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のらのら

男性 - 東京都

はじめまして。レビュー開始から一年が経ち、二年目の目標を全国制覇にしました。一杯のラーメンに出会うまでの経緯も書き記しているので、前置き等が長くなりがちですがお許しください。しかし採点に関しては立地 接客 衛生面 価格設定などは考慮せずに、ラーメン一杯に対しての評価にしています。自分の好みだけで評価しているので不快な文面もあると思いますが、何卒宜しくお願いします。

平均点 73.111点
最終レビュー日 2019年10月20日
664 555 14 2,125
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「濃厚蟹みそらーめん ¥880+味玉 ¥100」@濃厚蟹みそラーメン 石黒商店の写真平日 曇天 12:15 店内満席 先待ち2名 後客1名

〝ニューオープン 探検記〟

昨晩も最近のアジトとして活躍してくれている駒込のサウナ上がりに RDBを見ていると、新たな情報が挙がっていた。そこで初詣に参るために移動ルート諸々の計画を立てた。

駒込のサウナ「カプセル & サウナ ロスコ」は水風呂を含め、料理や飲料水にも地下より汲み上げた天然水を使用している。なので朝食に付く味噌汁が抜群に美味しいので、ついつい朝サウナ後に朝定食を食べてしまうのだ。本来ならば神保町でオープンした新店には、開店前の現着を目指すところだが、朝メシを食べたせいでスタートが出遅れて正午前の出発となってしまった。

このまま予定通りに神保町に着くとランチタイムのピークに遭遇してしまうので、ある程度の行列を覚悟して店へと向かった。駒込駅から巣鴨を経由して都営三田線に乗車して神保町駅に着くと、白山通りを後楽園方向へと歩いていく。

さすがに平日なので学生やサラリーマンで賑わっている大通り沿いにある、神保町名物となっている食べ放題の焼肉屋の大行列と、焼きそば屋の大行列の間の路地に佇む店先があった。知っていても通り過ぎてしまうような路地なので、開店祝いの花が並んでなければ見過ごしていたかもしれない。

昼時の真っ最中の現着となったが、心配された並びも少なく三番手で待機となった。多くの花の中には修行先と思われる有名味噌ラーメン店や、遠くは札幌からのお祝いも届いていた。やはり蟹を打ち出したメニューなので、北海道と縁があるのだろう。

店先にも蟹の匂いが漏れてきて食欲を刺激するが、大通りのイチョウ並木の銀杏が踏みつぶされた独特の臭いと重なって不快な臭いとなっている。早く季節が変わり、純粋な蟹の匂いだけを嗅ぎながら行列に並びたいものだ。

タイミングが良かったのか、店内から続々と先客陣が出てきて入店となった。先に食券の購入を案内されていたので、入口右手の券売機にて発券して回収されている。大きく〝蟹〟と書かれた、白のれんをくぐってカウンターに陣取った。

客層のほとんどが若い男性サラリーマンが占めているL字カウンター越しに店内を見渡すと、居抜き物件のような味わいが見られる。厨房設備こそ新しさがあるが、カウンターなどの設えは以前の飲食店の名残りがある。そんな店内を本日はオープン2日目という事で、万全の四人体制で回している。その内の、お二人が主に調理を担当していて本来ならばツーオペくらいが適当な客席数だろう。まだオープン直後で認知度が低いのか、私の来店後は昼時なのに客足が途絶えがちだ。なので私だけのロットで仕上がった我が杯が到着した。

その姿は屋号の書かれた赤色の高台丼の中で「これでもか!」と言わんばかりの盛りだくさんを見せつける。器を含めた、色とりどりの派手なビジュアルが印象的に映る。自称〝ラーメン保守党 清湯醤油大臣〟の肩書きを持つ私には、強い圧力を押し付けてくるガッツリ改革党の一員に見えた。そんな第一印象を受けながら、黒のレンゲを手にした。

まずはスープをひとくち。表層には多くの具材陣が盛り付けられているのでスープの本性が分かりづらいが、押し込むようにしてレンゲの中にスープを注ぎ込んだ。すると液体よりも油分の方が多く入ってきて、レンゲの中の半分近くを油膜が覆い尽くした。それだけ多くの香味油が使われているのだと推測する。確かに厨房内のガス台では、本日分と翌日分と思われる二台の中型寸胴鍋でスープが炊かれている。それよりも大きな寸胴鍋の中では大量の香味油を仕込んでいるので、それがスープに使われているのだろう。ひとまずはレンゲに注がれたままのスープを口にしてみると、灼熱の香味油が唇を襲ってくる。油分としてはサラリとしているが、凝縮された蟹のエキスを強く感じた。商品名の〝蟹みそ〟ではなく〝蟹の甲羅焼き〟のような甲殻類特有の香ばしさが先行するので、蟹の殻で抽出した蟹油と思われる。その油分を取り除けば、初めて蟹味噌の風味を持ったスープが顔を出した。土台となっているのは豚骨主体と思われる動物系の白濁スープで、寸胴鍋の中では蟹由来の赤い水泡が沸き立って見られた。濃厚というよりはオイリーといったスープに合わせる味噌は、油分の甘みに負けないように強めの塩分が潜んでいそうだ。全ての配合バランスは、麺のためにあると信じてレンゲを箸に持ち替えた。

麺上げまで170秒前後の中太ちぢれ麺はをスープの中から引き上げると、麺幅と麺厚のバランスから平打ち麺のようにも見える。18センチ程度に切り出しされた麺には、独特の黄色みのある麺肌を持っている。腕っぷしの強そうな麺を一気にすすり上げると、ちぢれ具合と麺の短さが生み出す口当たりが心地良い。ややハードに唇を刺激しながら飛び込んできた麺は、口の中でハリの強さをアピールする。暴れん坊なゴワつきを主張し続ける強麺を抑え込むように噛みつぶすと、モッチリとした歯切れの良さで答えてくれる。茹で麺機の横には太麺を得意とする浅草の製麺所の麺箱が積まれているので、北海道を思わせるスープと、東京屈指の太麺が見事にタッグを組んでいる。ストロングスタイル同士のスープと麺の組み合わせで、より最強タッグを目指して、激戦区である神田神保町に殴り込んできたようである。この強麺ならば時間が経ってもダレる心配はなさそうなので、豊富な具材たちを味わっていく。

具材のチャーシューには豚バラ肉の巻き煮豚が厚切りで盛り付けてあり、小ぶりながらも見た目の存在感は十分ある。箸で掴んでも崩れるような軟弱なタイプではなく、ずっしりとした重量級のチャーシューだ。味付けは煮汁の醤油感が立った仕上げとなっており、赤身と脂身のバランスが良い食べ応えを味わえる。

見た目には、まばらな染み方の浸透具合が心配になる味玉だ。いざ食べてみると、しっかりと温め直されているので熱いスープの中でも違和感なく味わえる。かなり小玉の卵で仕込まれているが、オレンジ色の黄身が熟成した旨みを放っている。見た目の心配をよそに、追加して良かったと思える味玉だった。

味噌ラーメンと相性の良いモヤシも茹で置きせずに、麺上げ作業と同時にモヤシを茹でていた。さすがに茹でたてなのでシャキッとした歯応えが残っており、食感でのサポートを見事にこなしていた。

これまた相性の良さは抜群である粒コーンが、強気なスープの塩気の中で自然な甘みで安らぎを与えてくれた。

大量に添えられた岩海苔は質の良さは香りや口溶けから分かったが、個人的には半分以下も入っていれば十分だったかと。終盤になると海苔の品質が良いだけに、海苔の印象しか残らないようになっていた。

薬味の赤タマネギとカイワレは彩り要員の役目が強く、味わいの点では貢献度は低かった。ただ赤タマネギの手切りの食感の良さは素晴らしかった。

最終的には岩海苔が液面を覆い尽くしたスープには手を付けずに、レンゲを置いてしまった。食べ終えて席を立ったのは 12時半すぎだったが、店内にはスタッフよりも少ない客数だけとなっていた。これから冬場を迎え、味噌ラーメンが恋しい季節がやって来る。その頃には通りの二大行列にも負けないような人気店になっている事を願いながら店を後にした一杯でした。

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「みそラーメン ¥700」@山道家の写真平日 晴天 11:00 先客なし 後客4名

〝ニューオープン 探検記〟

店の前に立った時に何よりも驚いたのが、店名が「山家道」ではなく「山道家」だった事である。

ここまでの経緯を時系列で記していくので、前半が長くなる事をご了承いただきたい。

先日から神奈川県内での新店めぐりを行ない、江ノ島で新たな一杯との出会いを果たして (実際には二杯) 大満足で江ノ島駅を後にした。まだ午後2時すぎだったが、神奈川遠征での目的の一つでもあった平塚のサウナへと向かった。

レトロな風情あふれる江ノ島駅からは、引退間際の旧型車両が新型車両に牽引されて走っていた。これが私の生活と重なって見えてしまった。さえない中年男がピチピチの若いキ◯バ嬢に、アフターで連れ回されてるような光景に映った。そんな人生の縮図を見るような江ノ電に乗って藤沢駅までやって来た。さらに東海道線に乗り継ぐと、あっと言う間に平塚駅に着いた。そこからは西改札口を抜けると、徒歩2分で目的地の「太古の湯 グリーンサウナ」の看板が見えてきた。サウナーの間では他にはない変わったサウナがあるので有名なのだが、初めて訪れる私はベテランの地元勢の迷惑にならないように気を引き締めて門をくぐった。

特にカプセルホテルや予約が必要な個室がある訳ではないので、日帰り入浴で入っておいて泊まるならば大部屋の好きな所で寝て、翌朝に宿泊料を支払えば良いシステムのようだ。私は早めに風呂を浴びたら神奈川県内ではエグいと評判を聞いていた、平塚の夜のネオン街へと繰り出す作戦だったのだが、途中外出は不可なので仕方なく平塚ナイトを諦めた。そうなれば時間は持て余す程あるので、余計な欲を忘れてサウナライフに集中するとした。

まずは全身を洗って身を清めてからドライサウナに入った。広いサウナ室内には様々な温度帯が楽しめるように、ひな壇が複雑な形で造られている。その中でも最も高温になるサウナストーブの近くの最上段が空いていたので、新参者ながら座らせてもらった。サウナ内のテレビでは秋の G I 開幕を告げる、スプリンターズステークスが放映されている。私も〝ラ活〟を始める前は〝馬活〟に心血を注いでいた時期もあったが、最近は熱も冷めて、クラシック三冠と年末の有馬記念を買う程度の競馬ファンになってしまった。今でも酔っ払うと、第110回 天皇賞での帯札を何束も手にした時の事を、若い競馬ファンに自慢する悪いクセが出てしまう。圧倒的1番人気だった春の天皇賞と宝塚記念を制した名馬ビワハヤヒデを外して、ネーハイシーザーとセキテイリューオーを軸にして買った馬連馬券が見事的中。当時は三連単の発売がなかったので、このレースでの最高配当額を手に入れた。そんな懐かしいレース回顧をしながら、10分ばかりサウナにいたのだが汗が出てこない。確かに熱源近くの最上段なのに全く熱くなく、一向に発汗作用が表れない。休日の午後なので入浴客が多く、扉の開閉回数も必然的に多くなっているのが原因だろうか。

15分経っても薄っすらと汗ばんできた程度なので、一度リセットするために水風呂に入った。ここの水風呂は井戸水を汲み上げているらしいが、飲用ではないので薄茶色に濁っている。ここらでラーメンに関する記述も入れておこう。この水風呂は、ちょうど白醤油を使った淡い清湯醤油系のスープと同じ色合いだ。

水風呂で冷え切った身体を、このサウナの名物のひとつでもある外気浴で平常を取り戻す。屋上の露天風呂の広場には多くのビーチチェアが置かれてあり、一糸まとわぬ中年男性が寝転がって青空を遠くに見ている。ドライサウナには満たされなかったが、この外気浴だけで〝ととのい〟そうになった。まだ本日のメインイベントを楽しんでもないうちに、ととのってしまっては勿体ないと思い直して正気を取り戻した。

