わずにレンゲを沈めてみると、レンゲの中には多くの鶏油を含んだスープが注がれてきた。そこに強く息を吹きかけて出来るだけ油分を飛ばしてから口に含んでみると、香ばしい焦がしネギの風味が広かった。それでも油っぽさを強く感じるので口の中には、まったりとした油膜が張りめぐった。そんなオイリーなスープには、鶏ガラ主体の動物系出汁と魚介出汁のバランスがとれたオーソドックスな組み合わせとなっている。そこに焦がしネギの香りが加わる事で、昔懐かしい雰囲気のあるスープに仕立てられている。カエシも強めに利かせてありそうだが、油分の甘みが先行するので感じづらくなっている。

タイマーを使ってないように見えたが、およそ90秒ほどで麺上げされたのはストレート細麺だった。36センチ程度に切り出しされた長めの麺は、箸で持ち上げても液面から離れようとはしない。箸先からは個性的な要素を感じない優等生タイプの麺質に見える。そんな麺を一気にすすり上げると、滑らかな麺肌に加えて香味油が後押しするように滑り込んでくる。麺の長さから大胆に音を立ててすする食べ方になるのだが、先客陣も同じようにすすっていた。無音の店内にはオジサン三人が麺をすする音が輪唱のように鳴り響いている。東京五輪を前にヌーハラなどと言われる昨今だが、これを機に麺をすすった時に唇が震える心地良さを全世界に発信したいものである。そんな勢いよく飛び込んできた麺を噛みつぶすと、平均的な歯応えと喉越しを残して胃袋へと落ちていった。この特筆すべき点がない事が、店主さんの麺選びの基準なのかもしれない。

具材のチャーシューには、部位も調理法も異なる二種類が盛り付けてある。それを見ただけで、手間隙を惜しまない作り手の思いが伝わってきた。先に淡白そうな鶏ムネ肉の方から食べてみると、低温調理のしっとり仕上げとなっている。かなり肉厚にカットされているので食べ応えもあり、炭火で炙られたような香ばしさがあるので焼鳥を食べているかのようだ。一方の豚肩ロースは煮豚で仕込まれていて、こちらも肉厚で炙られた香りが食欲をそそる。鶏ムネ肉に比べると、若干パサついた印象も受けるが不快なほどではない。柔らかく煮込まれた赤身に焦げた部分の食感が変化をもたらしている。

メンマは長さのある極太メンマで仕込まれている。縦の繊維は柔らかく口当たりは良いが、横には歯が立たないくらいに硬い。なので欲張って口の中に放り込むと、噛み切るのに一苦労するので注意が必要だ。味付け自体は素晴らしく、派手な主張をする事なく添え物に徹している。

追加した味玉は、今まで食べた事のない不思議な味わいだった。それは微かに感じるカレーのような風味で、ゆで卵とカレーの相性は悪くないがラーメンの中に入ると違和感があった。エサのパプリカ色素と思われるオレンジ色の黄身が特徴的な卵を使われており、下茹での半熟具合は申し分ない。しかし漬けダレの浸透はなく、熟成感にも乏しい味玉だ。また冷蔵保存の冷たさが残っていて、熱々のスープの中では違和感があった。

黒い器と同化するように海苔も添えてあったが、黒々しさのない緑色の海苔からは良質さは伝わってこない。実際にも香りも食感も良くはないが、新店だけに鮮度の良さは感じられた。

薬味の白ネギは笹切りで添えてあり適度な辛味と歯触りがアクセントになったが、青みのカイワレからは〝薬味愛〟を感じない。このタイプの昔ながらの組み合わせならば、やはり青みは茹でた青菜を望んでしまった。

序盤で感じた油っぽさも、麺に引き寄せられてスープには残っていないかと思ったが、麺を食べ終えた後のスープの液面には大量に残っていた。結果としてスープは飲み干せずにレンゲを置いてしまった。出汁がしっかりしていたので、香味油のコクに頼らなくても足りるような気がして残念だった。私には三分の一の香味油でも十分だったかもしれない。

先客の話によると以前にもラーメン店があった場所らしく、半年ほどで閉店してしまったようだ。今回は地元客の胃袋をつかんで、長く根付いて欲しいと思って一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

「あさひ醤油 玉子 ¥790」@らーめん あさひの写真平日 曇天 11:25 先待ち1名 後客2名

〝ニューオープン 探検記〟

深夜ドラマも終わり、少し落ち着きを取り戻してきた上野のサウナで朝を迎えた。昨夜の食事処での晩酌中に見つけた新店めぐりの為に、10時にチェックアウトすると目の前の上野駅に向かう。

常磐線の快速から松戸で各停に乗り継ぐと、上野を出発してから40分程で最寄りの南柏駅に着いた。西口を出てすぐ右手にある「出逢いの街 にしぐち通り」と書かれたアーチをくぐって歩いて行くと、3分くらいで開店祝いの並んだ店先を見つけた。駅からも近く、辺りには飲食店が多いエリアでの移転オープンのようだ。

11時半オープンの少し前に現着となったが、すでに1名の待ち客がいた。しかし整列順がある感じではないので近くにいながら定刻を待った。店の外観は赤と黄色を配した独特の看板が印象的で、すでに掛けられている暖簾も同じデザインだ。それは子供の頃に見た〝人造人間キカイダー〟の左半身を思わせる。

そんな昔を懐かしんでいると、定刻よりも1分ほど早くオープンとなり暖簾をくぐった。店内に入ると入口右手に設置された券売機の中から味玉入りの標題を選び、食券を手にしてカウンターに腰を下ろした。

配膳担当の女性スタッフさんに食券を手渡すと、すぐさま店内観察を始める。カウンターの目の前には歴史を感じる昔ながらの赤のれんが飾られているが、移転前に使われていたものだろうか。現在使われている物は、北海道の風習である製麺所から寄贈された暖簾なので、昔からの取引がある信頼の証だろう。

この時になってようやく、新松戸に同店名のラーメン店があった事を思い出した。しかしこちらは柏市内からの移転となっているので関係性は定かではないが、複数の飾られた暖簾たちが関連を意味している気がした。その他には柏レイソルのチームタオルが飾られてあったりと、地元愛も感じさせる。そんなカウンターだけの店内を、本日は揃いのピンク色のTシャツ姿の二人で回している。調理場が奥まっているので調理工程は見られないが、左利きの店主さんから繰り出される旭川ラーメンに期待が高まる。もしかしたら新松戸のお弟子さんなのだろうかと思いながら待っていると、着席して8分で我が杯が到着した。

その姿は木製の角盆に乗せられた瑠璃色の多用丼は、北海道ならではのスープの熱を逃がさないように厚手の器を使われている。そんな器の中で、イメージしていた旭川醤油ラーメンよりも濃厚そうな表情を浮かべていた。Wスープだとは想像していたが、見た目からは動物系が特出しているように感じる景色だった。そんな予想を覆す姿に、新たなラーメンとの出会いを求めてレンゲを手にした。

まずは半濁した丁子染色のスープをひとくち。これも北海道発祥のラーメンらしく、液面には厚みのあるラードが張り巡らされている。一見すると油っぽく感じるスープにレンゲを沈めてみると、見た目同様の豚骨由来の香りが湯気とともに立ち昇ってきた。レンゲの中に注がれたスープにも多くのラードが入っているので、強く息を吹きかけて表面の油分を飛ばしてからレンゲを口に当てた。かなり高温のスープが唇に触れると、そこからは吹き飛ばしたはずの油膜が口内に張り付いた。その中には豚骨特有のクセがあり、不自然な旨味による甘さを強く感じた。いい意味で野暮ったさがあるスープだが、旨味の底上げをダイレクトに感じてしまい残念なスタートとなった。Wスープの相方であるはずの魚介出汁は、豚骨スープの主張が強いので影に隠れてしまっていた。卓上には味が濃いと感じたら割りスープがあると書かれてあったが、醤油ダレに関してはベストな塩梅だったと思う。それだけに、余計な旨味の演出が悔やまれた。早々にスープから麺へと気持ちを切り替えてレンゲを箸に持ち替えた。

