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のらのら

男性 - 東京都

はじめまして。レビュー開始から一年が経ち、二年目の目標を全国制覇にしました。一杯のラーメンに出会うまでの経緯も書き記しているので、前置き等が長くなりがちですがお許しください。しかし採点に関しては立地 接客 衛生面 価格設定などは考慮せずに、ラーメン一杯に対しての評価にしています。自分の好みだけで評価しているので不快な文面もあると思いますが、何卒宜しくお願いします。

平均点 73.119点
最終レビュー日 2019年10月18日
662 553 14 2,119
レビュー 店舗 スキ いいね
83

「鶏そば ¥750」@麺屋 NOROMAの写真日曜日 晴天 17:55 待ちなし 後待ち20名以上

〝ラーメン紀行〟ならぬ〝ラーメン奇行〟

無計画なままに進めてきたが、臨時休業や乗り過ごしなどのトラブルも無く最大の難関であろう大阪ランキング第1位のラーメンを攻略できた。待ち時間は2時間時間近くもあったが何とか目的を果たして、再び梅田まで帰ってきた。

明日の野暮用のためには早々と帰京するのが一番なのだが、やり残している奈良県第1位の攻略を是が非でもやり遂げたい思いが強くなり、新大阪駅へ向かう事を自分自身が拒んでいる。

奈良県第1位のコチラが本日の日曜日が定休日ならば諦めも付くのだが、お店情報を見る限りは日曜の夜も営業しているようだ。しかし現在の胃袋の具合では遅めの夕食しか考えられないが、そうなると奈良に宿泊しなくてはいけない状況も考えられる。果たして奈良市の夜に何が待っていると言うのだ。しかし悩む気持ちの中で東京に戻ったとしても悔いが残りそうなので、とりあえずの奈良入りを決意した。大阪駅を経由して大和路快速に乗り込むと50分程で奈良駅までは来た。ここで自身の空腹状況の様子を見ることにした。人生の中でも奈良に降り立ったのは二度目なので、今後こんなチャンスは訪れないかもしれない。本日の二食目を食べ終えてまだ2時間足らず。老いを感じる胃袋にはかなり酷だが三食目のために初訪問を決断した。

奈良駅が最寄り駅ではなく、たったひと駅しか離れてないのが歩いて行くには距離があるのでタクシーを活用した。10分ほど走ると大手チェーンの飲食店が並ぶ一帯にピンク色の外壁に大きな看板のコチラを見つけた。

さすがに早すぎたのか奈良県第1位と言えども行列はないので、隣のコンビニで温かい飲み物でも買ってこようかなと思っていたら続々と後列が並び始めた。開店30分以上も前なのに私が来てから5分程の間に10名は並びが延びた。行列の客層は若い方が多いが、先程の大阪のような未熟な若さではないので安心した。

私の後列の若い男女のお二人と、さっきの大阪のラーメン店の話題がキッカケで、近畿と関東のラーメン情報を交換しながら待てたので。待ち時間もあっという間に過ぎた。定刻になると暖簾が掛かりオープンの知らせ。先頭にて店内に入ると券売機はなく、カウンターに腰を下ろす。卓上メニューから品定めするが連食のためシンプルなお題だけを注文した。

カウンターから店内を見回すと、カウンターと小上がり席もある郊外店らしいレイアウト。店内の壁や至るところに歴代の受賞の盾やトロフィーが飾られてあり、奈良屈指の名店の風格がある。そんな店内を本日は三人体制で仕切っている。厨房内は奥まっているので見えないのが残念だが、三人の動きから調理工程を想像しながら待っていると、着席して7分で我が杯が到着した。その姿は粉引きの鳴門丼の中で洗練された都会的な顔立ちをしている。シンプルで気品があり、まずは視覚で旨いを訴えかけてくる。