いよいよ待望の〝テントサウナ〟を初体験するために順番を待った。こちらのテントサウナは、三人ほどが入れるスペースがある小型のキャンプ用テントよりも小さいくらいの大きさだ。テントの中には薪で灼かれたサウナストーブが置いてあり、一酸化中毒を防ぐ煙突も備えてある。中にはセルフロウリュ用の水と、ヒシャクが置いてあり自身で温度や蒸気の調節が可能なのだ。前の客たちが熱さに耐えきれなくなって出てくるのを待って、ようやく私の順番が回ってきた。どうやら誰も入らないようで、贅沢にも私ひとり貸切状態での初体験が始まった。

入口の前に置かれた〝ヴィヒタ〟と呼ばれる白樺の若葉の小枝を束ねたものに、たっぷりと水分を含ませてからテント内に入った。室内は二段式のベンチが置かれてあるが、迷わずに上段に腰を下ろすと入口のシートが、見張りのスタッフさんによって閉ざされた。この見張りのスタッフさんが重要で、先客も限界になった時点でテントの透明な部分を叩いて入口を開けてもらっていた。まさに門番と言うべき見知らぬ、オジサンに命を預けた。

入ったばかりのテント内は薪釜の直接的な熱さはあるが、さほど高温といった感じではない。ここでいよいよ楽しみのセルフロウリュを試してみたが、とんでもない熱さに襲われた。外の注意書きには「すごく熱くなるので、少しずつ水をかけて下さい」とあったので、とりあえずはヒシャク一杯分の水を慎重に灼けたサウナストーブに掛けてみた。すると一気に蒸気が発生し、テント内が灼熱地獄に豹変した。上段に座っていた私の顔あたりは尋常じゃないくらいの熱波が渦巻いており息すらできない。思わず門番に助けを求めそうになったが、テントに入って1分も経っていない。あまりの情けなさが恥ずかしいが、命の危険に及ぶ状況だ。思わず頭を下げると、わずかに呼吸ができる温度帯の層を見つけた。その空気の層を崩さないように、じっと身構えていると何とか熱さが落ち着いてきて命拾いした。しかし身体を叩いて血行増進するために持ち込んだヴィヒタを振り回すと、せっかく落ち着いた熱の層が乱れるのが恐ろしくて使う事は出来なかった。

滞在時間は5分くらいだったかもしれないが、命からがら貴重な体験ができた。そのまま水風呂に向かうのではなく、汗を流すために通常ならばシャワーを浴びるのがマナーだが、ここならではの汗の流し方があるのだ。その名も〝ガッシングシャワー〟と呼ばれる水浴び装置だ。簡単に言えば昔のクイズ番組で不正解だった時に、頭上から大量の水が落ちてくる古典的な罰ゲームと同じだ。ただ違うのは頭上の水が入った桶を、自らの覚悟でロープを引くという点だ。もはや地元のベテラン勢は誰一人ロープを引く者はおらず、私のようなビジターだけが楽しんでいる装置だ。私も初めは恥ずかしく思ったが、テントサウナの熱さで思考が鈍っていたせいで、ためらう事なく頭から水をかぶっていた。

まだまだ〝太古の湯〟の由来や食事処の楽しみなど書き足りない気持ちではあるが、ラーメンレビューよりも長くなるといけないので、話を本日の出発地点まで戻すとする。

今朝は横浜市西区にオープンしたばかりの、こちらを目指して平塚のサウナを午前9時半に出発した。昨晩はサウナ上がりに生ビールを飲みながらRDBをツマミにして新店情報を見ていると、不思議な店名の新店を見つけた。お店情報では「山家道」と書かれていたが、読み方は「やまえみち」と意味不明な点が多かった。しかし私の後世のライフワークである〝ラ道〟〝サ道〟〝キャ道〟にも通じる何かを〝山家道〟にも感じたので初訪問を決めたのだった。

平塚駅から東海道線で横浜駅を経由して横浜市営バス 68系統 滝頭行きに乗車すると、15分ほどで最寄りの浜松町バス停に着いた。ナビの指示通りを道路を渡ると、順調に店先の看板が目に入ってきた。ここまでは予定通りだったのだが、その大きな看板の文字を見て、足が止まり、自分の目を疑い、全身の毛穴から冷や汗が噴き出した。

これが冒頭のシーンで、あまりの驚きに前置きが長くなってしまった事をお詫びしたい。

つい先日も相模原の新店「びんびん亭」を訪ねてみると実際には「一陽来福・びんびん亭」だったりと、店舗名が違うのは新店舗では珍しくないのかもしれない。しかし「山道家」が正式名称ならば、苦手ジャンルの〝家系〟を避けて訪問を見送ったはずだった。意気消沈して店頭まで近寄って、看板をよく見直してみると、そこには〝味噌ラーメン〟と冠が書かれてあった。店名に〝家〟の文字が入っているが〝横浜家系〟ではないようだ。この1分間で感情の紆余曲折を経た結果、味噌ラーメンならばと再び初訪問への意欲が湧いてきた。

定刻の11時ちょうどの現着と同時にオープンとなった。店先には開店記念のチラシが置かれてあり、生ビール一杯無料との大サービスが行われていたが、ビールにつられてレビューに忖度があってはならないと思いチラシを手に取らずに店内に入った。

店頭にはチラシの他にも開店祝いの花や幟旗が揺れて新店オープンをアピールしている。店内に入ると入口左手に設置された券売機から筆頭を飾っている味噌ラーメンのボタンを押して、黒い板張りのカウンター席に座り店内を物色してみる。

トータル的にも黒を基調とした落ち着いた内装で、カウンターの他にもテーブル席も多く設けてある。厨房内には味噌ラーメンを象徴する中華レンジと中華鍋が、堂々とセンターに陣取っている。味噌ラーメンの命でもある〝味噌玉〟を寝かせるための、ポリ容器も数多く準備されている。そんな〝味噌愛〟を感じさせる店内を、本日は三人体制で回している。調理場の要である鍋振りと麺上げを担うのが、店主さんだと思うが随分とお若く見える。若いながらも落ち着いた調理工程を眺めていると、着席して5分の第1ロットにて我が杯が到着した。

その姿は黒釉薬の高台丼の中で、味噌系としてはサッパリとした顔立ちに見えた。ひと昔前ならば醤油顔と呼ばれるくらいに端正な男前だ。それは全体的に油っぽさを感じない点や、盛り付けにも丁寧さや慎重さが表れているからだろう。今年の夏に札幌の「彩未」で感銘を受けた味噌ラーメンだけにハードルは上がっている中、期待を込めて黒いレンゲを手にした。

まずは柑子色のスープをひとくち。 味噌系としては油膜は薄いが、それでも液面には密度の濃いラード油が浮かんでいる。調理手順を見ていると札幌系味噌ラーメンとは作り方が違ったので、炒めた野菜や挽き肉などの香りは立っていない。そんな初対面では穏やかな印象のスープにレンゲを沈めると、油膜の隙間を縫って上がってきたのは慣れ親しんだ味噌の香りだった。そこには鍋肌で味噌を焦がしたり、ナッツを煎ったような個性的な味噌玉の香りではなく、あくまでも日常的に口にしている味噌汁のような優しい香りだ。見た目と香りの穏やかさが一致すると、不思議と安心感が生まれてきたままにスープを口に含んだ。すると豚骨由来の動物系出汁が土台となって、芳醇でありながら清らかさのある味噌の旨みが上積みされている。唇に張り付く濃厚な動物性コラーゲンを感じながらも、澄み渡った清流のような透明感もある。舌触りの中に味噌粒や、おろし生姜のザラつきを全く感じさせないスムーズなイントロだ。そんな中に、わずかながらカプサイシン系の刺激を舌先に感じた。表立った辛味ではないが、唐辛子による高揚感は間違いなく潜んでいる。そんな影に隠れたスパイスの存在に、知らず知らずのうちに食欲をあおられてレンゲを箸に持ち替えた。

タイマー音は110秒で鳴っていたが、実際には130秒で麺上げされた麺を引き上げてみる。その箸先には、黄色みと透明感を持ち合わせた中細ちぢれ麺が現れた。厨房内には関東に拠点を置く、味噌ラーメン御用達の製麺所の麺箱が積まれていた。味噌ラーメンを熟知した製麺所の麺だけに熱いスープの中でも、すすりやすいように20センチ程度に切り出しされている。そんな短めの麺を、熱さやスープの飛散を気にせずに一気にすすり上げると、唇には強靭な口当たりを感じさせながら力強く滑り込んできた。さすがに計算し尽くされた麺の短さで、ひとすすりで納まる機敏な心地良さを生み出している。そんな強気ながらも軽快さのある麺を噛みつぶしてみると、若干のゴワついた舌触りを感じてしまう。しかし、その後でグルテンが生み出した粘り気のあるモッチリとした独特の歯応えが待ち構えているので、変化に富んだ食べ甲斐がある。口の中には小麦と味噌の〝香り〟が広がり、舌の上には小麦と味噌の〝甘み〟が残る。自家製スープと外注麺の相性も良く、店主さんの麺の目利きが活かされている。

具材のチャーシューは直前まで、オープン内の角皿に乗せられて焼き目を付けられていた。一番客だったので、幸運にも焼きたてのチャーシューが盛り付けられた。豚バラの巻き型だったが、焼きすぎにも見える焦げ目が付けてあり香ばしさを演出する。実際にも赤身の水分が飛んで硬い食感とはなっているが、結果として旨みは凝縮されているので良し悪しを問えない仕上がりとなっいる。

基本で入っていた S玉程度の小さな卵は、半熟ゆで卵としては満点の出来で、味玉ならば及第点にも届かない仕上がりだった。券売機やメニューの表記を確認しておらず、どちらか分からないので今回は、中間点に位置づけして評価した。

味噌ラーメンには欠かせないモヤシも麺上げのタイミングに合わせてテボの中で茹でられ、茹で置きしないポリシーが好印象だ。中華鍋で〝あおり〟をしない手法に見えたので、ラードがコーティングされておらず、香ばしさやオイリーな食感はない。茹でモヤシなので、強いシャキシャキ感よりも柔らかめでクセのない口当たりを表現している。もちろんモヤシ特有の不快なアンモニア臭が無いのも、鮮度の良さと茹でたての証と思われる。

薬味の白ネギにも丁寧な仕事ぶりが表れていた。剛毛タイプの白髪ねぎだが、食材の無駄がないように葉先の緑の部分も使われている。見た目の良さも考えて色のコントラストが出るように、敢えて混ぜずに天高く盛り付けてある。しっかりと水にさらしてあるので切り口の潤いは保たれ、それでいて辛みは抜けていない。そんな白ネギ特有の刺激のある辛みが、味噌の甘みと競り合いながら主張をしてくる。いかにも大人の薬味と言った感じの白髪ねぎだ。

十字4切の大判な海苔が二枚も添えてあったが、ここには〝横浜家系〟の特徴と重なるものがある。新店オープン直後でも海苔の香りが乏しいのは、海苔本来の質の低さが原因だろうか。年齢のせいか、量より質を求めてしまうようになったので、半分の一枚に減らしても良質の海苔を欲してしまう。

中盤からも麺の食べ心地に誘導されて食べ進んできたが、スープ単体で飲み干せるほど優しい終盤とはならなかった。スープの中に不要な旨味を感じ始め、唐辛子系の辛みが舌に蓄積され疲れを感じてしまい箸とレンゲを置いた。

店名の由来は、誰かのインタビュー記事を待つ事にして謎を残したまま席を立った。その頃には近所の方たちがチラシ片手にやって来て、うわやましくも無料の生ビールを昼間から楽しんでいた。グラス一杯あたり 200円近い原価の生ビールサービスの集客効果が、キャンペーン期間が終わった後も続いて、いち早く地元に根付いてくれる事を願う一杯でした。