割りスープの他にも客目線で対応されていると感じる点があったのが麺の茹で加減で、基本は硬めに仕上げてあると明記してあった。柔らかめにも対応可能な案内もしてあったので、ある程度の硬さを承知して麺を持ち上げてみた。箸先には 20センチほどに切り出しされた、黄色みのある中細ちぢれ麺が現れた。それを見ただけで北海道産の麺を感じさせる雰囲気があり、箸先の重みには加水率の高さを思わせる。そんな北海道から空輸された店主さんこだわりの麺を一気にすすり上げると、思ったよりも硬さのない程よい口当たりで滑り込んできた。ちぢれのリズムが心地良く唇を通過すると、適度なハリを感じさせながら口の中を跳ね回る。そんな麺を抑え込むように噛みつぶすと、小麦の甘みが生まれてくる。

具材のチャーシューには豚バラの半巻き煮豚が盛り付けてあったが、薄味仕立ては良いのだが豚肉の品質からか獣臭さが出てしまっていた。

追加した味玉には黄身の小さな卵が使われていたが、白身の範囲が大きいので旨みの強い白身の弾力を楽しめた。今までは〝味玉の真髄は黄身にあり〟と思っていたが、白身にも味わいがある事を教えられた味玉だった。

細メンマは薄味で仕込まれていて、柔らかすぎず硬すぎずの歯応えが程よいアクセント役を演じてくれた。

薬味の白ネギの笹切りからは、シャキッとした歯触りと粗々しさを残した辛味が感じられた。それに引き換え青み役のカイワレには特筆すべき点を見出せなかったので、やはり旭川ラーメンには不釣り合いな薬味に思えた。

中盤からも麺は美味しく食べ進めたが、スープには手を付けられずにレンゲを置いてしまった。都内では個人店の旭川ラーメンを食べられる店が少ないので楽しみにしていたが、過剰演出が個人的には合わなかった一杯となりました。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

「醤油ラーメン ¥750+全部のせ ¥250」@麺屋 如水 本店の写真日曜日 雨天 12:15 外待ち21名 中待ち30名 後客多数

今回の名古屋遠征では〝ラ活〟よりも〝サ活〟を優先して名古屋駅に降り立っていた。今回は〝キャ活〟も程々にしようと、昨日までは思っていたが、久しぶりの名古屋嬢との再会に我を忘れてしまった。

昨晩は恒例となっている寿司同伴を終わらせて、名古屋嬢のヘアメイクの時間を利用して一人で名古屋の街をふらついてみた。行きつけが出来たおかげで、ここ最近は夜のネオン街をウロウロする事もなくなったので新鮮な感じがした。

程々のつもりが深夜2時過ぎのお開きとなってしまい、再びサウナに戻り夜を明かした。翌朝は随分と酒の残った身体を朝サウナで目を覚ませ、気持ちを〝キャ活〟から〝ラ活〟へと切り替える。サウナのある今池交差点からはバスに乗り込んで、最寄りの東区役所バス停で下車した。そこからは大きな建立寺を迂回するように6分ほど歩くと、山口町交差点から見てもすぐに分かる大行列を見つけた。ちょうど雨が落ち始めたタイミングとなったが、隣接するビルのシャッター前の軒下に逃れた最後尾に付けた。

チラリと見えた店内にも外待ち以上の大行列があり、名古屋の人気店の行列の長さを実感する。以前の「紫陽花」の時も思ったが、名古屋の若者は雨の中でも並ぶ忍耐力が素晴らしい。雨足が強なってきても離脱する者なく順調に列が進んでいくと、外待ち30分で中待ちに昇格となった。すだれと白提灯が掛けられた入口を入ると、店内には待機用の椅子が壁沿いに並べられている。かなり膨大な収容能力誇り、同じ椅子に3分も座っている暇がないくらいに回転は良さそうだ。その間に手渡されたメニューの中から本日のお題を品定めするが、店内の壁に貼られたメニュー同様に多すぎるラインナップに戸惑ってしまう。またもや持論の〝メニューが豊富な店の基本のラーメンは味が不安定になりがち〟が頭を過ぎる。そんな中で筆頭を飾っているのは塩系だったが、マイスタンダードを押し貫いて醤油系のハイエンドモデルを注文した。

着々と進んでいく並びの中で、店内観察を始めてみる。ゆったりとしたL字カウンターの中には客席相応の広い調理場が設けてあり、各自がそれぞれの持ち場を守るシステムとなっている。本日は白と黒のキャップ姿の五人体制で回しているが、動きに全くの無駄がない、見惚れてしまうような連携プレーに初訪問でも安心感が生まれる。しかも接客にも、そつがなく目配りや気配り全てができている。そんな〝親切〟〝丁寧〟〝安心〟と引っ越し屋みたいなフレーズが、しっくりする店内の雰囲気となっている。

若者中心の客層ではあるが時折り私クラスの中年層も見られ、随分と高齢の年配者も楽しんでいる様子があった。そんな老若男女の地元客に愛される店内で待っていると中待ちの20分を合わせてトータル50分待ちでカウンターへの案内があった。グラスではなく蕎麦猪口のお冷で口を潤していると、着席して2分もせずに我が杯が到着した。客の流れを予測しての調理工程ならではの、スピード感あふれる提供だった。

その姿は受け皿に乗せられた白磁の多用丼の中で、大地に溶け込むようなシンプルな色調を見せている。それはまるで、砂漠迷彩仕様のザクII を思わせる茶褐色のコンビネーションだ。砂漠の中で息を潜め、身を隠すような目立たぬ容姿だ。一切の派手さのない穏やかな見た目からは、食べずとも自然の旨みが詰まっていそうに感じる。お店情報には〝無化調〟となっているが、それが嘘ではない事を確信してレンゲを手にした。

まずは灰茶色のスープをひとくち。表層には非常に細やかな粒子の香味油が浮かんでおり、繊細そうにスープの液面を覆っている。乳化タイプとは言わないまでも、微かな濁りの中に旨みも含んでいそうなスープにレンゲを射し込んでみる。その指先には高濃度ではないが、確かな粘着性がレンゲを介して伝わってきた。見た目以上の動物性コラーゲンを予想して口に含んでみると、それとは異なる感覚が先陣を切ってきた。それは予想外に魚介出汁の風味だった。半濁した見た目や粘性の高さから、動物系出汁が主体と思われたが違っていた。もちろん鶏ガラや豚ゲンコツのような旨みが土台にはあるが、それを凌ぐ魚介の旨みが押し寄せてきた。しかしその魚介出汁が、煮干しなのか鰹節か昆布なのかが判別できないくらいにバランスがとれている。言われてみれば全ての旨みを感じるが、何一つとして際立った主張をしてこないのだ。完璧な設計図を再現されたWスープに合わせるカエシは強気ではあるが、スープのバランスを壊す事なく輪郭を与えている。見事な計算で仕組まれたスープの味わいに、ひとくち目から惹かれてしまった。この時点でスープを飲み干せる事を確信して麺に移行した。

本日の麺上げ担当は小柄な女性が担当されていたが、魂の込もった麺上げ作業には目を奪われてしまった。この店の回転率の良さも、麺上げ技術の高さがあってこその早さであると納得した。多様なメニュー構成にも対応しながらも、ワンロット2杯にこだわった調理には圧倒的なスピード能力がある。左利きで麺上げされている動きが、星飛雄馬の大リーグボールの投球フォームと重なってしまう。そんな圧巻の力強いフォームから繰り出される、連続投球で生み出された麺に期待を大にして食べてみる。

麺上げまでジャスト40秒の早茹でタイプの麺を持ち上げてみると、26センチ程に切り出しされたストレート細麺が現れた。箸先からは細身ながらも強靭なハリが伝わってきて、滑らかそうな麺肌と相反する組み合わせを見せる。〝強さ〟と〝艶やかさ〟を併せ持った麺を一気にすすり上げると、想像を超えた力強さで滑り込んできた。細麺とは思えないような密集したグルテンを感じ、弾力のある歯応えで噛み切るとモッチリと奥歯を押し返してくる。その抵抗力の強さがコシとなって食べ応えの良さを表現している、往年の関脇 寺尾関を彷彿とさせる麺だ。

具材のチャーシューには豚バラの煮豚型が、薄切りながらも4枚入りと全部のせならではのボリュームだ。その枚数の多さを利用して麺を巻いて食べても良し、勿論そのまま食べても持ち味を発揮するチャーシューだ。今回は脂身の少ない赤身中心の部位だったのが、私には幸いだった事もあるが素晴らしい仕上がりだった。

