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のらのら

男性 - 東京都

はじめまして。レビュー開始から一年が経ち、二年目の目標を全国制覇にしました。一杯のラーメンに出会うまでの経緯も書き記しているので、前置き等が長くなりがちですがお許しください。しかし採点に関しては立地 接客 衛生面 価格設定などは考慮せずに、ラーメン一杯に対しての評価にしています。自分の好みだけで評価しているので不快な文面もあると思いますが、何卒宜しくお願いします。

平均点 73.102点
最終レビュー日 2019年10月22日
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レビュー 店舗 スキ いいね

「味玉醤油らぁめん ¥870」@らーめん くろくの写真日曜日 晴天 12:50 先客15名 後客10名

本日は何一つ予定のない日に今年一番の万全な体調で午前8時に目が覚めた。朝のニュースでは今年一番の寒さと外出意欲を削ぐような言葉が聞こえてきた。ふと画面に目をやると、うっすらと雪化粧した仙台市内が目に入った。その後に流れたJR東日本のCMを見て心が動いた。

〝行くぜ、東北。冬のごほうび〟

これを見たときに心はすでに仙台に向かっていた。どのラーメン店に行くかは後で考えるとして取り敢えず東京駅に向かった。この時、午前9時を過ぎていた。

東京駅に着き、みどりの窓口へ向かい仙台行き東北新幹線の空席状況を聞くと日曜日なのに混雑は少ないようで開通当初は人気でチケットが取れなかったグランクラスも空席だらけだ。〝冬のごほうび〟を銘打ったラーメン旅ならばグランクラスに乗らない手はないと贅沢をしてみる。

ここで悩むのが停車駅が少なく移動時間の短い「はやぶさ号」にするか停車駅が多く時間がかかる「やまびこ号」にするかだ。普段なら移動時間の短いはやぶさ号にするのが当たり前だが今回のグランクラスにはアルコール飲み放題の特典が付いている。ならば飲み放題の時間制限の長い方がコスパが良いのではとケチくさい本性が出てしまい東京駅10:36発【やまびこ47号 盛岡行】のチケットを購入した。

しかし発車まで40分近くあるのだが、こんな時こそ使えるのが東京駅のゴールドビューラウンジだ。八重洲中央口の横にひっそりと佇む待合室の利用が可能なのもグランクラスの大きな魅力なのだ。駅構内の喧騒など微塵も感じない落ち着いた室内のソファに腰を下ろしコーヒーとお茶菓子のサービスを受けながら旅先に想いを馳せる。もうすでに〝行くぜ、東北。冬のごほうび〟大作戦は始まっているのだ。

コーヒーをおかわりして本日の目的地をRDBの宮城版にて、ようやく検索を始める。ランキングの上位には二郎系が君臨しているが二郎耐性を持たない私は却下せざるを得ない。すると第三位のこちらの店のラーメンの写真に興味を惹かれ詳しく調べてみると無化調のアナウンスもあり仙台駅からも近く好条件が揃ったところで初訪問を決めた。

贅沢なラウンジを後にし、さらなる贅沢な空間に身を移す。そう憧れのグランクラスだ。金沢新幹線のE 7系のグランクラスには乗ったことがあるが東北新幹線のE 5系は初めてなので興奮が抑えきれない。ましてや乗車客は私を入れた三人だけと静かな車内での移動は誠に贅沢な時間と空間だ。シェル型のリクライニングシートに身を沈めサービスのルームシューズに履き替えてリラックス感を味わう。飲み放題と言うと下品なのでフリードリンクと言っておこう。その中からビールをセレクトする。もちろんIT系(意識高い系)なのでコーンスターチを原材料に含まない銘柄のビールをオーダー。和と洋から選べる軽食のうちサンドイッチがメインの洋軽食をお願いした。到着を待つ間にグランクラス最大の楽しみと言っても良いくらいのイベントを実施する。

それが肘掛の部分に格納されたテーブルを出すことなのだ。可動式テーブルを引き出す楽しみは男子ならば誰もが分かるはず。今では当たり前になった可動式変型ロボットのおもちゃも私が子供の頃はロケットパンチが飛んだだけでも大興奮したものだ。この変型美に対する思い入れは男の子特有のものだろうか。今回のE 5系のテーブルは二段階に調整可能な引き出す方式だがE 7系のアクションの美しさに比べると物足りなさがあった。

軽食とビールが到着し刻印の入ったグランクラスグラスに注ぎ喉を潤す。まさしく冬のごほうびにふさわしい瞬間だ。サンドイッチをつまみに駆けつけ三本のビールを飲み干しリクライニングシートを最大限までフラットにし車窓を眺める。しかしまだ大宮駅の手前で旅気分が盛り上がるような景色ではないのでグランクラスのもう一つの楽しみである〝寝る〟という行為に興じてみる。フリードリンクも大事だが、このシートで眠らないのは損するとしか思えず目を閉じた。