まずは花葉色のスープをひとくち。レンゲでスープをすくった指先の感覚だけで、滑らかな乳化の度合いが伝わってきた。立ち昇る香りは特には感じないが、目に見えないオーラが立ち昇っているようなスープだ。いざ口に含むと、まるで高級グランメゾンのポタージュのようなクリーミーな口当たりと舌触り。瞬時に連食だった事を忘れさせてくれる高揚感に包まれた。じっくりと丸鶏や鶏ガラを潰しながら炊かれたスープには鶏の旨味が凝縮している。しかし重たさを感じさせないのは絶妙な濃度が関係しているのかもしれない。液面には乳化したスープが覆っているが、その下には乳化する手前のスープが層になっている。あくまで二層に分離しているのではなく、グラデーションのような幾重もの層が舌触りを軽やかにしているようだ。ポタージュのように感じたのは口当たりだけではなく味覚にも感じた。まるでトウモロコシのような甘みがスープに潜んでいる。よってコーンポタージュのような口当たりと甘みに、自分がラーメンのスープを飲んでいる事を忘れてしまいそうだ。カエシも出汁の甘みを引き立てる程度の塩分で角もなく、主張せずに輪郭を作っている。

自家製麺は140秒くらいで麺上げされた中太麺。切刃のエッジが鋭く残る茹で加減で、剛麺そうな印象が箸先から感じられる。形状も平打ち麺にかなり近く、エッジのくぼみがスープを存分に持ち上げてくれそうだ。さっそく一気に啜り込んでみると唇が捉えた太い麺のエッジの感覚はラーメンでは感じることのない口当たり。それはまさしく手切りの田舎蕎麦のような感覚で、ハリとコシをアピールしながら口の中に入ってきた。他にはない食感で口内を跳ねる麺を噛みつぶすと、みっちりとした密度の詰まった麺質が歯茎にまで圧をかける。かなりの荷重を掛けた所で、ようやくプリッと噛み切れた。その断面からは内麦ならではの、品のある甘みが染み出してくる。その香りと甘みが去ると舌の上には旨みが残っていて、グルテンの熟成された旨みをしっかりと感じとれる。ハリとコシがある上に熟成感まで兼ね備えた自家製麺は、もはや無敵な存在感を誇示する。もうこれ以上褒める所がないと思われたがスープとの相性もパーフェクトだったので、粗探しするのをやめた。

具材は豚肩ロースのレアチャーシューが二枚。二枚と言っても大判なチャーシューをカットしてあるので部位的には一枚。しかし赤身優先の部分と脂身優先の部分に分かれている。先に赤身の多い方を食べてみると低温調理ではあるが基準値に達した温度を守ってあるので、タンパク質の熱変化が行われているので不快な生っぽさは微塵も感じない。〝レア〟と〝半ナマ〟の違いを理解されている調理技術だ。下味もしっかりとスパイスが浸みていて薄味ながも味わい深い。もう一枚の脂身を多く含んだ方を食べると味自体は同じだが、脂身の香りと食感が気になった。それはチャーシューの提供温度の冷たさに由来するのだろうが、持ち味の脂身の香りと甘みを感じない。更には冷えた硬めの食感の中にスジ切りの出来てない噛み切れない部分が多くあった。それがいつまでも口に残るのは決して心地良いものではなく残念だった。

薬味の白ネギは切り口が下仁田ねぎ程もある大きな白ネギを使われていた。鶏と白ネギとの相性は今さら言うこともない程に抜群だ。この白ネギの大きな切り口が、とても繊細な薄さで切られているのでクリーミーなスープの舌触りの邪魔をする事なく香りでアクセントを付けてくれた。

青みのカイワレには残念ながら存在価値を見出せなかった。青の色が欲しいだけなら他にも青菜があるし、大根の辛味が欲しいなら少なすぎる分量に思える。ナルトは原材料が不明のため今回も回避した。

中盤も終盤もないままに一気に平らげてしまった。今まで鶏白湯にあまり興味がなかったのだが意識に革命が起きた。こんなに旨いスープと麺に出会えたことに感謝しかない。

満足で食べ終えて帰路に着くのだが、行列に並んでいる時に話をした若い男女のお二人が車で来店していたので、帰り道を駅まで送ってもらうお願いをしていたのだ。快く頼みを受け入れてくれた二人との出会いにも感謝しかない。しかも男の子は来月から就職で関東に配属らしく、連絡先を交換して東京で再会する約束をして近鉄奈良駅で車を降りた。

これで今夜は奈良に泊まらずにすむ事にはなったが帰郷する前にもう一泊して帰ろうかなと、良からぬ事を思い付いてしまった一杯でした。

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