煮たまごは全てのバランスがとれた逸品だった。卵本来の持つ白身の旨みを残しながら、浸透圧による適度な熟成の黄身の旨み。それでいて過度な醤油感を思わせない漬けダレの塩梅など過ぎる事なく足りなくもない、地味ではあるが計算されたバランスを保っている。

細メンマも歯応えを残した下処理が活かされた薄味仕立てで、過度なアピールをせずに食感のアクセントを与えてくれる。

薬味のネギや青みなどは一切添えられておらず余計な香りを加えないで、出汁本来の味わいを楽しめるようにしてある。

それは器選びにも感じられ、唇に当たる口縁の部分が大きい多用丼を使われている。その極端に厚手な器の口当たりが、スープを舌全体だけでなく口の中の隅々にまで行き渡らせる。よって舌先だけでなく鼻腔を含めた口内の全センサーで味わえるように考えられている。これは茶道にも共通する点で、抹茶や煎茶の味わいが茶碗によって全く違ってくるのと同じだ。

初見で感じたように躊躇する事なく完飲するほど出汁感を味わえたスープには文句なしだったが、細麺だけに急激に麺の食感が薄れていった点が残念に思いながら箸とレンゲを置いた。

また今回も名古屋麺のポテンシャルの高さを思い知りながら店を後にしたが、さらに強さを増した雨の中でも行列は止むことなく続いていた。再びバス停へと戻り〝ラ活動〟から〝サ活動〟へと気持ちを切り替えて栄の名物サウナへと向かった一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

「らーめん ¥650」@らーめん つがるの写真平日 晴天 13:20 先客なし 後客なし

〝ニューオープン 探検記〟

昨夜から前泊していた横浜駅直結のサウナで、今回の新店めぐりの計画を立てておいた。

こちらのサウナは10月から24時間営業となって使い勝手がさらに良くなったので、またまた新橋から東海道線で乗り込んできた。やはりカプセル利用客のチェックアウトが9時から12時になったのは有難く、朝風呂を浴びた後の過ごし方に大きな違いが出てきた。

その恩恵を最も受けるのが朝サ飯だ。今までは食後に、せわしいのが嫌で食べる機会は少なかったのだ。しかし今月からは最終9時半までに食べ終えていれば、その後はレストラン内で食後のコーヒーを楽しむも良し、カプセルに戻って寝る事だって出来るのだ。

本日は久しぶりに「スカイスパ YOKOHAMA」での朝サ飯を楽しもうと、入館時に朝食券を予約しておいた。時間を逆算して早朝から軽めの朝サウナを2セットこなして、レストランへと向かった。不思議と、昨晩もレストランで深夜まで呑んでいたメンバーが揃っているのが笑える。まるで家族のような時間を共有していると、勝手な親近感が湧いてくるものだ。

朝サ飯といっても今回もラーメンめぐりの為に、女子的な量と内容しか食べられないのが残念だ。大好きな白メシや納豆を見ないように、洋食メニュー中心で OLさんカフェランチほどで我慢する。しかし普通ならば 580円でカレーやデザートまで食べ放題と、十分に満足できる内容なので横浜で宿泊される際はオススメできるサウナである。まるでステマのようになってしまったが、機会があれば楽しんでもらいたい朝食ビュッフェだ。

食後にコーヒーを飲んでからも2時間以上も滞在できるが、私のお気に入りスポットは午前10時半までの清掃時間を待ってから利用する事のできる〝コンフォートルーム ベイ・ビュー〟である。

その名の通り眼下に湾岸を見下ろしながらゴロ寝が出来る男女共有スペースだ。この時間帯になると大浴場の清掃が終わるので、大方の客はそちらに集まっていく。そんな貸切状態の広い部屋の中で、お目当ての反町駅でオープンしたばかりのラーメン店の予習をしておこうとRDBの、お店情報を開いてみた。すると昨晩までは明らかになっていなかった、新店の詳細が追記されていた。まさかの苦手な〝J系〟のジャンルに括られていたのだった。

無理して苦手なタイプのラーメンを食べるような気分でもなかったので、新たな情報を求めて急遽RDBを漁ってみる。すると幸運にも本日オープンの新店が新たに挙がっていた。所在地は八王子だが、現在地のサウナからは横浜線を利用すれば行けないエリアではないと知った。

そこで正午前にサウナをチェックアウトすると、横浜線 快速 八王子行きに乗車して八王子みなみ野駅までやって来た。生まれて初めて降り立った駅だが、不思議な地形を利用した構造となっている。崖沿いに駅舎がある為、乗り継ぎたいバス乗り場が駅前に見つけられない。訳も分からず人が流れて行く方へと身を任せると、エスカレーターを昇ったワンフロア上にあるバスロータリーに辿り着いた。駅舎よりも高い場所にバス乗り場があるとは思っていなかったので、ここは〝バスタ新宿〟を圧縮したような構造となっていた。

どうにか京王バス み05系統 グリーンヒル寺田行きに揺られて8分ほどで最寄りの寺田橋バス停に着いたが、そこからの道のりが大変だった。一級河川 湯殿川を越えて心臓破りの坂を12分 かけて歩いて行くと、山頂付近の交差点を左に曲がると派手な黄色い幟旗がたなびいていた。そこには〝ラーメン〟と書かれていたので、そここそが目指すべき新店だと悟った。

確信というよりも、願いに近い気持ちで近づいてみたが、どう見てもラーメン店らしい雰囲気ではなく不安になった。開けっ放しの扉の向こうには薄暗い店内が見えるが、テーブル席には衣装ケースが散乱していて営業中とは思えない様子となっている。今回もRDBの誤情報に弄ばされたかと思ったが、店内から「どうぞ」の声が聞こえてきた。

恐る恐る店内に入ってみて、バーの間借り営業なのが分かると、ようやく疑問が解けてラーメン屋らしくないのが理解できた。間借り営業らしく店内に券売機はなく、卓上に置かれた手書きメニューから品定めをする。せっかくなのでハイエンドのチャーシュー麺を口頭で告げた。すると「麺の量は130gなので大丈夫ですか」と、大盛りを薦められたが「少食なので大丈夫です」と遠慮した。

店内を見渡すと数々のボトルがカウンターの棚に並べられていて、すぐにでもマティーニが出てきそうな雰囲気だ。そんな店内を本日は二人体制で回しているが、調理工程の全てを若い店主さんが担っている。店主さんの立つカウンター内には簡易的な厨房設備しかなく、アルマイト製の両手鍋を茹で釜に代用している。そんな手狭な調理場から生み出されるラーメンに期待をしながら待っていると、着席して5分で我が杯が到着した。

その姿を見た瞬間に注文したチャーシュー麺とは違う事が分かったが、オープン初日の緊張感もあったのだろうと、そのままのラーメンに向き合う事にした。

懐かしの雷紋柄の切立丼の中には、ここが本当に東京なのかと考えさせられるような地方感のある表情で出迎えてくれた。全く飾り気のない姿に物足りなさを感じてしまうどころか、不思議と喜びさえ生まれてしまった。そんな流行りとは無縁の景色に癒されながらレンゲを手にした。

まずは赤銅色のスープをひとくち。表層には薄っすらとした油膜が見られるが、ほとんどノンオイルといった感じを受ける。津軽ラーメンだと煮干主体と思っていたが、初動の香りからは強くは感じられない。ほのかな甘い香りが漂ってくるのは野菜由来だろうか。そんな威圧感のない液面にレンゲを沈めると、全くの抵抗を感じさせない清流のようなスープがレンゲに注がれてきた。この時点でも煮干香は立っておらず、穏やかなスタートを切った。いざレンゲを介してスープを口に含むと、香り同様に甘味が舌を支配する。野菜中心であるとは思うが、糖類のような甘味も潜んでいるので旨み以上に甘味が勝っている。唇には動物性コラーゲンの粘着質も感じるので、鶏ガラやゲンコツなどのオーソドックスな動物系スープが土台となっているのだろう。その奥には煮干しを中心とした魚介の旨みもあるが、派手な旨みや苦味ではなくバランスよく加わっている。甘さの立ったスープに合わせる醤油ダレは薄そうに感じるが、甘味に隠れて強めに利かせてある。