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「ラーメン ¥800+味玉 ¥110」@麺や 蒼 AOIの写真平日 晴天 17:15 待ちなし 後待ち15名以上

〝麺遊空間いばらき 三泊四日ラーメンめぐり〟

今回の茨城遠征を終わりにしようと訪れてきた下妻でのラーメンを食べ終えると、土浦駅へと帰るバスに乗るためにショッピングモール前にある最寄りの比毛バス停にやって来た。

運行本数の少ない時刻表を見ると土浦駅行きのバスまでは1時間ほどあったので、ショッピングモールのカフェにでも行って時間を過ごそうと思っていたのだ。もう一度バスの時刻を確認すると、つくば駅へと向かう便が同じバス停から出ている事に気付いた。しかも10分後に通過すると知っては、良からぬ虫が騒ぎ出した。

思い返せば、茨城遠征の初日にバスを乗り間違えなければ当日はつくばに泊まっていたはずなのだ。そうなれば必然的に人生初のつくばナイトを楽しんでいたに違いないと思うと、どうしてもやり残してしまった気持ちが込み上げてきた。しかも背後には筑波山が後押しするようにそびえ立っているので、もう一日だけ連泊しようと思い立ったのだ。

そうと決まれば直ぐに到着したバスに乗り込んで、つくば駅へと三日ぶりに向かった。何度もお世話になっている茨城交通バスに揺られること50分ほどで、つくばセンターバス停に戻ってきた。車中で今夜のホテルをネット予約をしておいてので、ひとまずは駅から少し離れた公園脇のホテルにチェックインを済ませた。

残念ながら大浴場もサウナもないホテルだったので、手狭なシャワーで汗を流すとソファに腰をかけてRDBを開いてみる。初日に4軒ばかり回ったくらいでは、つくばラーメンのひと握りしか楽しめていない事を実感する。それ程に人気店がそろうエリアだけに今夜の候補を絞るのにも難航したが、思わぬ近場にあったのがコチラなのだ。

お店情報では夜の部開始が17時半との事なので、それまでの時間をホテルのベッドに横たわりながら旅の疲れを取る事にした。1時間ほど休んでからホテルを出発すると、公園の向こう側にあるコチラへは3分もかからずに着いてしまった。定刻の15分前の現着となったが並びは発生しておらず、外待ちベンチの一番手をキープしてオープンの時を待った。

目の前には、みどり豊かな公園が見える絶景のロケーションの中にある。定刻の5分前になる頃には次々と後列が増え始めて、あった言う間に長蛇の列となっていた。夏休み中ではあるはずなのだが、近隣の大学生が行列の中心である。つくばの大学生は夏休みを返上して勉学に勤しんでいるのだろうと、日本の将来が明るく見えてきた。行列の最高年齢者が先頭に並んでいるという、不思議な構図の中で待っていると定刻通りにオープンとなった。

店内を覆い隠していたロールスクリーンが上げられ、真っ白な暖簾が掛けられると店内に入った。入口正面の券売機から本日のお題を決めるのだが、予備知識では味噌ラーメン店との情報は得ていた。しかし券売機の筆頭に掲げられているボタンには「ラーメン」とだけ書かれてあり、それが基本の味噌ラーメンなのかは確信が持てないままにボタンを押していた。下部にあった味玉だけを追加発券して、ホールの女性スタッフさんの誘導でカウンターの一番奥の席に腰を下ろした。

そこから店内を見渡すと、完全に厨房が独立したレイアウトになっているので調理工程は見られないのが残念だ。しかし厨房内からは味噌ラーメンの真骨頂とも言える中華鍋を振る音や匂いが届いてきて、美味い味噌ラーメンへの期待感を向上させる。多分ではあるが本日は四人体制で回していると思われ、テーブル席もある広い客席の割には少数精鋭で営まれている。基本的に黒でまとめられた店内の私が座っているカウンターの目の前には多くのムエタイ王者のサイン色紙が飾られている。その横の本棚には、今は飾られてない〝ラー◯ン官僚〟のサイン色紙が悲しく置いてあった。初訪問なので店のルールが分からずにセルフのお冷を汲み忘れてしまったので、入口の券売機の横まで戻って水を調達してきた。

厨房では調理が進んでいるのは分かるのだが、着席して10分経ってもまだ配膳されてこない。15分を過ぎても依然として変わらぬまま待っていると、20分の少し手前になってようやく我が杯が到着したのだ。するとそこからは、長いカウンターに座る10名分のラーメンや、つけ麺が一気に配膳されたのだ。つまりはワンロット10杯という事で、提供までに時間がかかったのも納得できた。しかしこのパターンの多くは麺ディションが心配される事があり、今まで何度も苦渋を舐めてきたので、今回はそうでない事を願いながらレンゲを手にとった。

黒釉薬の片口の器の中には、淡い茶系のグラデーションが目を引く景色が印象に残る。表層にはラー油がマープル模様を描くように浮遊しており、苦手な魚粉の山も見られる。なるだけ魚粉を崩さないようにスープにレンゲを沈めてみると、粘着質が指先から伝わってきた。ある程度の濃厚スープを覚悟して口に含んでみると、ピリッとしたラー油の唐辛子の辛味が先行してくる。その奥には動物系スープが乳化したクリーミーな舌触りを感じ、とても滑らかな口当たりがラー油の辛さを打ち消した。初見では味噌を押し出した感じはせず、ふくよかな甘みが中心となったスープと思えた。豚骨魚介によくあるザラつきもなく、塩気の強さも抑えてあるので親しみやすい仕上がりを見せる。

続いてワンロット10杯の大量生産から懸念された麺を箸で持ち上げてみると、平打ちタイプの太麺が現れた。勝手なイメージで味噌系スープの中から現れるのは黄色い中太ちぢれ麺だと思い込んでいたので、あまり見かけない組み合わせに正直言って驚いてしまった。そんな平打ち麺なのだが箸先の段階から心配事が的中してしまっていた。それは麺が癒着してしまっている点で、すする前から箸先でもたついている。そんな粘りを見せる麺肌から溶け出したグルテンをスープで洗い流すようにしてからすすり上げると、柔らかな口当たりで飛び込んでくる。これが基本の茹で加減なのだろうが、私にはとても柔らかすぎる食感だった。唇には粘りを残して、口の中ではもたついている。ハリやコシのない大人しすぎる食感には、物足りなさと寂しさを感じた。噛んでも奥歯を押し返すようなグルテンの弾力は全くなく、伸びきったきしめんを食べているようで残念だった。これ以上の麺の劣化が心配だったので具材に移行せずに麺から先に食べて進めたが、中盤以降はさらに食べ応えのない麺となってしまっていた。

具材のチャーシューは豚バラの煮豚型が厚切りで盛り付けてあるが、箸ではつかめないくらいに柔らかく煮込まれている。とろけるような脂身の甘みが持ち味だが、油っぽさやクドさがないのは豚肉本来の質の良さもあり尚且つ下処理の丁寧な仕事が活きているからだろう。味付けも特別な個性を表現する訳ではなく薄味仕立てなのも素晴らしい。アンチとろけるチャーシュー派の私でも美味いと思える絶品チャーシューだった。

追加した味玉の熟成感は一朝一夕では成し得ない仕上がりとなっている。完全にゲル化した黄身がネットリと舌にまとわりつくような食感は、じっくりと浸透圧で水分が抜けた味玉だけに許される特権である。しかしそんな味わい深い味玉なのに冷蔵庫の冷たさが残ってしまっていた。ハッキリと冷たさを感じるので、十分に熟成の持ち味を楽しめなかった気がしてならない。せめて常温であればと好みを望んでしまった。

板メンマは細身のタイプが添えてあり、軽やかな歯切れの良さが心地よくアクセントになっていた。

中盤になると魚粉の山も崩れてしまいスープに溶け込んでしまったが、塩気よりも旨みや甘みを強く感じる魚粉による味変だった。ややザラついた口当たりのスープになってしまったのは否めないが、毛嫌いしていたほどの悪い印象は残さなかった。

炒め野菜の玉ねぎやモヤシの甘みと食感がラーメン全体を引き締めていて、物足りない麺の食感をいくらかはサポートしてくれた。ニラが数本だけ入っていたが印象は薄い。

最終的には麺を食べ切る事が出来ずに箸を置いてしまったが、きっと今回の麺はベストではないと信じたい。やはりワンロット10杯が影響している気がしてならずに席を立った。

店を出る時にも中待ちだけでなく外待ちベンチも行列で埋まっていたので、つくばエリアはおろか茨城県内での人気の高さも実感した。公園を挟んだホテルに戻ると早速つくばの夜情報を調べてみたが、やはり学園都市だけに絶対数の少ない中にもお目当ての店を見つける事が出来た一杯でした。

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「みそラーメン ¥800+味付け玉子 ¥100」@miso style となみの写真日曜日 雨天 14:05 先客6名 のちスープ切れにて閉店

〝第34回 RDBの超高性能スーパーコンピューターが算出したオススメ店は本当に私に合うのか!〟を開催する。

このイベントは、RDB PC版のオススメに挙がる六店舗から、その店のイチオシではなく、自分の好きそうなメニューを食べて採点し超高性能スパコンとの勝敗を決めるものである。決してお店との勝負ではないのは理解していただきたい。

採点基準は90点以上付いたなら私のKO負け、80点以上ならば判定負け、70点台なら引き分けとし60点台なら判定勝ち、59点以下の点数ならば私のKO勝ちとする。

過去33戦の対戦相手は「風雲児 」「麵屋一燈 」「煮干しつけ麺宮元 」「竹末東京プレミアム 」「さんじ 」「麺処 晴」「燦燦斗」「神田 勝本」「中華そば屋 伊藤」「麺処 ほん田」「煮干中華ソバ イチカワ」「麺屋 和利道 warito」「らーめん 芝浜」「らーめん かねかつ」「狼煙〜NOROSHI〜」「ラーメン大至」「中華ソバ 伊吹」「麺処 朧月」「Bonito Noodle RAIK」「中華蕎麦 とみ田」「陽はまたのぼる」「神田とりそば なな蓮」「ソバダイニング クアトロ」「旬麺しろ八」「MENSHO」「麺小屋 てち」「らーめん 鉢ノ葦葉本店」「らぁ麺 飛鶏」「中華そば 勝本」「◯心厨房」「家系総本山 吉村家」「自家製麺 くろ松」「麺処 いち林」と名だたる有名店や人気店が並ぶが、通算対戦成績は33戦14勝10敗8分7KO勝ち1KO負け1没収試合と、先日の高崎遠征では悔しくも連戦連敗を喫したしまった。しかしスパコンのオススメの精度が上がってきた事には嬉しくも思い複雑な心境なのだ。

そこで本日は茨城県内の新店パトロールの合間を縫っての開催となった。茨城県内の連食と言っても車を持たない歩兵民の私には一度埼玉県を経由しなければ辿り着けない連食計画を立ててしまったので、その道中に寄り道をしてスパコンと対決しようと決めたのだ。

午前中の一食目を食べ終えた店からバスを含む三路線を乗り継ぎながら、1時間半もかけて最寄りの西浦和駅までやって来た。しかしスパコン対決するほど万全な胃袋の状態ではないので、ひとまずは駅前でコーヒーでも飲みながら時間が経過するのを待った。午後2時を過ぎると胃袋に余裕が出来たので対戦会場へと向かう事にした。西浦和駅からは至近距離ですぐに目的地のあるビルが見えてきて、角を曲がる前からすでに良い匂いが漂ってきた。逸る気持ちを落ち着かせて角を曲がって店先を見ると、スープ切れによる早じまいの貼り紙が出ていたのだ。店内ではまだラーメンを食べている客も多くいるので、わずかな時間差で間に合わなかったのだろう。コーヒーなんか飲んでる場合じゃなかったと、悔やんでみても仕方なく店を去った。