一時間ほど心地良い眠りについただろうか目が覚めると外は雪景色になっていた。雪深い郡山辺りを通過しながら目覚めのビールを追加して目的地の仙台に向かった。福島駅を過ぎる頃には雪景色が一変して青空がのぞき始めた。ウン本のビールを楽しんで気分が良くなったのと同時に仙台駅に着いた。東京と気温差が5度以上ある寒さにさらされながら駅前にあるこちらを目指した。

日曜日の13時近くなので行列を覚悟していたが店先の行列も少なくタイミングが良かったのかスムーズに入店となった。店内の券売機で下調べしておいたタイトルを発券し大きな囲炉裏型のテーブル席に案内された。

店内を見渡すとカウンターとテーブル席だが席数はかなり多く客層もベビーカーを押したご夫妻や学生カップルなど幅広くラーメンのスープの味の豊富さからか熟年層もチラホラと見られる。

自動ドアの近くに券売機があるので発券中もドアが開きっぱなしになってしまい店内に東北の冷たい風が吹き荒む店内を五人体制で軽快に回している。大画面のテレビから流れる仙台ローカルのニュースを観ていると着席後10分程で我が杯が到着した。粉引きの八角丼の中の姿は清らかに澄んだ透明感のあるスープの底に引き込まれそうな程に美しい。

まずは大きめの粒子の香味油が光り輝く代赭色のスープをひとくち。最初に出迎えてくれたのは東北の冷たい風で冷え切った身体を温めてくれる熱々のスープの温度だ。冬のごほうびを体感しながらじっくりと味わってみる。味覚の先頭は鶏清湯の芳醇な旨味だが地鶏や丸鶏主体のスープのような重たさはなくサラリと仕上がっている。カエシも角の取れた落ち着きのある香味で醤油感を主張し過ぎず丸みのある輪郭を作っている。香味油もコクを与えすぎないのが身体に染み渡るスープの理由かと。

次に自家製とある中太ストレート麺を箸で持ち上げてみる。箸先から伝わる麺肌はなめらかで、口に運んでみると期待を裏切らない質感で滑り込んでくる。これ以上ない茹で加減から生まれる小麦の風味が噛むたびに押し寄せる。奥歯を跳ね返すコシとハリのある麺は食べ手の感情を高ぶらせる憎いヤツだ。

具材は豚バラ焼豚が厚めのカットでセンターに鎮座する。脂身の率が多めのバラ肉の甘みを引き出す味付けは濃いめだが高めギリギリのストライク。脂身に対して赤身には強すぎる味付けなのも感じた。

追加した味玉は見た目の印象通りにしっかりと熟成して糊状の黄身はネットリと口の中にまとわりつく。その為、やや強く感じる醤油感と塩気がもったいなく思う。しかし熟成に伴う塩気なので仕方ないのだろうか。

色付きの良い極太メンマも見た目同様に強気な味付けで個性を主張する。硬めだが歯切れの良い独特な食感なので噛むたびに顔を出す塩分が少し残念に思えた。いずれの具材もスープよりも目立ち過ぎていたのが印象に残る。

薬味の青ねぎの小口切りは見た事がない程の細やかさで丁寧な仕事が伝わってくる。しかし細やか過ぎてネギが絡まってしまいマリモのような球体に繋がってしまい食感は今ひとつ。もう一つの薬味の白ねぎは角切りにされ、さらに熱を通すという一仕事が施されているのには驚いた。それによって生まれる白ねぎの甘みを楽しめるのは造り手の狙い通りに伝わってきた。色みを担当する糸唐辛子は色彩では貢献していると思うが滑らかな麺との相性は良いとは思えず必要なく思えた。

具材に関しては好みより濃いめの味付けで私には残念な点もあったがスープと麺は抜群の旨さを誇っていた。最後まで芯の強さを持った麺と温度低下で複雑な旨みが増したスープをキレイに平らげて箸とレンゲを置いた。

せっかくの仙台なので夜もラーメンにしようかと考えたが三陸の海の幸に心を奪われてしまい夜は海鮮居酒屋で舌鼓を打ち宮城の地酒に酔いしれてしまった。

もともと日帰り予定の〝行くぜ、東北。冬のごほうび〟だったので当日に帰路に就いたが帰りのグランクラスの車内ではずっと眠ってしまい呑んだビールも一本だけと何ともコスパの悪い帰り道になってしまった一杯でした。

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