平ザルを使った麺上げまで90秒ジャストの細ちぢれ麺は、あまり見かけないタイプの麺質に思える。持ち上げた箸先には、一切のハリやコシの強さを感じさせない。やや弱々しくも感じながら麺をすすり上げると、箸先から伝わってきた印象のままに滑り込んできた。それは、麺のちぢれを感じさせないくらいに柔らかな食感だった。全ての麺類にハリとコシを求めてしまうタイプなので物足りなくはあるが、スープとの相性は優れていると思った。これがラーメン消費量上位の常連である青森のスタイルなのだと覚悟して、弱気な麺と向き合う事にした。噛み応えは乏しいが喉越しは良く、スルスルと胃袋へと落ちていく。見た目と同じく食感も独特で麺箱などが見られなかったので製麺所は不明だが、超個性的な細麺を採用されていた。

具材はチャーシュー麺を注文したはずが二枚しか入っていないので、すぐにオーダーミスだと分かった。これで後会計が、チャーシュー麺代と同じだったら申告しようと思いながら食べてみた。部位には豚バラを使用されていて調理法は煮豚だった。小ぶりではあるが厚切りにカットされているので、見た目の迫力は十分だ。今回は脂身が多い部分が切り分けられていたが、柔らかすぎる仕上がりではないので脂身にも歯応えが残っていた。とろけるような脂身が苦手な私にとっては、ありがたいチャーシューだった。

それに反して板メンマは柔らかく仕込まれていて、滑らかな口当たりが特徴的だ。見た目の醤油色よりは薄味で麻竹の持つ香りも感じられる仕上がりだ。麺が柔らかいので何かに強い食感を求めてしまうが、メンマも柔らか仕立てで残念だった。

薬味の白ネギの小口切りは粗々しい切り口だが、みずみずしい潤いがあり好印象。この穏やかなラーメンの中で感じるシャキッとした歯触りがアクセントになってくれる。また田舎っぽい辛味を残した白ネギが、ラーメン全体の甘さの中で刺激を与えてくれた名脇役を演じてくれた。

中盤からも好みとは違う点が多くあったが、東京にいながら作り手の思いが込もった〝津軽〟を感じて箸とレンゲを置いた。最後に後会計を済ませたが、やはり基本のラーメン代の650円だったので注文を間違えたようだ。これから多くのお客さんが来ても決して慌てず焦らずで、独自の津軽らしさを貫いて欲しいと願う一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

「旨味醤油らぁ麺 ¥750 +味付玉子 ¥100」@Life is beautiful らぁ麺 & Cafe'barの写真平日 晴天 11:20 待ちなし 後客3名

〝ニューオープン 探検記〟

昨晩は埼玉県 鴻巣駅近くに移転オープンした「 INDIEラーメン」のオープン初日にお邪魔した後、電車とバスを乗り継いで草加健康センターにやって来た。思い返せば台風15号が上陸した夜もここにいて、翌朝の新店めぐりではバスを乗り継いで何とか行ったのを思い出した。こちらはサウナ付き大浴場施設というだけでは収まりきらない、お風呂エンターテイメントである。他の施設が〝ふろ〟ならば、こちらは〝ぷろ〟に値する。

草加健康センターに来たのが午後7時すぎ。サウナーなら誰もが知っている名物〝爆風ロウリュ〟は終了しているはずの時間だったが、何気なく入った1セット目で不穏な空気を感じ取った。それは普段よりもサウナ内の湿度が高い点で、これは何かしらあると勘付いた。そうなれば 20時ちょうどに2セット目のピークを迎えるように時間調整をして、最上段で耐え忍んでいると赤いTシャツ姿の二人のスタッフが入ってきた。その両手にはブロワーと呼ばれる送風機を持っている。青いポリバケツの中の氷をサウナストーブにぶちまけると、いよいよ灼熱地獄のスタートだ。

予想にもしてなかった〝爆風ロウリュ〟の時がやって来たのだ。

今まで穏やかなヒーリングミュージックが流れていた静寂のサウナ内に、いきなりブロワーの轟音が鳴り響いた。その光景は、逃げ込んだ山小屋に現れたチェーンソーを振り回すジェイソンのようである。ひな壇に座った男どもは、各々の限界をジェイソンに手を上げて知らせるまで、熱波を浴びせられ続けるのだ。

本来はガマン厳禁のサウナだが、ついつい頑張ってしまうのが男って生き物である。今回も右隣りに座っていた客人の、流れ弾ならぬ〝流れ熱波〟をくらってしまい、翌朝まで右乳首がヒリヒリするという代償を受けてしまった。いつも通りに食事処へ向かい、たらふくのビールを夜が更けるまで楽しんでからベッドに横たわった。

翌朝は 8:50発の無料送迎バスに揺られて草加駅に着くと、コーヒーを飲みながら本日の作戦を立てる。最新情報ではなかったが8月に隣町でオープンしていたコチラを発見した。お店情報では最寄駅からも遠く困難な道のりではありそうだったが、レビューも少なく興味が湧いて初訪問を決意した。

開店時間に合わせて東武スカイツリーラインで二駅で、最寄りの新田駅には着いた。西口を出ると、そこにはパラダイスが広がっていた。決して〝駐輪場マニア〟ではない私でも心踊るような、駐輪場天国が壮大な景色を見せる。一体どれだけの自転車が西口周辺に集まって来ているのだろう。それはまるで自転車たちの明治神宮初詣を思わせる圧巻の光景だ。聞くとこによると、これと同じ景色が東口にもあるらしい。感覚的には世界中の自転車の8割近くが集合している感じだ。そんな駐輪場の聖地を抜けて進んで行くが歩いて 20分近くもかかってしまい、草加駅から電車に乗っている時間よりも随分と長かった。

通り沿いの向こうに、店の看板よりも先に店頭に山積みされた黄色い麺箱が見えてきてラーメン店だと分かった。定刻10分前の現着となったので行列は無かったが、入口で待つと店内から丸見えなので自販機の陰で待機した。店頭に置かれた写真付きのメニューで品定めを済ませると、定刻ちょうどに営業中の立て札が掛けられてオープンとなった。

ガラス張りの店内に入ると券売機はなく、ひとまずはカウンターに腰を下ろす。卓上メニューの中から見当をつけておいた表題を、女性スタッフさんに告げて店内観察を始める。こちらでは、お冷ではなく市販されている2リットルの冷えたペットボトルが卓上に置かれた独自のスタイルだ。それも各メーカーに配慮して麦茶から烏龍茶まで、様々な銘柄のお茶が用意されていた。私が座った席の前は麦茶だったので、氷の入ったステンレス製の保冷グラスに注いで喉を潤した。L字カウンターの他にも小上がり席が設けられた、カフェを思わす内装となっている。店内の至る所には大ファンと思われる〝ケツメイシ〟のライブグッズなどが飾られている。もちろんBGMもケツメイシだ。そんな独特の雰囲気を放つ店内を、ご夫妻だろうか二人で切り盛りされている。ポップなBGMに反して落ち着いた調理作業と、明るく丁寧な接客の中で心地良く待っていると我が杯が到着した。

着席から5分で登場したラーメンは、木製の角盆に乗せられたオシャレな白磁切立丼の中に収められている。その姿には今っぽい要素も見られ、カフェ風の店内や器のシルエットともマッチしている。一見すると〝またおま〟にも見えなくない表情だが、見た目の穏やかさに安心しながらレンゲを手にした。

まずはスープをひとくち。目視では確認できなかったが、確かな香ばしさを感じるのは焦がしネギからだろう。表層には多くの具材陣が並んでいるので、落とし込む場所に狙いを定めてレンゲを沈めた。すると品の良い鰹節の香りが湯気と共に立ち昇ってきて、鼻腔を通じて脳に魚介出汁をインプットする。すでに脳内がシーワールドと化した所でスープを口に含んでみると、濁りの中に多少のザラつきを感じる口当たりで忍び込んできた。それに伴った魚介の旨味が圧倒的に口の中に広がり、焦がしネギが風味にアクセントを加える安心感のある味わいだ。動物系の旨みを感じないので魚介出汁だけなのかもしれないが、それにしては複雑で奥深い重なりがあるので不思議だ。合わせるカエシも、出汁の風味を壊すことなく寄り添う感じで見事に調和している。かなりの好印象のままに麺に取り掛かってみる。