ここまでは昨日の経緯で、ここからが再チャレンジの話となっている。

平日 曇天 11:15 待ちなし 後待ち8名 後客6名

前回の大失態から5日ほど経ってしまったが、やっとリベンジマッチを迎えられた。昨晩は体調を万全にするために大好きなサウナで心身ともに〝整える〟ためだけに鶯谷駅に降り立った。それは東京サウナの聖地でもある「サウナセンター」を訪れるためだ。

本日は自宅からは関東逆サイドの西浦和で行うスパコン対決のために、東サイドにある鶯谷に前泊する計画だ。午後10時に老舗サウナに入館すると早々に 10 × 3 セットをこなした。約5年ぶりになるサウナセンターだったが、サウナの温度が以前よりも低くなっている気がした。それでも体感では 100℃は超えていると思われるが設備が古くなってきたのだろうか。しかし水風呂は 14℃とまずまずの冷たさだ。こちらのサウナは外風呂がないのが残念だが、ペンギンルームなる冷蔵室が完備されているので室内のイスに座って身体を冷ましながら休憩ができるのが良い。

サウナで十分に身体を整えた後は、食事処にて気持ちも整える。もちろんラーメンのメニューもあるが夜中の食事を極力控えているので、冷奴だけをつまみに生ビールで喉と心を潤す事にした。生ビールも杯を重ねると調子に乗ってしまい追加でハムエッグを注文してしまったが、これがビールのつまみに何とも合うのだ。さらに酒が進んで気が付けばラストオーダーの深夜1時半となっていた。こちらは簡易的な休憩ベッドしかないので他人のイビキの大合唱の中で寝なければならないのが難点だが、これだけ飲んでいれば気にもならず〝秒〟で堕ちていた。

せっかく前泊したので朝はゆっくりと起きるつもりだったが、まさかの館内改装中で朝から工事の音で起こされた。さらには隣のビルも建設中なので、おちおち寝られる場合ではなく仕方なしに早起きとなった。少しだけ残った昨夜のアルコールを朝サウナで流すと、午前10時にチェックアウトして鶯谷駅に向かった。

京浜東北線から南浦和で武蔵野線に乗り換えれば40分足らずで五日ぶりの西浦和駅に着いた。騒音などのハプニングもあったが移動時間の短さを思うと、前泊したの甲斐があったと思える。しかし11時半開店までは40分近くあるので、駅前でコーヒーを飲みながら時間を待った。

定刻の15分前に店に向かうと並びもなく先頭にて待機をはじめる。すでにスープのに匂いが漂っている店先で待っていると、中からスタッフさんが中待ち用のイスを持ってきてくれたので座りながらの待ち時間を過ごした。すると間もなく並びが増え始めて5分前には三席の外待ちイスも埋まり、さらに行列は増え続けた。

定刻よりも2分早くオープンとなり、店内に入ると入口左手の小型券売機にてシンプルなメニュー構成の中から基本の味噌ラーメンと味玉を追加発券した。カウンターに座る前にセルフでお冷を汲んでから一番奥の席に座り、食券を手渡すと店内観察を開始する。

まず何よりも驚いたのは、先ほど外待ちイスを持ってきてくれた方が店主さんだったという事だ。しかもワンオペの中での気配りと目配りには驚きを超えて感動してしまった。カウンターだけの客席ではあるが製麺室まで設けられているので自家製麺は間違いなく、全てをこなす店主さんの生産性の高さには舌を巻いた。つけ麺人気も高いようで麺を茹でるタイミングに時間差をつけながら淀みなく調理が続いていく。エアコンの効いた店内の冷たい空気に、中華鍋であおられた熱々のスープからの湯気が冷却されるとスモークのように蒸気が客席にまで流れてきた。それはまるで「未知との遭遇」のオープニングのようであった。そんな神秘的ながらもワイルドな光景の中で待っていると、着席して7分で我が杯が到着した。

その姿は黒釉薬で焼かれた鳴門丼の中で、かつて見た事のない風景を見せている。まさに未知との遭遇が目の前で起こっている。あまりの予習不足だったようで、味噌系だと知っていたがこれ程までに強烈なビジュアルが待ち構えているとは思いもしなかった。しかしこれも全てはスパコンのオススメとあれば超高性能AIを信じてレンゲを手にとってみた。

まずは色調すらも分からないくらいに液面に覆い被さる具材を押し込むようにしてレンゲを沈めると、具材の抵抗とは違った力がレンゲを伝わってきた。そんなドロドロとレンゲにゆっくりと流れ込んでくるスープを見た時に、去年京都で食べた「極鶏」の高濃度なスープを思い出した。その姿は茶系の色調も手伝って〝コーヒーフラペチーノ〟の如く見え、保守派の私には手に負えなさそうなヤンチャなスープと思ってしまった。そんなスープを飲むという表現よりも食べると言った方が適切に思えるスープを口に含むと、懸念したほどのザラつきはないが強いニンニクの匂いが襲ってきた。見た目でも動物系の粉骨タイプと分かるスープだが、動物系のクドさは思ったよりは少なく感じので芋類などの野菜もミキシングされているのだろうか。動物系のインパクトよりもニンニクの匂いが方が先行して脳に届いたので、この後も終始ニンニクの匂いに支配されて食べなければならなくなった。そんな濃厚スープに合わせる味噌は色調が穏やかなのと甘みが強いので白味噌が麦味噌だろうか。塩気の強さがないのがせめてもの救いで助かったが、いきなりの先制パンチを食らってしまった。

ひ弱な味覚の私には合わなかったスープを諦めて、気をとりなおして期待の持てる麺に取り掛かってみる。製麺室の中には大成機械工業の製麺機 タイセー2型が鎮座しているので、そこから生み出された自家製麺だろう。そんな渾身の自家製麺をスムージーなスープの中から引き上げてみると、麺上げまで220秒と割と短かい茹で時間とは思えない程の太麺が現れた。そんな太麺の周りにはべったりとスープが付着しているので箸を左右に振って出来るだけスープを落としてみると、微かに本来の麺肌が姿を見せた。所々に全粒粉のフスマが見られる麺肌で、箸先に加わる重みはかなりの重量だ。多加水麺を感じさせる質量からは食べ応えの強さを想像させてくれる。そんな強麺と超濃厚スープとの組み合わせなので、さすがに一気にすすり上げる勇気はなかった。かと言って紙エプロンをするのも面倒なので、口元から迎えに行く食べ方で麺を口に運んでみた。わずか二本ばかりを口に含んだだけなのに、口の中が一杯になるほどに麺一本あたりの質量の大きさを感じた。そんな太麺は口の中を暴れまわるが、押さえ込むように噛めばもっちりとした歯応えを生んで咀嚼に応じてくれる。スープの強い香りの中でも小麦の香りも立っているので贅沢にも内麦を使われているのだろうか。見た目に負けず強い噛み応えが持ち味だと思うが、密かに主張している気高い小麦の香りも重要な要素と思えた。

自家製麺の素晴らしさには感心したが、この後の具材陣が好みとかけ離れていて残念だった。具材の中心的存在のチャーシューは豚肩ロースの低温調理が薄切りながらも大判で入っている。ワンオペなので仕方なく思うが、切り置きしてからの時間が経ち過ぎて切り口が乾いてしまっていた。その上、冷蔵保存の冷たさが残っていてチャーシューの旨みの感じ方が半減してしまっていた。スープが高温なので浸して食べれば温度は上がるだろうが、それでは低温調理の意味がなくなってしまう。冷たさゆえに余計にスジの硬さも感じてしまった。

追加した味付け玉子も本当は味が定着しているのかもしれないが、このスープの中では単なる半熟ゆでたまごにしか思えない仕上がりで好みとは違い残念だった。

極太メンマには特徴がなく汎用品に思えたが、これだけスープと自家製麺に力を入れているので具材の細部までは手仕込みとはいかないのだろう。隣の客の追加トッピングのメンマの量を見た時には、二度見してしまったくらいに大量に添えてあった。

その他のキクラゲや薬味に関しても個人的には残念ながら高評価とはならなかった。あえて繊細な薬味を必要とはしないスープと麺なので、粗々しい切り口の白ネギでも問題なくも思えた。 中華鍋であおられたモヤシやニラも香りを発揮できずに食感だけのアクセント役で終わってしまった。

中盤からは液面に浮かんでいた自家製ラー油がスープに溶け込んでしまうと、唐辛子の辛味だけでなく更なるニンニク臭が加わる事で私にとっては不要なインパクトが勢いづいてしまった。そうなると、もう手に負えなくなってしまい半分ほど食べただけで箸とレンゲを置いてしまった。

その時点での本日の客層は若い男子が中心で女性客は一人もおらず、元気な勢いにあふれていた。若者たちの胃袋を満たす大切な存在だとは思うが、年老いた私の胃袋は白旗を振ってしまった。

半分近く残してしまった丼をカウンターの棚上に上げて席を立つと、店主さんは背中を向けて調理中なのに気が付いてくれた。そして大きな明るい声で挨拶をしてくれた時は本当に店主さんに申し訳なく思い、苦手ジャンルをオススメしてきたスパコンを恨んだ。自家製麺や接客などの素晴らしい一面もあったが、目の前のラーメンに対しての個人的な評価として55点となりスパコンに対しては久しぶりの KO勝利を収めた。

これで通算対戦成績は34戦15勝10敗8分8KO勝ち1KO負け1没収試合となったが、まだまだスパコンは好みと違うラーメンを薦めてくる。現在もオススメ店に挙がっているのは、つけ麺のレビューが一件もない私に対して6店舗中で4店舗がつけ麺専門店なのだ。もはや関東に近いオススメ店でラーメンがメニューにある店は、湯河原の超有名人気店しか残ってない状況だ。よってそろそろ本気で湯河原に乗り込む為のマッチメイクを考えなければならないと痛感した一杯でした。

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「味噌らーめん ¥780」@麺屋 彩未の写真日曜日 晴天 14:45 外待ち10名 中待ち12名 後待ち15名

〝諸国麺遊記 北海道編〟

と本来ならばいきたい所だったのだがラーメン以外の目的で訪れた北海道で、課せられたスケジュールの中には朝昼晩みっちりと食事の予定が組み込まれていたのだ。

北海道一泊目は定山渓温泉という札幌駅から送迎バスで一時間ほどの距離だが、周囲を山に囲まれた温泉地なので夜中に抜け出して札幌でラーメンという訳にはいかない状況下に置かれていたのだ。その夜は温泉旅館お決まりである女性受け間違いなしの、ちょこちょこと出てくる和懐石をいただいた後に渓谷がライトアップされている人気スポットへと出向いてみた。

宿泊している旅館はいわゆる温泉街からは少し離れた隠れ家的な宿だったので温泉街らしい雰囲気を味わえずにいたのだが旅館の専用車で向かった先には、いかにも温泉街と言った感じの昔ながらの土産屋さんや古びたスナックのネオンの灯る街並みで哀愁が漂っていた。おじさん好みの素晴らしいロケーションの中に数軒のラーメン屋の看板を見つけたが、デザートや水菓子までも食べてしまった胃袋にはラーメンを食べる余裕など残ってなかった。それよりも同行者にラーメンを強要する威厳などないのが本音だった。

せっかくの北海道に来てラーメンを一度も食べられないかと思い、非常に残念な気持ちになっていた私に起死回生のチャンスが訪れたのだ。それは一泊目の定山渓温泉を後にして札幌大通まで午後1時に送迎バスで戻り、二泊目の札幌駅近くホテルに荷物だけでも預かってもらおうとチェックインの手続きだけをしに行くと、すでに部屋の清掃が済んでおり早めのチェックインとなった。