箸袋にまで店名が入ったエコ箸に持ち替えて、麺上げまでジャスト60秒の麺をスープの中から引き上げてみる。箸先には 24センチ程に切り出しされた中細ストレート麺が現れた。見るからに全粒粉のフスマを散りばめられた麺は、箸を持つ指先に重さを感じさせない軽やかさだ。そんな加水率の低さを思いながら一気にすすり上げると、やや弱めのハリが唇を通過した。それと同時に飛び込んできた存在感のある小麦の香りは、全粒粉ならではの香味なのだろう。他でも見た目に全粒粉配合だと分かる麺もあるが、これほどまでに強く小麦の香りを感じられる麺は多くはない。いや、もしかしたら過去の中でもトップランクに値する小麦感だ。噛めば強い弾力性がある訳ではないが、きっちりと咀嚼に応じてくれる歯切れの良さが楽しめる。初見では失礼ながらも〝またおま〟などと思ってしまったが、良くありそうな組み合わせの中にオリジナルをアピールする要素がいくつも含まれている。そんなスープと麺を味わうと、おのずと具材陣にも期待が高まり味わう事にした。

具材のチャーシューには、部位の異なる二枚が盛り付けてある。上に盛り付けてある豚バラ肉の煮豚の方から食べてみると、提供直前に炙りの一仕事が施されている。口にする前から香ばしさが食欲をそそり、大判の厚切りなので歯応えも良い。赤身よりも脂身の多い部位だったが、とろけるような柔らか仕上げではないのが助かった。やはり豚バラでも肉々しい食感の方が好みである。一方の豚肩ロースは、より強い噛み応えで赤身の旨みを引き出している。

追加した味玉は写真からも分かるように半切りで盛り付けてあるが、黄身が流れ出す限界点ギリギリで耐え忍んでいる。熟成度は高くはないが、しっかりと漬けダレが黄身にも浸透して程よく水分が抜けている。よって卵本来の旨みが凝縮して半熟ゆで卵とは別物となり、味玉を名乗る資格を得ている。追加して良かったと思える味玉だった。

メンマには流行りの穂先メンマが採用されていて、発酵食品ならではの香りを残した下処理となっている。その発酵臭を活かすために薄味仕立てとなっており、過剰な演出をするでもなく軽やかな食感と共に名脇役を演じている。

薬味の白ネギは、アンチ白髪ねぎ派の私でも香りの良さに驚いた。高級和食料理店の繊細さはないが、敢えて香りを引き立たせる粗めの切り方が狙いだろうか。それでいて辛みは適度にさらしてあるので刺激は弱く、穏やかなスープや麺の邪魔をしない。

序盤から箸の勢いは止まる事なく完食完飲していたが、最後の最後に黒コショウのようなスパイスの辛味で幕を閉じた。全体的に平和なラーメンだったので、最後のひとくちの強い印象が残ってしまった一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

「吟撰 中華そば ¥900」@あってりめんこうじ 安中原市店の写真日曜日 晴天 11:05 先待ち1名 後待ち16名

〝第37回 RDBの超高性能スーパーコンピューターが算出したオススメ店は本当に私に合うのか!〟を昨日に引き続きて、連続開催する運びとなった。

このイベントは、RDB PC版のオススメに挙がる六店舗から、その店のイチオシではなく自分の好きそうなメニューを食べて採点し超高性能スパコンとの勝敗を決めるものである。決してお店との勝負ではないのは理解していただきたい。

採点基準は90点以上付いたなら私のKO負け、80点以上ならば判定負け、70点台なら引き分けとし60点台なら判定勝ち、59点以下の点数ならば私のKO勝ちとする。

過去36戦の対戦相手は「風雲児 」「麵屋一燈 」「煮干しつけ麺宮元 」「竹末東京プレミアム 」「さんじ 」「麺処 晴」「燦燦斗」「神田 勝本」「中華そば屋 伊藤」「麺処 ほん田」「煮干中華ソバ イチカワ」「麺屋 和利道 warito」「らーめん 芝浜」「らーめん かねかつ」「狼煙〜NOROSHI〜」「ラーメン大至」「中華ソバ 伊吹」「麺処 朧月」「Bonito Noodle RAIK」「中華蕎麦 とみ田」「陽はまたのぼる」「神田とりそば なな蓮」「ソバダイニング クアトロ」「旬麺しろ八」「MENSHO」「麺小屋 てち」「らーめん 鉢ノ葦葉本店」「らぁ麺 飛鶏」「中華そば 勝本」「◯心厨房」「家系総本山 吉村家」「自家製麺 くろ松」「麺処 いち林」「miso style となみ」「AFURI 恵比寿」「拉麺 時代遅れ」と名だたる有名店や人気店が並ぶが、通算対戦成績は36戦16勝10敗9分8KO勝ち1KO負け1没収試合と、スパコンのオススメに対しては勝利が先行している状況だ。

今回の連日開催にあたり、昨晩は高崎駅直結の大浴場付きホテルに宿をとっての初対決となった。新店めぐりを終えた吹上駅から、高崎線に乗ってやって来た。ホテルにチェックインを済ませると、すぐに大浴場へと向かった。日頃の利用しているサウナに比べると規模こそ小さいが無礼者の若者たちに侵されてないのが良い。

この温泉施設は宿泊客以外も解放されているのだろうか、地元っぽい年配層の入浴客も見られる。そんな穏やかな空気の中で、ゆったりと過ごすと駅前の居酒屋で喉を潤しに向かった。ほろ酔い気分になったところで〝キャ道〟に磨きをかける為に、駅から離れた商店街にある馴染みのキャ◯クラに向かおうと思ったが、いつも指名している女の子が休みだった。こう見えても夜のネオン街では〝一店一婦制〟をモットーとしているので、今回は新たな店を探す事にした。すると奇しくも滞在しているのホテルの目の前の飲食ビルに、ガー◯ズバーのキャッチのお兄さんが立っていた。料金体制を確認して5階のバーへと向かい、最初に着いてくれた女の子から女子目線のラーメン情報を聞き出した。愛想も愛嬌も良く、ラーメン好きとの事で意気投合したのでステイをお願いした。指名料を払ったのだが、どうやら人気嬢のようで、その後は違う女の子がヘルプで着くという〝指名あるある〟で時間が過ぎていった。入れ替わり立ち替わりの女の子たちに名前を聞かれる事すら疲れてしまい、3セットの終わりを待たずに店を後にした。お会計の時だけは指名した女の子が戻ってくる、これまた〝あるある〟を経験した。

やりきれない気持ちのままベッドに入ったが、翌朝には全てを忘れて爽快に目覚めた。いよいよスパコンとの対決のために試合会場へと出発した。今回の会場までは信越本線横川行きで 磯部駅までの道のりだが、途中の安中駅前で見た壮大な景色が対戦前のテンションを高めてくれた。そこには山の斜面を利用した〝段々畑〟ならぬ〝段々工場〟が異様なオーラを発している。あまりに圧巻の景色には息を呑んでしまうくらいの大迫力で、初めて見る工場に中年男子でも驚きを隠せなかった。そんな力強い景色に後押しされるように磯部駅に着いた。

改札を出ると磯部温泉の古い看板が歓迎してくれ、温泉旅館の送迎バスが待っていたりと観光地ムードが漂っている。そこからはバスで向かうのだが帰りのバスが少ない事を調べておいたので一応、駅前のタクシー会社の電話番号を控えておいた。予定通りに安中榛名駅行きのバスに乗り込んで店を目指したのだが、この磯部温泉が温泉マーク発祥の地だとは知らなかったので一つ勉強になった。10分も走ると最寄りの原市小前バス停に着き、バスを降りると目の前に黄色い看板の店があった。定刻の30分近く前の現着だったが、すでに並びがあり二番手にて外待ちベンチで待機する。

目の前が原市小学校で、お笑いコンビの〝ハライチ〟が通っていた学校なのかと思い、すぐに調べてみたが違っていた。そんな事を調べているうちにも続々と車が駐車場に入ってきて、開店前には長蛇の列となっていた。若者からお年寄りまでの幅広い客層に愛されているようだ。