北海道二日目の晩メシだけは私のワガママを聞いてもらいプロ野球選手がチーム全員で押し寄せるという老舗ジンギスカン屋を予約しておいたのだが、さすがに日曜日でも20時までは席が無かったので20時過ぎの予約となっていた。しかしホテルのチェックインを済ませた時間は午後2時過ぎと夜のジンギスカンまでは随分と時間があるので、どうにか同行者を丸め込んでラーメンへと誘い出してみた。すると近くなら行っても良いと承諾は得たのだが、最有力候補としていたコチラは札幌駅から近くはなかった。しかも昼営業の終了時間まで一時間を切っており、焦る気持ちの中で地下鉄で向かう事を諦めてタクシーでの訪問ならばと快諾を得た。

そうと決まれば多少のタクシー代など問題ではなく、もはや拉致犯とも思われる状態で同行者をタクシーに押し込んだ。ホテル前からは15分程で、タクシーの運転手さんも知っていた超有名店の目の前まで無事に届けられた。

昼の部終了の30分前にもかかわらず店頭には長蛇の列が並んでいる。慌てて最後尾に付けると、梅雨時期とは無縁の北海道の初夏の日差しを持参した日傘で避けながらの待機となった。大きな駐車場には警備員を雇っているほどの盛況ぶりで、札幌だけではなくもはや全国区の人気店である事がうかがい知れる。直射日光を避ける軒下などがないので、日傘がなければかなりの体力消耗を強いられそうだ。あまり列の進みが良くないので回転率の悪さを思っていると、店内からは2名ほどしか出てきていないのに一気に6名も店内へと案内された。

修行先とお聞きしている札幌を代表する老舗味噌ラーメン店「すみれ」の暖簾分けを象徴する、すみれから贈られたと思われる白い暖簾をくぐって入店した。しかし店内にも12名分の中待ちベンチが設けてあったので、不思議な行列の流れも納得できた。

中待ちと同時にホールスタッフさんからメニューを見せられお題を決めるのだが、勿論ここでは味噌ラーメンをお願いした。すでに追加チャーシューは売り切れで味玉もメニューにないのでシンプルに追加なしで注文した。コの字の中待ちベンチから店内を見渡してみると、テーブル席とカウンターがあり壁には多くの著名人のサイン色紙が飾られている。全国各地にサイン色紙が飾られたラーメン店があるが、正直どれが誰のサインなのか分からない中でも何故かいつも目に入るサインがあるのだ。それは北海道が生んだ人気演劇ユニットである〝TEAM NACS〟のサインなのだ。それは先日訪れた埼玉の「中華そば 四つ葉」でも見かけたので、さすがは地元の人気冠番組でラーメン特集をするほどのラーメン好きだと信じられる。そんな風格のある店内を本日は七人体制で回している。厨房が半個室となっているので調理工程や作業の手元が全く見えないが上半身の動きから推測すると向かって右手から〝麺上げ担当〟〝あおり担当〟〝盛り付け担当〟と三人の連携プレーによって手際よく続々と調理されている。よって実際には回転率はかなり早く、外待ちを含めても20分足らずにカウンターに昇格した。

カウンターに着席後は店内観察をする暇がない程の早さで我が杯が到着した。この計算された提供速度が回転率の早さを上げている仕組みなのだと思った。目の前に現れたその姿は、うぐいす色の多用丼の中で上品にも思える優雅さを見せている。味噌ラーメンと言えば粗々しいワイルドさを思ってしまいがちだが、特徴的な器の色と相まって品のある表情が印象に残った。今回の北海道での最初で最期となるラーメンだけに期待が最高潮に達した瞬間には、すでに右手に持ったレンゲは始動していた。

まずはスープをひとくち。〝ならでは〟のラード油膜が張り巡らされた液面にレンゲを落とし込むと、大量の油膜ではあるが波の打ち方が軽やかにすら感じた。ラード油の粒子もキメが細かく見た目には油っぽさは感じられない。破れた油膜から立ち昇った熱々の湯気の中のラードで炒められた具材の香ばしさが、とにかく美味そうな匂いの首謀者である事は間違いなかった。その匂いだけで完全に脳内のスイッチがオンになったところで、いざスープを口に含んでみる。最初に伝わってきたのは円やかな甘味で、動物系スープや味噌玉と炒め野菜など全ての素材の持つ甘味が全体を包み込んでいる。飲んだ瞬間に、ため息が出るほどに優しく穏やかなスープには全身の力が抜けるのを感じた。主体となっているのは豚由来のスープと思われるが、煮干しのような魚介の旨みのサポート感もある。見た目にはタマネギがないが、甘味の中にはタマネギと思われる野菜類の甘味が十分に感じられる。そんなスープに合わせる味噌玉も角がなく塩気は輪郭を付ける程度にアジャストしてある。味噌ラーメンの要とも言える味噌玉からは、塩分よりも味噌の香りが主張している。このスープの風味と炒め野菜の香ばしさが織りなすハーモニーは醤油派の私でも唸ってしまう仕上がりだった。

本場札幌の味噌ラーメンに興奮を抑えきれないままに麺を箸で持ち上げてみると、ここでも〝ならでは〟の麺の姿が現れた。それは透明感と黄色みを併せ持った味噌ラーメン特有の中太ちぢれ麺で、黄金色にまぶしく輝く麺からも熱々のスープの力で湯気が立ち昇っているのが見える。茹で麺機が見えないので推測ではあるが、麺上げまで100秒程と思われる麺を一気にすすってみる。するとスープに浮かんだ厚手のラードの役割を、いくつも感じられたのだ。第一にはスープの温度を下げない為のバリアとしての役割と、続いては麺をすすり上げる際の潤滑油としての役目だ。さらにはスープにコクを与える使命も担っていた。北の大地札幌に味噌ラーメンが根付いた理由も分かる気がしながら、個性的な麺を味わってみる。とにかく滑らかに滑り込んできた麺は独自の周波が舌触りに変化をつけて口の中を跳ねまわり、弾けんばかりのグルテンの弾力が本領を発揮すると口内ばかりでなく脳内にも悦びが訪れる。飛び跳ねる麺を奥歯で押さえ込むと、しっかりと咀嚼に応えてくれる歯応えと歯切れの良さが素晴らしく麺を噛みつぶす楽しみが止まらない。その咀嚼回数に比例するように小麦の香りが満ちてきて、スープの味噌の甘みと小麦の甘みが折り重なったハーモニーは他の味噌ラーメンでは味わった事のない最高傑作の組み合わせに思えた。そんな食べ応えの後に訪れる喉越しの良さも忘れられない感覚だった。

具材のチャーシューは豚肩ロースの煮豚型が盛り付けられていて、程良い厚みにスライスされている。チャーシューに箸を付けた瞬間に上に乗せられたおろし生姜がスープに拡散するので後半まで我慢して残しておいたチャーシューだったが、いざ口に含むと煮豚によくありがちな豚肉本来の旨みが煮汁に奪われている事が多いのだが、この煮豚には赤身本来の旨みがしっかりと残っているにもかかわらず煮汁の旨みも取り込んでいる絶品チャーシューだった。また歯応えも柔らかすぎず食べ応えもあり、麺の食感にも負けない個性を生んでいる。このチャーシューならば追加したいと思える仕上がりで、次回は早い時間帯に来るべきだと実感した。そんなチャーシューの切り落としが角切りで丼の底に沈んでいるのを見つけた時には小躍りするほどの喜びだった。食感の面だけで言えば主役のチャーシューを凌駕する食べ応えがあった。

メンマは不揃いな大きさで添えてあり、表面に滑りがあるのが特徴的なメンマだ。少し柔らかめの食感だが、麺やチャーシューの歯応えが強いのでメンマは軽やかなアクセントとして存在している。味付けも穏やかながらボヤけるような事はなく全体に溶け込んだ味わいとなっていた。

具材の中で最も感激したのが炒めモヤシで、豚ひき肉と共に鉄製の中華鍋で独特の〝あおり〟の工程から生み出された味噌ラーメンならではの具材としての真骨頂を表現していた。まずは下処理の丁寧さが短いモヤシに表れていて最初
細かく切りすぎかと思うほどに短い部分もあったが、それはモヤシのヒゲの根を一本一本丁寧に取られた結果そうなっているのだ。よほどの高級中華料理店でもない限りモヤシの根を取っている店などないのだが、こちらはその一仕事をしっかりとされていたのには相当驚いてしまった。そんな繊細な手仕事が施されたモヤシを高温のラードで焦げ目が付くほどに炒めてあるので、しっかりとした食感と香ばしさの両面でアピールしている。

薬味は青ネギの小口切りが多めに添えてあり、有名ブランド葱とは違った粗々しさのある食感が絶妙にマッチしていた。モチモチの麺とシャキッとした青ネギのアクセントはモヤシの食感を巻き込むと、三つ巴の食感となって食べ心地を増幅させる。

この段階になるとチャーシューの上に添えてあった生姜はスープに溶け込んでいたが、業務用のおろし生姜ではなく本物の土生姜をおろしてあるので強い香りと辛味がスープに加わっていた。もちろん自然な辛味なので過度な刺激とかではないが、間違いなく味噌の甘みを際立たせてくれた。

味噌ラーメン特有のスープの熱さにもかかわらず、気が付けば丼の底が見えていた。まだまだ経験値の少ないジャンルではあったが、過去の味噌ラーメン史上最高得点を叩き出したラーメンに本場札幌で出会ってしまった。

しかしその事が北海道のラーメン文化を、もっと知りたいと思ってしまったキッカケになった一杯でした。

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「みそら〜めん(小) ¥750」@麺小屋 てちの写真平日 晴天 13:30 外待ち1名 後待ち6名

〝第26回 RDBの超高性能スーパーコンピューターが算出したオススメ店は本当に私に合うのか!〟

新店めぐりを優先していた為に久しぶりの開催となるこのイベントは、RDB PC版のオススメに挙がる六店舗から、その店のイチオシでは無く自分の好きそうなメニューを食べて採点し超高性能スパコンとの勝敗を決めるものである。決してお店との勝負ではないのは理解していただきたい。

採点基準は90点以上付いたなら私のKO負け、80点以上ならば判定負け、70点台なら引き分けとし60点台なら判定勝ち、59点以下の点数ならば私のKO勝ちとする。

過去24戦の対戦相手は「風雲児 」「麵屋一燈 」「煮干しつけ麺宮元 」「竹末東京プレミアム 」「さんじ 」「麺処 晴」「燦燦斗」「神田 勝本」「中華そば屋 伊藤」「麺処 ほん田」「煮干中華ソバ イチカワ」「麺屋 和利道 warito」「らーめん 芝浜」「らーめん かねかつ」「狼煙〜NOROSHI〜」「ラーメン大至」「中華ソバ 伊吹」「麺処 朧月」「Bonito Noodle RAIK」「中華蕎麦 とみ田」「陽はまたのぼる」「神田とりそば なな蓮」「ソバダイニング クアトロ」「旬麺しろ八」「MENSHO」と名だたる有名店や人気店が並ぶが、対戦成績は25戦12勝6敗6分7KO 1没収試合と現在は私の勝ちが大きくリードしている。

現時点で私へのオススメ店に挙がっているのは春先に開催した〝ラーメン奇行〟での東海遠征などが影響してか、愛知県や三重県の人気店が登場してきた。残る4店舗のうち2つは趣向に外れたつけ麺専門店が並び、あとは最大の強敵であろう湯河原の超人気店とコチラなのだ。そこで本日は一番身近なコチラへ初挑戦を挑もうと決めた。

あくまでも店との対決ではなく超高性能スパコンとの戦いなので、体調も万全の日を選び店へと向かった。人生初の武蔵新城駅に降り立つと南口を出てまっすぐに進むとNYのセントラルパークを思わせる街のシンボル的な新庄公園を通り抜けたパークサイドに佇むコチラを見つけた。昼ピークを外して来たつもりが外待ち椅子には並びがあり、そちらに続いて外待ちとなった。

店頭にはメニューが貼り出されてあるので、待ち時間を利用して本日の品定めをしておく。と言っても、みそらーめんとまぜそばに特化した店のようで悩む事なくみそらーめんに決めた。10分程すると先客が退店すると、後片づけを待ってから入店する。