定刻になると生成り色の暖簾が掛けられてオープンとなった。券売機はなく、ほぼ日替わりに近いメニュー構成なのは予習しておいたので、黒板に書かれた表題をデポジット方式で注文した。実は以前にもスパコンとの対決のためにコチラを候補にしていたのだが、当日のメニューが不得手な濃厚系だったので先送りにした経緯があるのだ。しかし今回のメニューは〝吟撰 中華そば〟と濃厚とは無縁と思われるタイトルが付けてあるので初対決を望んだのだ。

カウンター越しに店内を物色するとテーブル席もあるが、現時点ではカウンター6席だけが稼働している。天板が大理石風のカウンターには、滑り止めのマットが固定されている。数々のスープを生み出す調理場にしてはコンパクトにまとまっており、特殊な機材もない基本的な厨房設備となっている。そんな店内を本日は若い男性が、お二人で回している。そんな安定感のある落ち着いたオペレーションを眺めていると、ワンロット2杯の一巡目で我が杯が到着した。

その姿は年季の入った受け皿に乗った双喜に雷紋柄の切立丼の中で、過去と現在が融合したような景色を見せている。実に潔い表情を見ているだけで、旨みの本質が何なのかを考えさせられるようだ。その何かを確かめるべく、気持ちの赴くままにレンゲを手にした。

まずは透明感のある煉瓦色のスープをひとくち。表層には煮干し由来の水泡が無数に浮かんでおり、厚手の油膜も張り巡らされている。一見するとオイリーにも映る液面にレンゲを落としてみると、先陣を切ってくるのは魚介出汁の香りだ。特に煮干しが特攻隊長となって、鼻先から鼻腔にかけてアプローチしてくる。スープが注がれたレンゲには何かの粒子と油分が多く見られ、ザラつきや油っぽさを思わせる。口当たりと舌触りの悪さを覚悟して口に含んでみると、思いのほか油分がサラリとしている。舌触りには若干のザラつきが残るが、大量に節粉を投入したような舌触りではないので許容範囲内だ。香りは主に魚介出汁が担っているが、旨みの根底には豚ガラ由来の清湯スープが土台を築いている。昔ながらの中華そばの組み合わせたが、不自然な旨味成分に頼っていない。そこには旨みの本質が自然の方程式で成り立っていて、イノシン酸とグルタミン酸の掛け合わせの妙技を味わえる。そんな絶妙なバランスで組み立てられた出汁に合わせるカエシも、キリッと醤油が立っているがスープに輪郭を付けるだけに徹している。ハッキリとした味わいながらも過剰なアピールをしてこないスープの魅力に引き込まれた。

麺上げまでジャスト75秒の麺をスープから引き上げてみると、光り輝く中細ストレート麺が現れた。黄色みを帯びた麺肌には、キッチリと切刃の跡が残り精悍な印象を与える。器の形状が小さくスープの保有量が少ないので、器の中で癒着している麺が見られる。軽く解ける程度の癒着ではあるが、時間経過と共にグルテンが溶け出すと厄介な事になりそうだ。そうなる前に全ての麺をスープの中で泳がせて、回避してから一気にすすり上げた。すでに溶け出したグルテンが麺肌に粘着質を感じさせ、粘り気のある口当たりで入ってきた。切り出しが 26センチと長めなので、ひと息ですすり込むのは難しく何度かに分けて口の中に収める食べ方になる。どちらかと言えば滑らかさよりも、モッチリとした食感に受け取った。噛めば適度な反発力が歯切れの良さを感じさせ、飲み込む時に小麦の香りを残して胃袋に落ちていく。提供時点が私にとってはベスト麺ディションに思われたので、大方の麺を食べ進める作戦に出た。8割以上の麺を良い状態のうちに食べてから、各具材陣を楽しむ事にした。

具材のチャーシューには、部位と調理法の違う二枚が盛り付けてある。麺を食べ急いでいるうちにスープで加熱されて変色してしまったのではなく、盛り付け時から茹で麺機の湯気で温め直されている細かな仕事ぶりからの変色だ。豚肩ロースの低温調理は肉厚にカットされて表面こそ火が通っているが、噛み切った断面は適度なレア感のロゼ色を発色していた。一方の豚バラは煮豚で仕込まれていたが、脂身よりも赤身の歯応えが強く、柔らかすぎない肉々しさが味わえた。

メンマには細いタイプを採用されていて、滑らかな歯応えが持ち味となっている。しかし噛みしめる程に唐辛子の辛味が強く滲み出してきて、穏やかだった口の中を一変させる。

十字8切の海苔は見た目の黒々しさからも良質の海苔を目利きされているのが分かり、実際の印象も磯の香りが豊富で適度な口溶けの良さが素晴らしい。スープの魚介の香りと重なる事で、より海産物の風味が増してくる。

終盤に麺に戻ったが、心配された麺の軟化が進んでいて食べ応えの良さは薄れていたので早食いして正解だった。最後にスープを飲み干す段階で、メンマの辛味が舌を刺激するので穏やかな幕切れとはならなかった。多少悔いは残ったが、スパコンがオススメしてくれた事をありがたく思った。

結果的に 80点台は確実だったので、今回のスパコン対決は私の敗北となってしまった。これで通算対戦成績は37戦16勝11敗9分8KO勝ち1KO負け1没収試合となり、勝敗の差が少なくなってきた。

ここ最近は北関東勢のオススメ店に負ける事が多いのは、それだけレベルが高いという証なのだろう。今回は二日連続で対戦したので、次にスパコンがオススメしてくる店が楽しみになってきた。その店が、つけ麺専門店でない事だけを願いながら帰りのバス停へと向かう一杯となりました。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

「味玉中華そば ¥800」@中華そば つけめん まるこうの写真土曜日 晴天 14:10 先客3名 後客なし

〝ニューオープン 探検記〟

先ほどはスパコンとの因縁対決を終えた水海道駅から都内へ戻ろうと思い、関東鉄道 常総線の車中で新たな新店情報を探していた。すると先週まで挙がっていなかったコチラを見つけ、詳しくお店情報を見てみると、先日オープンしたばかりのようだ。所在地までは複数の路線を経由しないと、たどり着けないようだが初訪問を決意した。

常総線を守谷駅で降りると、つくばエキスプレスに乗り換えて南流山駅に着いた。そこから武蔵野線にて南浦和駅を経由して、さいたま新都心駅までは京浜東北線に乗車した。最後は高崎線で最寄りの吹上駅まで、計5路線を乗り継いで2時間を超える移動時間をかけてやって来た。運賃は1800円程だったが、ちょうど映画一本分の時間とお金を費やした。しかし映画にも負けないよな車窓の移り変わりを楽しめたので、大きな満足感を得て吹上駅に降り立っていた。

そこから整備された北口を出て3分も歩けば、開店祝いの花が並んだ店先が見えてきた。吹上駅前交差点そばの好立地に店を構えた店頭には、つけ麺と書かれた幟旗が風に揺れ、白提灯には中華そばと書かれてある。これを見て、つけ麺推しだけではないと安心して真新しい白い暖簾をくぐった。店内に入ると入口正面に置かれた小型券売機の中から、マイスタンダードの醤油系に味玉が入った表題を発券した。カウンターに腰を下ろし食券を手渡すと、先客方が退店したのでじっくりと店内観察をはじめる。

新店舗らしい白と木目調を活かした内装となっているが、カウンターの天板だけは居抜き物件の名残がある。年季の入った木目には味わいがあり、新店なのに落ち着いた雰囲気を醸し出している。その他にもテーブル席も設けてあり、近所の家族向けの対応も整っている。そんな明るい店内を本日はご夫妻だろうか、二人体制で切り盛りしている。休日の昼どきを終えて来客も落ち着いていたので、仕込み作業と並行しての調理風景を眺めていた。

そんな時にふと飲んだお冷が、この上なく美味しいのには驚いてしまった。よく「当店では◯◯水を使用しています」と大きく謳っているラーメン店がある中、なんの主張もしていないのに高品質の軟水を使われているあたりに店主さんの思いが伝わってきた。オープン直後は高機能の浄水器を設置しても配管工事に使われる塩ビ管や接着剤の影響で、水に不純物が含まれる事が多い。配管が落ち着くまで数ヶ月もかかると言われているが、こちらの場合は新店舗だが配管工事は手直しされていないと思われる。その事が浄水器の機能がフルに活かされているので、とにかくまろやかな水を生み出しているのだろう。この水は一飲の価値があり、この水で仕込まれたスープならばと期待が高まったところに我が杯が到着した。