店内にはマミヤ- OP製タッチパネル式の最新式券売機が設置されている。このタイプの券売機ではメニューボタンを押すと安心してしまい、発券ボタンを押し忘れてしまい後列の客人に冷ややかな目で見られる事が多々ある。時代に取り残されないように発券ボタンまでしっかりと押して食券を手に入れた。

無事に食券をカウンター上の台に置いて緊張もほぐれと思ったが、寡黙に作業するご主人の実直な仕事ぶりに再び緊張感に襲われた。恐る恐るカウンターに座り店内を見渡す。丁寧な仕事ぶりのご主人お一人のワンオペなので回転の悪さは致し方なく思える。私にはこの後の予定もないので、じっくりとこの緊張感を味わう事にした。

店内は白壁と淡い木目調で囲まれた女性店主さんが営まれていても不思議ではない程に小綺麗な雰囲気だ。卓上調味料の置き方や窓に飾られたフリルの付いたカフェカーテンの装いも女性的に映った。そんなメルヘンチックな店内だが本日の客層は後待ちを含めて全員が男性陣だ。しかも健康診断ではコレステロール値から目を背けたくなる経験がありはずの我々中年層が占拠している。

我が身を戒めるように待っていると、着席して12分のロングスパンで我が杯が到着した。その姿は、白粉引の鳴門丼の中で今まで見たことのない表情を浮かべていた。なによりもカラフルでポップな景色が初対面でも印象を焼き付ける。

まずは多くの具材に隠れて、赤みを帯びた香味油に覆われている黄唐茶色のスープをひとくち。レンゲをスープに押し込む力が必要とされるのは濃厚の証しだろう。すくい上げたレンゲからは初対面ながらも知っているような香りが立ち昇っている。不思議に思いながら口に含んだ瞬間に記憶が蘇った。それは味噌の風味が呼び起こしてくれた思い出で、四国の大洲市にある「たつみみそ」の香りと同じだったのだ。

今では自宅で料理する事もなくなったが、以前は日本各地から食材や調味料を取り寄せては友人たちに振る舞っていた事もあるのだ。そんな 4,5年前に取り寄せて以来ハマってしまった麦味噌が「たつみみそ」なのだ。製造元では醤油も醸造しており、少し甘めの味わいが特徴で自宅には欠かしたことのない調味料だった。この麦味噌もやはり甘めの強い天然味噌で、我が家では味噌汁よりも料理の味付けに重宝する麦味噌だったのだ。レンゲのスープの香りで一瞬で当時に引き戻された。香りの記憶とは恐ろしいものである。

そんな想いを懐かしみながらスープを口に含むと「たつみみそ」への確信に変わった。(違っていたらごめんなさい)

やはり旨みの主導権は麦味噌の甘みが握っている。そこに辛味油の刺激が重なり甘辛スープへと変化する。その背後には動物系白湯スープがベースとなってしっかりと屋台骨を築いている。レンゲでスープを飲んではみたが、どうやらスープというよりは麺を絡めるタレの要素が大きいように感じた。

続いて麺を楽しもうと奥底に眠る中太麺を箸で引きずり出してみる。スープの粘度や具材に邪魔されて全貌が見えてこない。ここでJ系未食の私が人生初となる〝天地返し〟をやってみた。大量の麺で具材たちにフタをするように被せる作業が豪快ながらも爽快で、楽しくて仕方なかった。J系好きの方は毎回こんな楽しい作業をしているのかと思うと、少しうらやましく思えた。そんな天地返しで現れた中太麺は、丸みはあるが角もかすかに見られるぽっちゃりタイプだ。箸先からも重みが分かる程の加水率の高さで、口に運ぶと小麦の香りや甘みというよりはモッチリとした歯ざわりの方が印象に残る。もしかしたら麦味噌の甘みの陰に隠れてしまっていたのかも。麺だけを味わった後は周囲のベテラン方の真似をして全てを混ぜて味わう事にした。その一体となった食感は、味こそ違えど〝長崎ちゃんぽん〟のようなテクスチャーを生んでいた。

具材と言うべきか薬味と言うべきか判断が難しいが、色とりどりの具材たちを紹介したい。

小さめにカットされて余分な脂分を湯通しで落とされた豚バラスライスは、甘めの麦味噌スープとの相性は抜群だった。豚肉の味噌炒めを思うとビールが欲しくなった。

野菜陣の茹でモヤシとニンジンは切り方ゆえに麺との絡みも良く、ちゃんぽん麺を彷彿とさせる中太麺とモヤシの歯応えが長崎ちゃんぽんを思わせたのだろう。モッチリとシャキシャキの共演に夢中で食べ進めてしまった。

麺量を小にしたのでメニューの説明どおりに腹八分目で完食となった。丼底には大量のスープが残っているが、単体で飲むには私には濃すぎたのでレンゲを置いた。やはり周囲のベテラン方は、思い思いの追加ごはんを投入してスープを最後まで楽しんでいた。

独自の見解でラーメン一杯だけの評価としているので残念ながらスープを全量残した結果の採点としたが、ごはんを含めて総合的に考えるとより高得点だったのは間違いない。もし、ごはんを追加投入していればスープの濃さも和らいで、赤玉ねぎや青ネギの薬味の持ち味も感じられただろうと思った。やはり最期の〆ごはんで完結するタイプのラーメンだったという事を改めて知った。

今回のスパコンとの対決は引き分けとなり、通算対戦成績は26戦12勝6敗7分7KO 1没収試合となった。この対戦を機に次に挙がってくる挑戦者が楽しみだが、出来れば関東近郊の店にしてくれれば移動費が安くて良いのになと思ってしまう一杯でした。

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「チャーシュー味玉味噌Soba ¥1600」@Japanese Soba Noodles 蔦の写真平日 晴天 10:35 待ちなし後待ち20名以上

〝ハイソでセレブなリッチ麺めぐり〟

資金難にみまわれる中、意地とヤケだけでRDBで高級ラーメンを探している。すでに高級中華料理店の麺部門は除外したので少し気は楽になったが、候補店探しには難航する事になってしまった。

基本のラーメンに追加トッピングを重ねて高額にする事も考えたが、出来れば券売機、もしくはメニュー内にある高額ラーメンを探したいのが本音だ。そんな思いの中で見つけ出したのがコチラだった。

過去には二度ほど訪問しているが、麺の好みと洋食素材の使い方が好みと違い私の中の評価は低くなってしまった。しかし前回に隣客が食べていた味噌系が美味そうで、味噌ならばトリュフオイルなどは使ってないのではと推測を立てた。しかも味噌系の方が、より高額設定となっているので今回の企画に当てはまる。そうなれば条件が揃ったところで再訪を決めた。

再訪は決めたのだが、こちらの難点は昼の部は整理券制を採用している事である。午前7時から配布される整理券を得るために、今回も過去二回の訪問時と同様に巣鴨駅前に宿をとった。これならば自宅を早朝に出発する必要がないので肉体的にも精神的にも楽なのだ。昨晩は巣鴨の夜を楽しむというスピンオフ企画を満喫して、出来るだけ遅くならないうちにベッドに入った。

午前6時半の目覚ましで起きると、顔も洗わぬままにホテルを一時外出して店に向かった。整理券配布時間の20分前だが、すでに4人の並びがあった。会話からはシンガポールのグループのようで、さすがはミシュランの星を持つ有名店であることを実感する。その4人はラーメンの行列に並びながら今夜の焼肉屋の話で盛り上がっている。どうやら鹿浜の有名焼肉店のようだが昼はラーメンにも行列し、夜は焼肉屋も並ぶ事になりそうだ。

そんな会話に耳を傾けていると定刻になりシャッターが半分上がるとスタッフさんが出てきた。デポジットの千円を仮払いして無事に11時台の白い整理券をゲットすると、再びホテルに戻ってひと眠りする事にした。この待ち時間を寝て過ごせるのもホテルユーザーの強みである。2時間ほど眠り10時のチェックアウトと同時にホテルを出た。

スタッフの指示通りの10:50に間に合うように駅前でコーヒーを飲んでから少し早めに店先に戻った。11時開店の25分前の現着で私が一番手をキープした。そこからは並びも増えはじめるが、前回ほどではなく感じた。開店直前に整理券を取りに来た人も12時台の水色の整理券だったので、本日分には余裕がありそうだ。

定刻の15分前に食券の購入が始まり、お目当てのお題を発券して再び店先の並びに戻る。今回は整理券トラブルも見られず穏やかな行列の中で待っていると、定刻よりも8分早く入店の案内があった。すでに始まっている調理を横目に見ながらカウンターに座り店内を見渡す。

カウンターの背後にはミシュランガイドをはじめ数々の受賞歴を誇る盾が並んでいる。その横にはインバウンド効果を狙った、お土産用のラーメンも陳列されている。店の奥には製麺室が設けてあり、中には大成機械工業の製麺機が鎮座している。そんな店内を本日を、店主不在の三人体制で回されている。客層も私以外は外国人観光客が占めていて、スマホ片手に動画撮影をしているのだが他人の映り込みなどは全く気にしてないようだ。

そんな文化の違いを感じながら待っていると、着席して3分で我が杯が到着した。その姿はオリジナルの有田焼高台丼の中で思い描いていたものとは異なる景色を見せている。私がラーメンには求めないヨーロッパの食材が羅列しているが、新たな世界を信じて真摯にラーメンだけに向き合う事にした。

まずは丁子色のスープをひとくち。複数のオイルが浮かぶ液面の中で、出来るだけ油膜の少ない部分にレンゲを差し込みすくい上げる。そのスープからは香りだけでも甘みを感じる白味噌の風味が漂ってくる。馴れ親しんだ香りに安心して口に含むと、洋の要素を感じさせない和出汁の味噌汁のような旨みが広がった。明らかに味噌汁と違う点は、鶏などの動物系の旨みもベースにある事だろう。その基礎の上に野菜や乾物などの旨みが重なり奥深さを作り上げている。舌触りにほんの少しのザラつきを感じるのは麦味噌の麹だろうか。その麦味噌の甘みもスープの要となっている。ここまでは見た目の洋のイメージとは全く違い和風にあふれていた。

次に独特の湯切りスタイルのクロスカウンターがバッチリと決まった麺上げから生み出された自家製の中細ストレート麺を箸で持ち上げてみると、中細麺にしてはやや太めではある。表面には透明感のある麺肌がスープの中で映える。箸先からはハリやコシはそれほど感じない柔らかさが伝わってくる。味噌系には、もう少し太麺を願っていたので残念でもある。そんな麺を一気にすすってみると、先程までの和風のスープが一変して洋テイストになった。それは麺を啜った時に伴って入ってきたバターのような動物系油脂の風味が思わせるのだろう。ウンチクにはカボチャの種から抽出したオイルは明記されているが、明らかな動物系オイルのコクを感じた。バターかラードのようなコクが麺に絡んで口の中に広がった。もうここからは洋テイストの一途となる事は明らかだった。

具材のチャーシューはパストラミのようにスパイスをまとったイベリコ豚のロースが薄くスライスされている。ハイエンドメニューなだけに枚数は多く乗せられている。食べやすい大きさにカットされているのも特徴だ。味付けはイベリコ豚本来の旨みを大事にして薄味にしてある。見た目には多いスパイスも出過ぎることなく風味を与えているだけだが、ダイレクトにかけられた擦りたてのパルミジャーノチーズが個性的な風味を加えている。イベリコ豚とチーズ、チーズと味噌の相性は言うことなしに抜群ではあるが、ラーメンの中には私はそれを必要としない保守派なので合わなかった。小ぶりではあるが豚バラチャーシューも一枚入っているが、その上にはポルチーニペーストが添えてあった。やはりラーメンにはそれを求めないので、スープに溶け出した時から世界が変わってしまった。

追加した味玉は高級な素材を活かした薄味で物足りなさはあったが、卵本来の旨みは楽しめた。だが提供温度の冷たさだけは気になった。ここまで麺以外の全ての温度が低いのも前回と同じく外国人観光客向けの設定なのかと思ってしまう。

メンマは細いタイプを採用されている。味付けも食感も申し分なく美味かった。噛みしめると湧き出る発酵臭が最大のアクセントとなって味覚を引き締めてくれる。

薬味は白髪ねぎのように細長く切られた九条葱がオシャレに添えてある。見た目を最重視した切り方だと思うが、九条葱の持ち味のシャキッとしてみずみずしい食感は失われていた。パサつきすら感じる乾いた繊維質が口に残ってしまった。

最終的には麺や具材は食べきれたが、スープはほとんど残してしまった。もはや好みの問題でしかないが、最初にひとくち飲んだ洋テイストのないスープの味が忘れられない。もしかしたらリクエストすればポルチーニもパルミジャーノもパンプキンシードオイルも外してもらえるのかもしれないが、それでは店主の追求するラーメンとは違ってしまうだろう。

海外で一番有名な日本のラーメン店が益々世界に名を轟かせて欲しいとは思いながらも、ヨーロッパのテイストを取り入れないラーメンを作られる事があるならば何を差し置いてでも食べに来たいと思う一杯でした。

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「味噌らーめん ¥780」@麺屋 誉の写真日曜日 晴天 21:20 先客3名 後客なし

〝小江戸川越 一泊二日ラーメンめぐり〟

本日の三食目を食べ終えて宿泊先のホテルにチェックインした。大浴場のサウナで一日の汗を流して、ひとときのビアタイムを楽しむ。朝から奔走した後のビールの味は格別だ。喉だけでなく、渇いた身体も潤してくれる唯一無二の裏切らない存在だ。さらには気持ちも潤そうと夜のネオン街の情報収集に励むが、まだ日が落ちたばかりで呑みに繰り出す雰囲気ではないので明日のラーメンの下調べをしようとRDBを開いてみる。

一泊二日くらいでは行きたい店の半分も行けそうにないが、候補店を絞り込む。そんな中で本日は食べていない味噌ラーメンのコチラが挙がってきた。何気なく候補店に入れようとお店情報を見ていると、本日の日曜日でも22時まで営業しているようだ。もし営業時間内に小腹が空いてきたら行ってみようかと四食目への意欲が湧いてきた。

すると午後9時前になるとサウナの効果だろうか少し胃袋に余裕ができた。しかもホテルからは歩いても10分ほどの距離とアクセスが良い。食べられるかは少し不安だがネオン街に繰り出す前の腹ごしらえと思い、本日の四食目にはなるが初訪問を決めた。

ホテルからは三番町通りとやらを進んで行けばたどり着くようなのでナビの指示のままに歩いて向かった。日曜日の夜というのもあるだろうが、うら寂しい通りを行くと暗がりの中に数軒の飲食店が並ぶ灯りが見えた。そこでなければどこまで歩くのだろうかと不安になるほど行く先は真っ暗だ。近づいてみるとカラオケの歌声が聞こえるスナックの先に真っ赤な暖簾が掛かったコチラがあった。早じまいもなく無事に入店できた。

店内に入ると券売機のトップを飾るお題を押した。追加の味玉を迷ったが本日はすでに3個も食べているので自主規制をかけた。(その前にラーメン自体を自主規制すべきの声も聞こえるが)

カウンターに座り店内を物色すると、テーブル席も多くある店内をご主人お一人で切り盛りされている。日曜の夜だからかも知れないが配膳やバッシングの為にホールにも出ているので大変そうだ。店内の壁には権威あるラーメン誌の堂々たる味噌部門 新人賞第一位の受賞暦が貼り出されている。ラーメンへの期待な高まり厨房に目をやると、味噌ラーメンならではの中華レンジと中華鍋のセットが更なる味噌ラーメンへの高揚感をあおる。そんな中で調理工程に入ったご主人の一挙手一投足を食い入るように眺めていると、力強い鍋振りや〝あおり〟の炎を見ることなく我が杯が到着した。

その姿は三連のドットがあしらわれた黒の多用丼の中で予想外のサッパリとした表情を見せる。味噌ラーメン=ラードのイメージがある中で表層に浮かんで油膜の薄さが連食つづきの胃袋にはありがたい。

まずは宗伝唐茶色のスープをひとくち。知ってはいても驚くような熱々のスープからは複雑な香辛料の香りが立ち昇っている。味噌ラーメンというよりは四川料理のような香りに食欲を刺激されながら口に含むと、スパイシーな香りに比例した様々な要素が舌の上に乗った。それは焦がしネギのような苦味と花山椒の痺れるような辛味、そこに甜麺醤の甘みや味噌のコクが舌を包み込んだ。それはまるで高級四川料理のように全ての香味が強すぎず穏やかだ。苦味の残し方や辛味の加え方、旨みの引き出し方の全てが派手ではないが的を得ているので自然とスープの世界観に引き込まれてしまった。

初めて出会ったようなスープの余韻に浸りながらスープや具材に隠れた麺を引き上げる。麺上げまでジャスト120秒の中太ちぢれ麺は黄色みを帯びた半透明な麺肌のエッジがキラキラと輝いている。持ち上げた箸先からは加水率の高さが重みとなって響いてくる。一気に啜るとスープの拡散が心配な麺質ではあるが、臆する事なく啜ってみる。滑らかな麺肌と軽やかに波打ったウェーブが唇をくすぐりながら飛び込んできた。味噌の風味にも負けない小麦の香りを打ち出す麺の食感の強さが箸のスピードに拍車をかける。啜り心地の良さと密度の高いモッチリとした食感に四食目だという事を忘れ、夢中でむさぼってしまった。

具材のチャーシューは苦手な豚バラの煮豚型だったが、脂身よりも赤身が大半を占める部分だったので赤身の肉質を楽しみながら脂身の甘みも感じられた。それには厚切りの要素も不可欠だったと思う。赤身の筋肉の繊維が解けるような柔らかさの中にも赤身本来の旨みは残っていた。味付けは香りの高いスープの中では控えめに調整してあるようで、個性のない個性が発揮されていた。

メンマも中細タイプだが、引き締まった食感と麻竹の発酵臭が只者ならぬ存在感をアピールする。やや硬めではあるが不必要な繊維を残さずに噛み切れる食感と、モチモチ麺とのコントラストは奇跡の出会いと思えるような組み合わせだ。味噌ラーメンならではの大豆由来の熟香と麻竹の発酵臭との取り合わせは中国の食の歴史の深さを物語っている。

モヤシは中華鍋の炎であおられたタイプではなく茹でモヤシが添えてある。なので調理中に〝あおり〟独特の中華鍋と五徳のぶつかる音や、ラードとモヤシの水分が生み出す炎が見られなかったのだろう。こちらの味噌ラーメンに関しては、中華鍋は香味野菜と味噌とスープを合わせる道具にすぎないと言う事だ。よってスープから感じる焦げたネギの風味は〝あおり〟からではなく、香味油からだと思われる。軽く茹でられたモヤシは鮮度の良さから香りがよくシャキッとした歯応えも抜群だ。次第にスープで加熱されて変化していく味や食感も時系列で楽しめる。

通常は〝あおり〟の副産物的な存在の豚挽肉も具材としての立ち位置を確立している。前仕込みだと思われるが、粗く挽かれた食感を残す豚肉の旨みにスパイシーなコクを与えた絶品具材。この具材を併用しているなら坦々麺も間違いなく旨いはずだ。スープ同様に複雑な旨みが重なりをみせるのは、拘りの肉味噌の証しだろう。

薬味は細かく刻まれた白ネギとおろし生姜と白ごまが添えてある。白ネギは食感の役目は茹でモヤシに任せて香り付けとして脇役を務める。香味ラードからの香ばしいネギの香りとは対照的にフレッシュなネギの香りをラーメン全体に与えている。おろし生姜の計算された配役も見事に当てはまっている。このおろし生姜でパンチを効かせる味噌ラーメンが多い中でこちらは個性的な使い方ではなく、明らかに影となって役割を果たしている。刺激で存在をアピールするのではなく、あくまで爽やかな清涼感を与えてくれるだけだ。白ごまを噛んだときの風味と芝麻醤の風味が見事にマッチし香ばしさを演出する。

ご主人の計算され尽くした設計図に思わず引き込まれて夢中でスープまで平らげていた。これならば、味玉を追加しても良かったなと後悔すらしてしまった。食べ終えてから券売機のメニューを見返してみると豊富なラインナップの中にワンタンなどもある事を知り、味噌ラーメンとワンタンの珍しい組み合わせにも興味が湧いてきた。

あまり得意ではない味噌ジャンルでの85点オーバーはコチラが初めてである。今後はこの味噌ラーメンを基準に、より美味い味噌ラーメンを探し求めていくのだろうと店を後にした。ホテルまでの真っ暗な帰り道で見上げた東の空に輝くオリオン座の中央に並んだ三つ星と、先ほどの味噌ラーメンの味と器の模様がピッタリと当てはまった一杯でした。

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「味玉味噌 ¥900」@灼味噌らーめん 八堂八の写真平日 晴天 15:20 先客2名以上 後客なし

先週に開催した〝怒涛の味噌ウィーク〟の候補店に挙がりながらも、行く事が出来なかったのがコチラなのだ。

それは自宅から歩いても行ける距離なので後回しにしてしまった点と、あまりの味噌ラーメンの連食で胃袋がラード疲れを起こしてしまったからだ。ようやく胃袋の調子も元に戻ったところで初訪問を決めた。

怠惰な暮らしで目覚めると午後2時を過ぎていた。そんな時でも通し営業なのはありがたく、ゆっくりと支度をして家を出た。交通量の多い246を避けて南平台を抜けるルートで向かう。芸能人が多く住む超高級低層マンションを眺めながら坂を下ると目黒川が見えてきた。その先の青葉台一丁目交差点を越えて路地へと入るとビルの裏にたなびく茶色い幟旗が見えてきた。

こんなところにといった感じのロケーションに見えるが、実は近所にはイタリアンの名店やうどんの人気店が軒を並べる隠れた穴場スポットなのだ。そんな立地に新しくオープンした店への入口は建物横の階段を上がった先の二階にある。ウッドデッキのアプローチにあるラーメン屋らしからぬ自宅のドアのような扉を開けると店が広がる。入店して券売機にてお目当てのお題に味玉を追加発券してカウンターに座る。

店内を見渡すと一階と三階につながる階段が目に入った。上の三階からは賑やかな声が聞こえてくるので客席があるのだろう。階段を使っての配膳が大変だなと思っていたら、料理を上げる昇降機がちゃんとカウンター横に設置してあった。カウンターよりもテーブル席の方が多い店内を本日は四人体制で回している。雰囲気的には女子受けしそうな内装で、おじさんには居心地が良いとは言いがたい。調理工程は目の前の壁で全く見えないので音を頼りに想像してみる。すると不思議なことに〝あおり〟の音が聞こえてこない。味噌ラーメン独特の中華鍋の音やモヤシを炒める音がしないままに、着席して5分で我が杯が到着した。

その姿は美濃焼の千段十草の高台丼の中で大判のチャーシューに覆い隠されていて正体が見えない。圧巻の迫力に押されそうになるが、茶色のグラデーションが美しい整った表情だ。