着席から4分で登場した姿は、オシャレな白磁の切立丼の中で素朴な色合いを見せている。流行りの具材たちに頼らずに、シンプルで潔い表情で出迎えてくれた。唯一の不安要素であるナルトは、卓上のティッシュに忍ばせて今回も出演を辞退してもらった。これで、ビジュアル面からの危惧が取り除かれたところでレンゲを手に取った。

まずは渋さを持った胡桃色のスープをひとくち。表層には煮干し由来の水泡と、かなり厚手の香味油が浮かんで見える。初見では節粉のザラつきと油膜の油っぽさを思わせる液面にレンゲを落とし込んでみると、予想通りにレンゲをには大量の油分と節粉の粒子が張り付いてきた。ある程度の口当たりの悪さを覚悟してスープを口に含んでみると、見た目の印象と同じく清らかさとは別方向の舌触りで入ってきた。とは言え、不快な程のザラつきではないので味わってみると、最初に感じたのは酸味が主役となっている点だ。それはカエシの醤油由来の酸味もあるが、多くは血合い部分の節系特有の酸味と思われる。卓上のウンチクには書かれてないが、サバ節のような特殊な味わいが含まれている。それがウンチクにあるサンマ節由来なのだろうか、よくありそうな味わいの中にも個性的な隠し味が潜んでいる。そんなオリジナリティのある魚介出汁の土台には、鶏ガラ主体の動物系出汁が支えている。初動ではスープが熱々なので感じない他の旨味も隠れていそうに思いながらレンゲを箸に持ち替えた。

引き上げた箸先には、20センチほどで切り出しされた中細麺が現れた。ちぢれを少し見せる黄色みを帯びた麺肌が特徴をアピールしている。麺幅と麺厚のバランスから平打ちにも見える麺を一気にすすり上げると、平均的な口当たりで滑り込んできた。適度に溶け出したグルテンと香味油が潤滑油となり、麺肌のウェーブを緩和させて口の中に収まってくる。さほど口当たりを主張するタイプの麺ではなく、あくまでも穏やかに存在感を隠している。すすり心地は悪くないが、麺を吸い込む度に伴ってくるスープの酸味が鼻に付き始める。個人的に不得手なだけの酸味に、麺までも支配されてしまっていた。

具材のチャーシューには豚モモ肉と思われる赤身の部位が使用されていて、煮豚型で仕込まれている。夜の部は博多豚骨ラーメンを提供しているようで、そちらに合わせたチャーシューに思えた。火入れが強すぎたのか豚肉の赤身本来の旨みは抜けていて、パサついた舌触りが印象に残る。赤身の旨みがない反面、煮汁に利かせた生姜の香味が主役となっていた。

メンマには中太タイプが採用されていて、スープにも負けない酸味を含んでいた。強めに残した歯応えを噛みしめる度に湧いてくる、不思議な酸味が追い打ちをかけてくる。あまり味わった事のないメンマだったので印象深いが、追加トッピングする事はないと思った。

追加した味玉を噛んで割った瞬間に、残念な事に黄身が流れ出しスープを汚してしまった。黄身が固まる寸前まで熱く温め直されていたので、提供温度は申し分ないが下茹での半熟加減が強すぎたようだ。しかしながら柔らかすぎる黄身には漬けダレの浸透が進んでいたので、個人的な好みの熟成度合いの可能性を秘めている味玉だった。

薬味の白ネギの小口切りは、水にさらしたりせずに素朴な粗々しさが持ち味だ。野性味のある白ネギの辛味を、そのまま味わえる力強い薬味をアピールしていた。それに反して少量ばかり添えられた青み役も兼ねるカイワレは、いつ口に入ったのかも分からないくらいの存在感の無さだった。やはり青み役には茹でた青菜がふさわしく、手抜き感の否めないカイワレでは荷が思い。

最終的に麺は平らげたが、スープは残してしまいレンゲを置いた。最後あたりで飛び込んできた黄柚子の皮が清涼感で締めくくってくれた。

食べ終えて店を出たが、今夜も明日も予定がなく、せっかくここまで来たのでRDBの超高性能スパコンがオススメする店のある高崎エリアへと足を伸ばしてみる事にした一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

「昭和のラーメン ¥850」@拉麺 時代遅れの写真土曜日 晴天 11:10 待ちなし 後客10名

〝第36回 RDBの超高性能スーパーコンピューターが算出したオススメ店は本当に私に合うのか!〟を久しぶりに開催する。

このイベントは、RDB PC版のオススメに挙がる六店舗から、その店のイチオシではなく自分の好きそうなメニューを食べて採点し超高性能スパコンとの勝敗を決めるものである。決してお店との勝負ではないのは理解していただきたい。

採点基準は90点以上付いたなら私のKO負け、80点以上ならば判定負け、70点台なら引き分けとし60点台なら判定勝ち、59点以下の点数ならば私のKO勝ちとする。

過去34戦の対戦相手は「風雲児 」「麵屋一燈 」「煮干しつけ麺宮元 」「竹末東京プレミアム 」「さんじ 」「麺処 晴」「燦燦斗」「神田 勝本」「中華そば屋 伊藤」「麺処 ほん田」「煮干中華ソバ イチカワ」「麺屋 和利道 warito」「らーめん 芝浜」「らーめん かねかつ」「狼煙〜NOROSHI〜」「ラーメン大至」「中華ソバ 伊吹」「麺処 朧月」「Bonito Noodle RAIK」「中華蕎麦 とみ田」「陽はまたのぼる」「神田とりそば なな蓮」「ソバダイニング クアトロ」「旬麺しろ八」「MENSHO」「麺小屋 てち」「らーめん 鉢ノ葦葉本店」「らぁ麺 飛鶏」「中華そば 勝本」「◯心厨房」「家系総本山 吉村家」「自家製麺 くろ松」「麺処 いち林」「miso style となみ」「AFURI 恵比寿」と名だたる有名店や人気店が並ぶが、通算対戦成績は35戦16勝10敗8分8KO勝ち1KO負け1没収試合と、スパコンのオススメに対しては勝利が先行している状況だ。

度重なる北関東遠征が事の発端となって、スパコンが無闇やたらにオススメ店を遠くのエリアに乱発してくるのだ。地方に行っては対戦し消えたかと思えば、また同じエリアのオススメ店が挙がってくる。こんなイタチごっこを繰り返している最中に、初挑戦を望んで向かったにもかかわらず、前回は花火大会で臨休の屈辱を味わったコチラへとリベンジに向かう覚悟を決めた。

そこで昨夜は久しぶりに上野のアジトである「サウナ&カプセルホテル 北欧」に前泊してから目指すとした。すでにこの施設は過去のレビューの中で幾度となく登場しているので省略するが、とても感慨深いシーンがあった事だけを書き記しておきたい。

週末の昨晩は大浴場の全ての棚が埋まってしまう程の大盛況ぶりだが、そのサウナブームの立役者とも言えるテレビドラマ「サ道」が最終回を迎えた。ドラマ内に登場する愛すべきサウナーである〝偶然さん〟ではないが、偶然にも食事処で生ビールを楽しんでいるとスタッフさんによってチャンネルが強制的に切り替えられた。そう最終回を放送するために全テレビから「サ道」が流れた。今回のサウナは西の聖地と呼ばれる九州 熊本の「湯らっくす」が取り上げられていた。実は私の知人がドラマ制作のスタッフの一人で、ロケ終了時から湯らっくすの素晴らしさを聞いていたので楽しみにしたのだ。そんな一度は訪れてみたいサウナを観ていると、ドラマの中でもホームサウナである上野のサウナが今回も登場した。しかも主人公たちが座っている食事処のテーブルと同じ席に私が座ってビールを呑んでいるのだ。こんな奇跡を味わえる事は非常に珍しくラーメン界で例えるならば、佐野氏が打った麺を山岸さんが炊いたスープに合わせて、安藤百福さんがカップ麺にするくらいに奇跡的な光景だった。

そんなレアケースを満喫した翌朝なので爽快に目覚めると、夏の臨休のリベンジの為に身支度を整えた。上野駅前のサウナを出発すると日比谷線で北千住に向かい、つくばエキスプレスにて守谷駅に着いた。さらには関東鉄道 常総線で長閑な車窓を眺めながら、上野を出発してから1時間と少しで最寄りの水海道駅に二ヶ月ぶりに戻ってきた。前回は花火大会で盛り上がっていた駅前だが、今回は茨城ゆめ国体のハンドボール開催で賑わっている。前回が印象深かったせいか不思議と道順を覚えていて、ナビなしでも歩き始めていた。

駅前からはラルフローレンのロゴを思わせる衣料品店「ロコレディ」の前を通り、今や見る事のなくなった半鐘櫓がランドマークとなっている駅通り商店街を進んで行くと、大きな橋の袂に出てきた。そこから見た前回の景色は、店のオープンを知らせる信号機は見事に赤だった。今回も同じく赤信号だったが、まだ11時半の開店時間前だったので店先まで行ってみた。前回よりも手前の空き地が広がったように思いながら、木の壁に囲まれた要塞のような入口に着いた。

前回同様に入口は閉ざされていたが、今回は壁の向こうから昭和演歌の音が聴こえてくる。という事は、準備中のサインだろうと勝手に決め込んで壁の前で待機してみる。しかしながら本日は残暑どころか、真夏が戻ってきたような暑さで、軒先のない店先で待つのは老いた身体を蝕むようだ。真夏ならば、美意識高い系おじさんの本領を発揮するはずの日傘を、本日は持参していなかった。なので仕方なく直射日光を全身に浴びながらオープンを待っていると、予想外に定刻よりも3分早く店主さんが出てきた。「やってるよ」と書かれた立て札を掛けられたのを見て、ようやく営業日なのだと確信した。

一番手で店内に入った瞬間に、あまりにも壮大なロケーションに目を奪われてしまった。そこには納涼花火会場そのままの桟敷席が設けてあり、開放感だけで言えばラーメン店 No. 1 ロケーションなのは間違いない絶景に驚いた。券売機の有無すらも分からないままにカウンターに座ると、店主さんからは何一つ案内がないので危機管理能力をフル稼働させた。

店名や店構えからも店主さんの思いが込もってのは承知していたので、なるだけ迷惑がないように慎重に相手の出方を見る。卓上にはメニューがなく、しばし緊張感のある時間が過ぎるが店主さんは注文を聞いてこない。そこに常連客と思しき方が現れて、さっそうとカウンター上部の壁を見て注文をされた。実はメニューが頭上にあったのだ。それに気づいても慌てたそぶりも見せず淡々と注文を告げた。すると店主さんの返答はなく耳に届いたのかすらも分からなかったが、これが店主さんのスタイルなのだと飲み込んで店内を眺めてみる。

店名の「時代遅れ」が意味するように、店内には懐かしい電電公社時代の黒電話や鉄製の扇風機が活躍している。それに習って調理場内の厨房機器も最新鋭の機材が置かれているわけではないが、全ての厨房機器に店主さんのこだわりが見えた。複数の麺上げをする際に便利なテボの茹で麺機ではなく、大鍋を茹で釜として使われている。その横には常に差し湯が出来るよう専用の角鍋には、お湯がプールされている。麺の保管にも店主さんのこだわりが見られ、専用の引出し式保冷庫内でしっかりと温度管理されている。店の裏手にはチャンバー式冷蔵庫まで設置されていたりと、まるで大人のラーメン基地のような機能的な設備となっている。

カウンターの他にも小上がりや納涼席まである広い店内を、ご主人お一人で切り盛りしているので、お冷はセルフとなっている。さらには割り箸までも一ヶ所に置かれているので、お冷と共に箸を一膳用意しておく。そんな食べ手の準備が整ったと同時に、着席して5分で我が杯が到着した。

その姿は胴が朱赤で口縁にはカラフルな雷紋柄の描かれた切立丼の中で、昭和らしい哀愁のある景色を見せている。この器は八王子の人気店「ほっこり中華そば もつけ」でも使われているが、ノスタルジーを思わせるラーメンとの相性はピッタリだ。作り手の丁寧な思いが詰まった盛り付けが、食べ手の食欲をかき立ててくれる。もはやスパコンとの対決など忘れてしまいレンゲを手にしていた。

まずはスープをひとくち。調理工程の仕上げで注がれた大量の鶏油が、液面を分厚く覆い隠して神々しく輝いている。そこには油膜の粒子すら見えないくらいに厚手な鶏油に、ともすれば油っぽさを感じてしまいそうな表層にレンゲを沈めてみる。一見すると食品サンプルの蝋細工のように見える無表情な姿が、レンゲが触れた事によって動きが生まれ、豊かな表情を見せ始めた。油膜の隙間からは、鶏油とは異なる鶏由来の香りが立ち昇ってきた。下層部の鶏出汁と思われるコクのある香りと、カエシのキレがある醤油香が相まって鼻先をくすぐった。スープが注がれたレンゲの中には、否応がなしに多めの油分も含まれている。多少のオイル感を覚悟しながらレンゲを唇に当ててみると、思いのほか重たさを感じない。むしろサラリとして感じるのは鶏油を注入前に専用の小鍋で熱していたからだろうか。それを証拠に薬味の青ネギに鶏油を掛けた時に、ジュッと音を立てて煙が上がっていたのだ。そんな細かな仕事ぶりが生み出した、コクは与えるが油っぽさは加えないスープをじっくりと味わった。先頭に立つのは甘みを打ち出した旨みで、昔ながらではあるが不要な旨味も含まれている。そんな旨味に負けないようにカエシも強めに利かせてあるので、見た目以上に派手な印象を受ける。刺激的な味わいを口に残したまま、レンゲを箸に持ち替えた。

タイマーなどはセットされていなかったが、ジャスト120秒と神業でも見ているかのように麺上げされたのは中細ストレート麺だった。見事な平ザルさばきで整えられた美しい麺線から持ち上げると、黄色みのある麺肌にも鶏油がコーティングされ眩しいくらいに光り輝いている。割り箸の角でも捕らえづらい程の油膜が光沢を放つ麺を何とか捕らえた。なだらかながらも切刃のエッジが鋭く残るシャープな形状の麺を一気にすすり上げると、滑らかさと強いハリを持ち合わせた相反する口当たりで滑り込んできた。〝静と動〟〝柔と剛〟が同居した麺を噛みしめれば、適度な反発力を生んだ歯切れの良さも加わってくる。キレの良い歯応えから、にじみ出てくるような小麦の香りと甘みが好印象だ。スープには懐かさしさを感じたが、麺は今風とも思える麺を目利きされていた。口先から喉元まで潤いを感じさせながら胃袋へと落ちて行く快楽は、自然と箸のスピードを加速させた。

具材のチャーシューには豚バラの煮豚が、厚切りで三枚も盛り付けてある。盛り付け直前の切りたての拘りや、正確な同心円に巻かれた丁寧な仕事ぶりが見てとれる。また高温に熱された鶏油をかけられてあるので、適度な香ばしさが生まれている。今回は苦手な脂身が大半を占める部位だったが、少ない赤身ながらも肉厚にカットされていたので歯応えは十分だ。しっかりと食べ応えのある赤身のパサつきを、サポートするように脂身が潤いを与えてくれる。今回ばかりは、苦手な脂身の献身的な補助役を認めざるを得ないバランスの良さだった。

細メンマには唐辛子の辛味を利かせた味わいが、特別なアクセントとなって主張してくる。今回は終盤にメンマを食べたので被害は少なかったが、前半だと味覚を支配するくらいの強い辛味を感じた。ビールのつまみとしては最適そうだが、ラーメンの中では刺激が強いすぎた。

今回もナルトは初めから除外しておいたので口にする事はなかった。

中盤からも順調に食べ進んできたが、スープは飲み干さずにレンゲを置いてしまった。後会計方式なので店主さんの調理のタイミングを見計らって支払いを済ませて席を立った。その頃にはテラス席を含め、多くの客で席が埋まっていた。お一人で切り盛りする店主さんのマイペースぶりは変わらずで、独特の空気感が支配している。ラーメンだけでなく、そんな特異なオーラを感じたくて通いたくなるのが分かる気がした。

今回のスパコンとの対戦は 70点台だったので引き分けで幕を閉じた。これで通算対戦成績は36戦16勝10敗9分8KO勝ち1KO負け1没収試合となり、わずかだが勝ち星がリードしている。まだまだ北関東エリアにオススメ店が挙がっているので、もうひと勝負を今回の遠征でしてみると決意を固めた一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件