まずは粒子の細やかなラードが浮いた丁子色の スープをひとくち。見た目にはオイル感が少なく見えるのはスープとラードが上手く乳化しているからだろうか。レンゲがスープに入る抵抗も少なくサラリとした印象だ。レンゲですくったスープからは味噌の香りが熱気と共に立ち昇っている。味噌の香りに洗脳されながらスープを口に含むと、香りはどは味噌が主張してこない。何よりも力強く感じるのは〝糀〟の香りだ。糀を感じるのは香りだけでなく、舌の上に残るザラつきも感じられる。きちんと乳化したまろやかなスープの中で糀の粒が残るのは不快ではないが不思議な食感だ。甘みを帯びたスープは甘酒のような糀の香りが特徴的。色彩は白味噌や麦味噌のように白っぽく見えるが、ウンチクでは大豆味噌となっている。その大豆味噌で、敢えて味噌玉を作らずに生味噌での調理にこだわっているようだ。たしかにスープからは焼いた味噌の香ばしさも感じられる。ベースには動物系の清湯スープが基盤を築き、魚介などの風味も足してある。かなり珍しい蔵出し味噌を堪能した後は麺をいただいてみる。

麺はもちろん中太ちぢれ玉子麺。半透明の黄色い麺肌は味噌ラーメンにマッチする。麺上げまでジャスト120秒の硬めの茹で加減が箸で拾い上げただけで伝わってくる。この強面の麺を一気に啜ると、麺のウネリに伸縮性がないので唇の先で暴れ回る。結果としてカウンターにはスープが飛び散る事になる。紙エプロンが必要な麺肌だ。いざ口の中に入ってくると非常に滑らかで啜り心地が良い。啜った吸気にも糀の香りが寄り添っていて、味噌ラーメンというよりは糀ラーメンといった感じだ。ふた口目からはスープの拡散させないように啜らない方法で食べてみる。すると糀の香りは落ち着き、味噌全体の風味を感じるようになった。小麦の甘みと味噌の甘み、ラードなどの豚由来の甘みが一つになった甘さ主導の味噌ラーメンだ。それは砂糖のような角のある甘みではなく、自然なトゲのない甘みなので喉への刺激は少ない。

具材は大判の豚肩ロース焼豚が圧倒的な存在感を見せる。見た目の肉質からはパサつきが心配になるほど乾いて見えるが、いざ噛んでみるとパサつき感など全くなく、むしろシットリとしている。完全に熱が通った筋繊維を柔らかく仕上げているのも、糀の力なのだろうか。糀漬けならではの繊維質の分解作業が行われているのが納得できる柔らかさだ。またその食感を活かすための厚切りにも技が利いている。味付けもスープに寄せてあり、一体感を生んでいる。

追加した味玉にも糀を用いてあるが、焼豚ほどの利点は感じられない。たしかに柔らかく仕上がっているとは思うが味の浸み込みが薄いので、柔らかめの半熟たまごを食べているような印象しか残らない。

メンマ代わりの山くらげは良い仕事をしている。乾燥メンマのような発酵臭こそないが、ゴリっと言うほどに引き締まって食感が楽しい。味の面では特筆する点はないがアクセント役としては最高のパフォーマンスだ。

薬味は白ねぎを細かい笹切りで添えてある。彩りとして葉先の青い部分も混ぜてある。それとおろし生姜がたっぷりと焼豚の上に盛られていた。食べ始めは、どちらも持ち味を発揮せずに隠れている。しかし終盤にかけての自己主張の強さには驚かされた。

私の中での味噌ラーメンに求めるのは正直言って食べ始めではなく、ラストの部分なのだ。丼の中には噛み切って短くなった麺や、ほぐし肉のようになった焼豚、クタクタになったモヤシや山くらげなどの具材と、白ねぎや生姜の薬味が渾身一体となって沈んでいる。この混ぜそばのような〝ごちゃ混ぜ感〟が醍醐味なのだ。この時の白ねぎの食感やおろし生姜の辛味を感じると味噌ラーメンの佳境を迎える。

スープは飲み干せなかったが、満足でレンゲを置いた。この時には感じなかったのだが、ニンニクを使っているからだろうか食後6時間経っても後味の悪さが残っていた。味噌ラーメンを食べるとこの後味の悪さだけが苦手で仕方ない。やはり体質的に毎日食べるラーメンとはいかなそうだ。

この界隈には私が好きな醤油系の名店があるので味噌系の登場はありがたい。これであと塩系があれば文句なしのエリアなのだが山手通り沿いには、なんとか流塩らーめんが二軒もあるので塩系が進出してくる事はないだろうかと、余計な妄想を繰り広げてしまった一杯でした。

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「味玉味噌らーめん ¥900」@Sagamihara 欅の写真平日 晴天 11:00 先客1名 後客5名

〝怒涛の味噌ウィーク〟

と銘打って味噌ラーメン限定でやってきた一週間だが、四日で五食の太麺に胃袋が疲れを感じてきた。しかし自身に課した目的なので投げ出す事は出来ない。そこで本日は系統の違う味噌ラーメンを探してRDB内を彷徨う。

今週はいずれも札幌の老舗人気味噌ラーメン店と縁のある店ばかりを巡ってきた。本来ならば神奈川 大和市にある同系の店を目指そうと計画していたのだが、その前に流派の異なる店探しをしてみる。

しかし味噌部門で検索して写真を見ると、似たタイプの店が多く挙がっている。濃厚、太麺、モヤシと味噌ラーメンには必須なのだろうか、いずれもこれに当てはまる。捜索難航の中で自身の過去の記憶をたどっていると、冬になったら食べてみたい味噌ラーメンが何店舗かあったのを思い出した。

それは初訪問なので基本と思しき醤油系を食べたが、隣り客の味噌系が気になっていた店のひとつがこちらだったのだ。再度、お店情報で確認すると味噌ラーメンもレギュラーメニューとしてあるようだ。写真からもタイプの違いが見て取れるので訪問を決意した。

そうと決まれば前回と同様に11時開店前の現着を目指して9時半には自宅を出た。下北沢駅の厄介な小田急線への乗り換えにさえ対応できれば二度目の再訪なので問題はない。ナビの指示通りの快速急行だけは間違えないように下北沢駅の地下深くへと潜っていく。

遅延もなく予定通りの快速急行に乗車できた。これで寝過ごさずに相模大野で各停に乗り換えれば目的地まで一駅だ。無事に乗り換えも成功し人生二度目の小田急相模原駅に着いた。ここならは見覚えのある道なのでナビなしで歩いて行く。すると洒落た店構えのコチラがあった。開店10分前の現着だったので行列もないので、隣のコンビニで水を入手。ゆっくりと店に戻ると定刻ちょうどにオープン。その間に先客があり二番手をキープ。入店して券売機でお目当ての味噌系に味玉追加で発券する。前回と同じカウンターに腰を下ろし三ヶ月ぶりの店内を見回す。

カウンターの奥からは見えづらいが入口の横にはこじんまりとした製麺室が設けられている。その中には高級製麺機、その名もリッチメンが鎮座している。前回も確認したが、茹でられる前の生麺を見たときにスープの違いで麺の太さや色、質感が違っていたので麺に対するこだわりも強く感じていたのだ。その麺たちを生み出す製麺機の少し小麦粉にまみれた姿も戦い終えた表情に見えて誇らしく映る。そんな店内を本日は二人体制で切り盛りしている。やはり導線は良くない中でも万全のコンビネーションに見とれていると第1ロットにて5分程で我が杯が到着した。

その姿は白磁の屋号の入った高台丼の中でマーブル模様の景色を見せる。前回の醤油系と器や具材は同じだが、こんなにもスープで風景が変わるものかと驚いた。そしてこの景色を見た時に、昨日までに出会った味噌ラーメンとは違う系譜であると確信して少しホッとしたのが本音だ。

まずはマーブル模様に見える乳化してないラードと水泡が浮かんだ枯色のスープをひとくち。先行部隊はやはりラードによる豚由来の動物系のコクだ。系譜は違えどラードは必須のようである。しかし明らかに違うのは具材を、あおる為に使っているのではない点だ。具材には味噌系特有のモヤシや豚ひき肉は使われていない。だが、中華鍋を使用していたので味噌を焼き、スープと合わせる際にラードを使ったのだろうか。二口目は出来るだけスープ自体の味を確かめたくて、レンゲに浮いた油膜を息で吹き飛ばして、油分のなくなったスープを口に含んでみる。すると麦味噌の粒が舌を刺激しながら口内全体に広がる。その粒がザラつきにも思えるが、味わいは奥深い。そして品がある。鶏ベース清湯スープの上品で深みのある味わいが基礎にあるので、味噌にしか表せない、甘みや塩味と熟成した風味が思う存分に弾けている。コクの中にも潔さを感じるスープの中には微かな生姜の辛味も潜んでいるので、飲むたびに爽やかさでリセットしてくれる。ニンニクや生姜が主張しすぎないので舌が麻痺することもなく、飲み飽きもしないだろう。

このスープに合わせる麺に期待が高まる。箸で持ち上げてみると、スープの色にも似た全粒粉のフスマが色付いて見える自家製中細麺。ちぢれ麺と言うほどではないが、緩やかにウェーブしている。麺上げまで60秒の中細麺は切り刃の角がくっきりと立ったシャープな麺肌。切り立ったエッジの隙間にはグルテンが溶け出して麺同士が寄り添う感じがある。コシが強いタイプではないが、歯応えはモッチリしている。しかし提供時がピークの麺ディションに思われるので、あまりスープ内に放置すると腰抜けになりそうな茹で加減に思える。ちぢれが緩やかなのでスープの飛散を気にせず思い切り啜り上げるとスープを大量に引き連れて飛び込んでくる。まろやかなスープと、まろやかな麺の共演が見事にマッチしている。

具材はチャーシューが部位も調理法も異なるものが一枚づつ。先にロゼ色が残る豚肩ロースのレアチャーシューから食べてみる。調理場内では低温調理器に温度を60度に制された蛇口付き寸胴鍋の中でレアチャーシューが仕込まれていると思われる。さすがの温度設定でレアながら生肉ではない安心の火入れ加減。ソミュール液のスパイスよりも薫香を効かせてある。前回の醤油系の時は少し邪魔に感じた香りも、味噌スープの中では香ばしく感じて好印象。一方の豚バラ焼豚は煮豚型でとろけるような食感が特徴的。その素材の豚バラ肉には中華料理の東坡肉に使うような皮付きの豚バラを使用している。皮なしの豚バラよりは断然に手間はかかるが脂身の旨さは別格である。その旨みを存分に引き出した味付けで、すぐに追加したくなるほどの豚バラチャーシューだった。

追加した味玉は、個性がないのがラーメンの中では活かされているのかも。醤油ダレの浸透も強くないので、味噌スープの中でも異物感はない。出しゃばらない代わりに本来の黄身の甘みが口内をリセットする。単体で食べるよりはスープと一緒にすると楽しめた。

ここまではかなりのハイスコアだったがメンマに関しては残念な仕上がり。太メンマを非常に柔らかく炊いているが素材の悪さか下処理の不具合か分からないが、二本とも縦の繊維が噛み切れない。素材や下ブレかと思ったが二本ともだと下処理の悪さとも考えられる。あまりに口に残るのでティッシュに出さなければいけないほどだった。穏やかな味付けが良かっただけに残念で仕方ない。たとえ下ブレだとしても一期一麺の精神に則ってマイナス点とさせてもらった。

薬味は青ねぎの小口切りと赤タマネギのアッシェが添えてあるが、どちらも香りの良さや切り口の美しさから鮮度の良さが伝わってきた。薬味としての役目もスープや麺の邪魔をしない食感と香りで果たしている。

やはり中盤からは懸念された麺の状態が変わり始めた。しな垂れるような柔らかな麺よりは、ハリとコシのある麺が好みなので食べ急いだが、麺肌に溶け出したグルテンが麺を束ねてしまっていた。そうなると喉越しも悪くなり麺を啜る楽しみは半減してしまった。

もたつきながらもスープの旨さに引っ張られて平らげていた。スープも飲み干せたのだが、連日の暴飲暴食を省みて泣く泣く断念しレンゲを置いた。

当初は大和市での連食を目論んでいたが、相模大野で三時間過ごしても一向に腹が減らず断念した。味噌ラーメンや太麺の腹持ちが良いのではなく、どうやら私の胃袋とラードと相性が今ひとつなのかも知れないと感じた一杯でした。

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